厨房のタイルです。
ガンダムエピオンの色。
これで店っぽくなってきました。
グラングランだったカウンターも厚みをもたせ、
あとは残りの入り口側の床を上げてワイン部屋を作ろう!
って時に、事件は起きた。
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それは突然だった。
300足りないけどどうしますか?という話題が振られた。
300というのはきっと300mmのことだというのはわかった。
現場での単位はいつもこれだから。
30cmではなく300mmなのだ。
この時すでにもう慣れてしまっていた。
足りないというのは、奥行きというか長さのことらしい。
それは、300足りないので通路が300で良いかという質問だった。
答えはノーだ。
なぜなら30cmの通路幅は狭いと思ったからだ。簡単な問題だ。
椅子と椅子の背を合わせて間を30cm取り、そこを実際歩いてみるとわかりやすいだろう。
通れるには通れるが、狭い。
そもそも計画では60cmの予定だからそこに変更は無い。
もともと広くは無い店内だが、寸法間違いで30cm誤差があるということはありえない。
この店くらいの全長なら自分でも測れるだろう。
しいて言うなら3cmくらいの誤差ならまだあるのかもしれない、などと余計な事を考えてみる。
私はキュイジニエであり、設計士では無いのでそこの感覚はよくわからない。
ただ言えることは、すべての料理ではないが、料理でも測ったり量ったり計ったりするものは「きっちりやる」ということだ。
きっと家庭でお菓子を作る人もきっちり量るだろう。
誰だってそうする。
しかし、プロとなると見ただけでわかったり、測る必要がない人も中にはいるはずだ。
残念ながら今回はそのケースではなく、完全な失敗となってしまっていた。
しかもまた日程が良くない。
12月5日に工事が終わる予定であるにもかかわらず、これがわかったのが11月末である。
ワイン部屋のサッシは特注で製作しており、既に納品待ちの状態。
縦にしても横にしてもサイズが合わない。
店の入り口の壁を延ばす案も出た。
屋根はどうする?
日差しが強い時はどうする?
地下の店の間口も狭くなってしまう。
この案を通すことは出来ない。
......。
そこにいる全員に衝撃が走った。
誰もが「まさか!?」と思っているだろう。
これが何を意味するか。
またしても工期の延長である。