北京紀行1 〜食事に見る日中文化の違い〜 | どっこい俺は生きている。

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※ 北京のラッシュ時は、いつも大渋滞



一年半ぶりに北京に行った。

一昨年、北京で開催した「希望の画絵画展」
お世話になった方達への御礼と、
撮影、打ち合せ等の若干の仕事もかねて、
盟友―株式会社DVCの中溝社長とその社員の万ちゃんとともに機上の人となった。


北京空港では、友人のジャさんが待っていてくれ、
ホテルまで車で連れて行ってくれる。


市の中心街にある、いつもの安ホテルだが、
昨今の元高円安の影響やら北京の物価上昇で、
ホテル代がバカ高くなっている。

もうほとんど東京のビジネスホテルと差はない。

聞けば、北京中心部のアパートやマンションは、
家賃が高すぎて、北京に勤めている人も、
ほとんどの人が、郊外から長時間電車を乗り継いで出社しているという。



チェックインを終えると、ジャさんさんが夕食に連れて行ってくれた。

「何が食べたい?」彼はいつもそう聞く。
「麻辣(マーラー)の魚」と僕が言うと、
いつもの繁華街、「鬼の街」に連れて行ってくれた。






※鬼の街にあるお気に入りの店

ここは24時間眠らない街。東京で言えば歌舞伎町にあたるのだろうか。

いつも通り、人が多いこと!
この店は僕たちのお気に入りで、何度も訪れている。





※ 友人のジャさん(右) 隣は万ちゃん(左)


ジャさんは、放送機器関連の卸販売会社の社長さんで、
北京の放送に携わってる人で彼を知らない人はいない。

彼とは知り合って5年になる。
以前東京に来た時、蟹やら刺身やらを僕が御馳走したことがあって、
いつまでもその恩義を忘れない人だ。

北京に僕らが行くと、絶対に僕らにお金を払わせない。
「今日は僕が出す」と言っても、絶対に払わせてくれない。

実に申し訳ない次第だが、
ジャさんは律儀で、大人で、尊敬できる大人物である。


さっそく、中国名物、
スパイシーな羊の串焼き(これは最強に旨い!)やら、
カエルの煮たのやら、ビールやら大量に注文。

ちなみに中国では、夏以外、ビールは冷やして飲まない。

健康を第一義に考える中国。
身体を冷やすことは健康を損ねる、との言い伝えから来ているものと
僕は推察している。

しかし僕らは、冷えたビールを注文。



※ 羊や野菜などの串焼き。スパイシーで旨い。
羊でも様々な部位があり、串焼きだけでも20種類はある。




※ 写真左上が、カエルをラー油で煮込んだもの。
真ん中にあるキュウリのたたきは、酢や塩、ニンニクでキュウリを和えたもので、
毎回必ず注文する。左下は、インゲンを四川風に炒めたもの。激ウマ。



※鶏と豆腐のスープ 激ウマ!!



中国では、客人をもてなす時は、ホントに食べきれないほど注文する。
客に「もっと食べたいなぁ」と思わせては恥なのである。

そのかわり、客が残す分には、
ノープロブレム。というか、残すのが礼儀。
「もうお腹いっぱい。もう無理!」となって、もてなす側も安心する。

残すのが恥とされる日本と考え方が違って面白い。


※ 盟友 中溝氏と



その後、お目当ての魚の麻辣煮込みを注文。

分かりやすく言えば、麻(中国の山椒)と辣(辛いラー油)で魚を煮たもの。
中にもニンニクやらいろいろ香辛料が入っていて、クセになるほど旨い。

まず、どの魚を食べるのかを決める。北京は内陸なので、基本は淡水魚だ。

当然だが、使う魚によって値段が違う。






中国では、ある程度の店は、必ず使う魚を事前に見せてくれる。

何の魚使ってるか分からないと
やっぱ不安だしね。






しばらく待つと、スチール製の鍋に火をつけたまま、
先ほどの魚君が運ばれてくる。

もうほとんど原型を留めていない。






素材そのものの味を引き出すのが日本料理だとすれば、
素材をより美味しく調理するのが中華料理と言えるだろう。

それは、食材が育つ環境や文化の違いからくる発想の違いなのだろうが、
もちろん、どちらがいいとも言えない。

ちなみに北京では、日本で皆さんがイメージする、
もしくは食べている中華料理とはまったく違う。

もっとスパイシーで、はるかに旨い!
日本の超高級と言われる中華料理よりもぜんぜん旨い!

普通の何気ない店でも、メニューは数百種類もあり、
世界三大料理に数えられる中華料理の奥の深さはハンパではない。








この店のように、大きい店では、流しのギター弾きがいる。
流し、と言っても今の世代の人はピンと来ないかもしれないが、
古い昭和の頃は、お客から金をもらってギターを弾き、
歌を歌う人たちがいた。(僕はあまり知りません)





もちろん、客が歌うこともできる。
みんな、大いに飲んで食べて歌って、一夜を本当に楽しんでいる。


日本が失って久しい、生命力にあふれた街、北京。

僕はそんな北京が大好きである。