- Loveless, more Loveless【ジャケットB】/メガマソ
- ¥3,150
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1. 世界の終わりのジェリーフィッシュ
2. Loveless,more Loveless
3. 白銀少女
4. かごめかごめ in TOKYO Night
5. wonder_wall_sunset
6. たすけて
7. fate
8. パンデモニウム、発見。
9. The Requiem
10. 静かなくちづけで、朝の挨拶を。
11. トワイライトスター
12. 花びら
13. すみれSeptemberLove(メガマソfeat. IZAM)
14. Until
メガマソのメジャー2ndアルバム。
通常盤には、Gouさんが作詞作曲を手掛ける珍しいナンバー、「Until」が追加収録されています。
本作を聴いて、まず感じたのは、そのストレートさ。
メジャーデビューアルバムとなった「M of Beauty」でも、その予兆はありましたが、難解な歌詞や、変拍子・転調といった不可思議さは陰を潜め、インザーギさんの歌唱力をとにかく引き立てようとする煌めくポップナンバーが多くなった印象です。
流れの中で、とても聴きやすい。
もっとも、涼平さんがメインコンポーザーを務めるバンドなわけですから、無策にメジャーっぽい楽曲を量産しているはずがありません。
そのポップさの中に見え隠れする、マニアックな構成、インパクトのあるタイトルなど、味わい深い面白さも、きちんと用意されているのですよ。
初期のメガマソが、聴きにくく難解にしようと、表面的な魅せ方に固執していたのだとすれば、メジャー進出後の彼らは、さらっと聴いただけではわからない、聴けば聴くほどじわじわと浸食していくような魅せ方をしてくる。
ポップになったように見えて、実は玄人好みになっているという、不思議なバンドだなぁ。
これまでは、センスでは涼平さんの、スキルではインザーギさんのワンマンといったイメージもありましたが、今回、Gouさんが作曲にも参加したことも含めて、非常にバランスが整った気がします。
王道感があって、サビになると鮮やかなポップス色を帯びる表題曲「Loveless,more Loveless」、サビや間奏での昂揚感が気持ち良い「wonder_wall_sunset」など、ポップさを押し出したキラーチューンを要所要所に配置し、「トワイライトスター」、「花びら」というタイアップのついたシングル曲を、後半に固めるという構成。
盛り上がる楽曲を、終盤に温存できるほど、1曲1曲の完成度が高くなっており、作っては音源化・・・という短いサイクルでリリースしていた時代に比べて、じっくり作り込んだんだというのがはっきりとわかる、アレンジの実験性、バリエーション。
この辺は、メジャーに出て、間違いなく正解だった部分ですね。
プロデューサーがついて、ワンパターンの演奏手法から、とうとう脱出できたといったところ。
また、SHAZNAの大ヒット曲、「すみれSeptemberLove」のカバーも、話題性がありました。
SHAZNAにしても、これはカバー曲だったはずなのですが、ご本人様みたいな立ち位置で、IZAMさんが参加しているのが面白いです(笑)
歌唱力の差は・・・圧倒的にインザーギさんが上手。
話題性をとるか、クオリティをとるかという選択だったのでしょうが、そういう意味では、コラボの必要性はなかったかもしれません。
まぁ、これはこれで楽しみましたけれども。
アップテンポでメロディアスな曲が目立つ作風ですが、緩急がついていて、通しで聴いたときのバランスも抜群です。
一番気に入ったのは、「fate」ですかね。
ほんのりダークさを残した、王道進行の疾走メロディアスナンバー。
ヴィジュアル系バンドが、インディーズでシングルを切るような楽曲、といったら、どれくらいの王道さが思い浮かべていただけるでしょうか。
続く「パンデモニウム、発見。」でも、激しさ+キャッチーさを強めに押し出したテンションの上がる展開を見せているだけに、この流れが本当に爽快でした。
まぁ、初期と音楽性との違いっていうのも、はっきり見えてきたところではあるので、離れるファンと、新規のファンの、どちらが多いかという話にはなってくるのかもしれません。
いくらレベルが上がったとはいえ、表面的にまどろっこしいことをやっていた、いわゆる涼平節を期待する層があるのも確か。
ここで、新規を取り込めないと厳しいところもあるでしょう。
次の展開として、ますますポップにしていくのか、本作での実験を踏まえ、マニアックな路線に戻っていくのか、それとも、まったく別のベクトルで開拓するのか。
どれもあり得そうだなぁと思ってしまうのは、それこそ、涼平さんの音楽的な引き出しの多さを認めていること。
きっと、良い意味で期待を裏切ってくれると信じています。
<過去のメガマソに関するレビュー>