- 桜花爛漫/Kagrra
- ¥2,625
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(0.し、め、み、ゆ、き、さ、あ)
1. 桜花爛漫
2. じゃじゃうま姫伝
3. 逢魔ヶ刻
4. 母へ…
5. 七月七日
(6.桜舞い散るあの丘で~instrumental~)
久々に、Kagrra,を聴いています。
その中から、季節外れ感もありますが、インディーズ時代に発売したミニアルバム、「桜花爛漫」をピックアップ。
このCDは、表記上は5曲入りなのですが、前後に1曲づつシークレットトラックが収録されており、実質的には7曲。
6曲目に「桜舞い散るあの丘で」のインストバージョンが入っていることで安心して、1トラック目を巻き戻すと再生される「し、め、み、ゆ、き、さ、あ」の再録版に気付かなかった人もいるのではないでしょうかね。
「し、め、み、ゆ、き、さ、あ」は、彼らにとっての代表曲ですが、1stミニアルバムに収録されたバージョンは粗さがどうしても感じられるため、こちらがおススメ。
まぁ、ギミック的には聴きづらいのですけれど。
このCDは、アルバムとしてのまとまりという面から言えば、他のアルバムには劣ってしまう。
それは、Kagrra,の持っている引き出しを、片っぱしから開いて、とにかく詰め込んだという印象だから。
しかしながら、その1曲1曲は、Kagrra.の和風をベースにした音楽性から外れているわけではなく、むしろクオリティは高い。
それぞれが個性的すぎて、とっちらかってしまっているというのが正直なところでしょうかね。
メジャーデビュー直前のKagrra.の集大成的な作品であり、聴く価値は十分にある作品。
高揚感があり、ポップでキャッチーな「桜花爛漫」からスタート。
和風のメロディはやや控えめですが、しっかりとKagrra,節は感じられ、春めく雅やかさがある曲ですね。
疾走感も相まって、気持ちが良い。
その後の「じゃじゃうま姫伝」も、その流れを受けてのアップテンポなナンバー。
ハネるようなリズムが独特で、日本的なお祭り騒ぎのような楽しさがあります。
前半2曲は、陽のKagrra,とでも言うべきでしょうか。
そして、3、4曲目は、陰のKagrra,。
おどろおどろしく、妖しさのある「逢魔ヶ刻」は、その雰囲気とは裏腹に、歌メロにはポップさがあって、気味が悪い。
歌メロの乗せ方や、リズム的には「じゃじゃうま姫伝」と近いものがあるのですが、なんでこうも両極端に聴こえるのか、というアレンジの妙。
「母へ…」は、ゆるやかで幽玄な雰囲気のあるバラード的な位置づけの曲。
しっかりと和の音づかいとバンドサウンドが融合していて、アルバムには定番の曲調ですね。
構成上の最後の曲となる「七月七日」は、これからのKagrra,を示唆するようなダンサブルな曲。
春がテーマだと思ったら、夏っぽいタイトルの曲があってびっくりです(笑)
和風なメロディと、デジタルさも感じられる演奏が、上手い具合に重なって、新鮮さもあり、安心感もある。
ラストで再度高揚感のある曲を持ってきて、盛り上げて終わるのも、悪くはない選択ですね。
余韻として、「桜舞い散るあの丘で」の切ないインストで締め。
終わり良ければすべて良し、とでもいうべきか、終わり方としては、まずまずの感触です。
それぞれがアルバムに1曲は入る王道の曲ではあるのですが、それを繋ぐクッション的な曲がないために、1、2曲目の流れはまだいいとして、3曲目からの流れが、ブツ切りになっている印象が否めず。
前半、後半で雰囲気をまとめる工夫はあったものの、少し強引だったでしょうか。
どうせ7曲入りにするなら、その中間的な曲を持ってきて、フルアルバムでも作ったら、名盤に近づいたのではないかと思うと、残念な気もします。
好きな曲が多いだけに、惜しいなぁ。
<過去のKagrra,に関するレビュー>