CORKSCREW / 黒夢 | 安眠妨害水族館

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CORKSCREW/黒夢
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1. MASTURBATING SMILE

2. FASTER BEAT

3. SPOON&CAFFEINE

4. 後遺症~aftereffect

5. CANDY

6. 少年(screw mix)

7. TELL

8. ROCK’N ROLL

9. HELLO,CP ISOLATION

10. YA-YA-YA!

11. COWBOY

12. MARIA(screw mix)

13. KNEES TO BREAK

14. LAST PLEASURE


先日、復活となるシークレットライブが1分間で強制終了となったことで、またも伝説を作った黒夢。

その活動休止前最後にリリースされたオリジナルアルバムです。


このバンドは、時代によって音楽性がコロコロ変わっていったのですが、そのどれもが高い評価を受けています。

コテコテドロドロのV系ミュージックから、メジャーに進出して、メロディアス路線に。

更に、ポップ期を経て、パンクが中心となっていく・・・

普通、これだけ変われば、「個性がない」とか、「一貫性がない」とか、批判の対象になるところですが、そういう声がないわけではないにしろ、それすら含めて個性にしてしまっているのは強い。

実際、どれも格好良いのですよね。


本作は、パンクを更にコアな方向へ突き進めたような、スピード感のある作品。

メロコア、スカなど、V系としては異色である方向感を見せつけました。

曲の大半が2分台、3分台で終わってしまう潔さ。

曲単位で個性を作るというよりは、アルバムとして、ひとつの統一した個性を形成しているといったイメージでしょうか。

もちろん、歌メロが消えたわけではなく、清春節は健在で、あのメロディセンスがそのままにハードコアに昇華しているあたりは、さすがとしか言えません。


音の面では、ベースの音がかなり強調されていて、ブリブリ前に出てくるのが印象的。

フレーズはシンプルながら、アグレッシブさが際立っています。


もったいないのは、スマッシュヒットを記録したシングル、「少年」が、かなり浮いてしまっていること。

この曲は、メッセージ性も強く、パワーのあるナンバーであることは間違いなく、黒夢の代表曲であることに異論はないのですが、いわゆるシングル的な構成で4分以上あるため、本作の中では異質な感じを受けてしまう。

この流れの中では、収録しなくても良かった気もします。

大ヒット曲を「あえて外した」くらい言ってのけたほうが、ハクがついて、より名盤としての評価が高まったのでは。


復活作が、どんなものになるのか、かなり気になるところ。

どの時代の音楽性で復活するのか、それとも、まったく別の扉を開いてくるのか。

現時点での最新作、ふたたび聴き込むきっかけに。


<過去の黒夢に関するレビュー>

迷える百合達~Romance Of Scarlet~