まず、直近の情報をご紹介します。
毎日新聞からの情報です。
http://mainichi.jp/life/job/news/20091012ddm013100026000c.html
11月21日午前10時~午後4時
東京弁護士会の女性弁護士が「セクハラ被害110番」
03・3503・8671、当日のみ
川口市広報からの情報です。
全国一斉「労働時間相談ダイヤル」(無料)
11月21日(土)9:00~17:00
フリーダイヤル 0120(794)713
【問い合わせ】埼玉労働局労働基準部監督課 電話 048(600)6204
こちらもよろしくお願いします。8月31日から福岡高裁で控訴審が始まりました。
緊急報告「爪ケアを考える北九州の会」からのアピール
http://ameblo.jp/sai-mido/entry-10310539150.html
さて。出張から帰ってまいりました。
という訳で、この間忙しくて取り上げられなかった医療関係の事業仕分けについて、キャリアブレインニュースの記事を参考にして考えたいと思います。
では、キャリアブレインニュースの記事を引用します。引用部分は青で表記します。
医師確保対策などの補助金「半額計上に」―事業仕分け
キャリアブレイン 2009年11月12日19:00
https://www.cabrain.net/news/article.do?newsId=25162&freeWordSave=1
行政刷新会議の第2ワーキンググループ(WG)は11月12日、「医師確保、救急・周産期対策の補助金等(一部モデル事業)」について事業仕分け作業を行い、来年度予算概算要求(約574億円)の半額を計上すると結論付けた。
(中略)
WGの評価結果では、「予算要求縮減」が10人で最も多く、「廃止」1人、「予算計上見送り」1人だった。「縮減」とした評価者のうち、「半額」は3人、「3分の1」は1人、「その他」は6人だった。
評価結果を受け、取りまとめを行った尾立源幸参院議員は、「背景には、昨日議論した診療報酬配分の見直しが前提にあると理解している」とした上で、来年度予算で半額計上すると結論付けた。
また、今後の診療報酬配分見直しの状況をみながら、必要性があれば来年度の補正予算に計上する決定を、政務三役の下で行うよう求めた。半額にするに当たっては、「支給方法、支給内容、支給先などについても政務三役としっかりご相談の上で決定していただきたい」とした。
厚生労働省側はこの日、「個々の診療行為に着目」した診療報酬と、インフラ整備を「サポートしていく機能」を持った補助金の役割の違いを強調。診療報酬と補助金を使い分け、両面から対策に取り組む必要があるとした。
また、同省の阿曽沼慎司医政局長は、「個人的には(介護報酬と診療報酬が同時改定される)2012年までの間に今の医療制度を見直し、改定時に補助金の制度の問題も含めて対応すべきと思っている」などと述べた。
一方、財務省側は、事業予算の執行率が約70%にとどまっているとし、「多額の不用は、補助金という政策手段の限界を示しているとも考えられ、見直しが必要ではないか」などと指摘した。また、個別の補助金ではなく、診療報酬配分の抜本的見直しや制度全体の見直しで対応すべきとの見方を示した。
またしてもがっかりです。
この前日の事業仕分けで、診療報酬については組み換えを行なうだけで増やさない方針を決めたばかりでしたよね? それで今度は医師確保、救急医療、周産期医療という、医療崩壊を防ぐうえで最重要な分野の補助金を削りますか……
確かに補助金が本当に効果的に使われ、現場で改善が実現しているかどうか検証し、そのうえで不必要な部分に使われている事実が発覚すれば減らすということもあり得るでしょう。ですが、短時間で質疑だけを行なって判断を下す「事業仕分け」でそのような検証が行なわれたとは思えません。「半額」という切り捨て方にも機械的なものを感じます。
今後必要があれば来年度の補正予算に計上するとしていますが……
新政権は、本気で医療崩壊を防ぐ気があるのでしょうか!?
医師が偏在しているのではなく、絶対数が足りないのだということは、前政権すら認め、医師養成数抑制の閣議決定を撤回したのです。そして、医師養成数はわずかばかり増やされましたが、まだ必要数を満たせる水準だとは思えないし、医師が養成されるまでには10年程の時間が掛かるのです。少しでも早く医師数を増やす対策を講じ、医師が増えるまでの10数年を何らかの工夫をして医療現場が疲弊しきって崩壊しないようにしていかなければならないのに、「必要があれば来年度の補正予算に計上」なんて、悠長なことを言っている場合なんでしょうか?
救急医療、周産期医療の充実は少子化対策としても重要項目です。いくら子ども手当で子育て費用を助成しても、出産できる場所がなければ子どもは産めないし、小児医療が充実しなければ安心して子育てもできないでしょう。
事業仕分けでは、医師の給与の格差が診療科での医師数の偏りの原因であるような論議がされていましたが、産科医が減っているのは、別に産科の勤務医の給料が他に比べて低いからではありません。普通、勤務医は科別の給与体系になどなっていないし、産科専門の開業医も存在します。むしろ、産科に特徴的な勤務の過酷さ、訴訟リスクの高さなどによる、身体的・精神的な疲弊の方が問題です。それらを解決するためには、もっと多面的に産科医療について考える場が必要です。
明らかに医療についての対策が必要なのに、それを「事業仕分け」という予算を削ることを目的とした作業に載せること自体がおかしいと思います。不必要な部分に予算が計上されているなら、もっと緊急に必要とされている部分に予算を回せばいいのであって、医療を改善していこうと考えるならば、予算を回す先まで一連の作業として決め、国民の理解と納得を求めるべきだと思います。
果たして今後、どのような医療対策を政府は示すのでしょうか? そして、それはいつになるのでしょうか?
こうしている間にも、多くの医師が過労死の危険にさらされ、限界を感じて退職の道を選ぶことも少なくないのですが……
政府には、もっと医療に対する危機感を持って政策を考えてほしいと思います。