労働組合ってなにするところ?

2008年3月から2011年3月まで、労働組合専従として活動しました。
現在は現場に戻って医療労働者の端くれとして働きつつ、労働組合の活動も行なっています。

あまり知られていない労働組合の真の姿(!?)を伝えていきたいと思います。

たくさんのご意見をいただきたいと思っていますので基本的にいただいたコメントは全て公開しますが、公開をご希望でない方からのご意見や表現に問題があるコメントは公開しないという選択をする余地を残すため、コメントは承認後公開とさせていただいています。トラックバックも承認後の公開となっております。(※「表現に問題があるコメント」とは、特定の個人を攻撃したり名誉を傷つけたりする表現を含むコメントや、特定の集団に対する差別表現などを含むコメントのことです。単に言葉遣いが乱暴であるという程度でしたら、基本的に公開しております。また、個人情報を明らかにしてしまうようなコメントについても、公開を差し控える場合があります)

なお、今のところアメンバー限定記事を書く予定はありませんので、アメンバーの新規登録は受け付けておりません。全ての記事を全ての方に公開していきますので、ご理解のほどをよろしくお願い致します。



2009.1.15追記 コメントのお返事を書いた記事についてはトラックバックできないように設定することにしました。同時に、コメントのお返事を書いた記事の無断転載は固くお断り致します。



2009.3.31追記 非公開コメントの基準に、「本筋から外れたことを持ち出して議論を混乱させるコメント」、「嫌がらせ、からかいと思われる表現を含むコメント」、「警告を受けても改めない人からのコメント」を追加します。そういったコメントに対してはお返事も致しません。(2009.3.14の基準は曖昧だったので変更しました)

2009.3.31現在、「警告を受けても改めない人」としてコメントをしても非公開の扱いになっている人は1名です。


2011.10.20追記  トラブルがあり、一時コメント欄を閉めていましたが、本日から再開しています。なお、コメント非公開扱いの人が1名増え、2名となりました。


2011.12.25追記  非公開コメントの基準に、「人の不幸を楽しむためのコメント」、「人の不幸をあげつらうコメント」、「人の不幸を助長させるコメント」を追加します。


2012.3.19現在、「警告を受けても改めない人」としてコメントをしても非公開と扱う人が1名追加となりました。現在、完全コメント非公開扱いの人は3名です。

「警告を受けても改めない人」の基準として、非公開コメントが通算10個を超した時点で完全コメント非公開扱いとすることとします。


2012.4.15追記  「表現に問題があるコメント」には当然セクハラ表現も含みます。コメントの内容のみならず、投稿者名にセクハラ表現を含むコメントも、本日より非公開と致します。過去にセクハラ表現を含む投稿者名を許容していたことに関しましては、不快感を抱かれた方にお詫び致します。


2012.8.20現在、「警告を受けても改めない人」としてコメントを非公開扱いとする人が1名追加となりました。現在、完全コメント非公開扱いの人は4名です。


2013.10.30現在、「警告を受けても改めない人」としてコメントを非公開扱いとする人が1名追加となりました。現在、完全コメント非公開扱いの人は5名です。


2015.10.29追記 これまで誹謗中傷、セクハラ、商業的宣伝目的のトラックバックの削除についての注意がありましたが、トラックバックは廃止になって久しいのでそれを削除し、同様のコメントを非公開扱いにするということに変更いたします。


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まず、熊本、大分を中心とした地震の被害に遭われた皆さまにお見舞い申し上げます。

合わせて、避難不可能な状況下での原発災害を防ぐために、川内原発の運転停止を求める署名への賛同を呼び掛けます。



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そして、戦争法廃止に向けてたゆまず行動し、憲法に違反する政治を推し進めようとする策動を許さず、医療・介護を国の責任で充実させることを求め、最低生活基準を切り下げようとする動きに抵抗し、労働者のいのちと健康と働く権利を守り、東日本大震災の被災地の復旧・復興が住民の立場に立った形で1日も早く実現することを目指して、声を上げていくことを提起します。



5月26日、反貧困ネットワーク埼玉の定例会において、学習会「シングルマザーと貧困について」が行なわれました。講師はしんぐるまざーず・ふぉーらむの赤石千衣子理事長でした。以下、その概要をまとめます。


赤石千衣子さんは、約30年前に非婚のシングルマザーとなり、共同保育の保母や女性向け雑誌「ふぇみん」の編集部などで働きながら子どもを育ててきたそうです。児童福祉手当が削減される時に、「児童扶養手当の切り捨てを許さない連絡会」に加わったことからシングルマザーと子どもたちのための活動に参加するようになり、現在はNPO法人しんぐるまざーず・ふぉーらむの理事長をされ、反貧困ネット―ワークの世話人にも加わっているそうです。

しんふるまざーず・ふぉーらむは会員数500人ほどで、うち200人は無料のメールマガジン登録の会員だそうです。主な活動は、週2回の電話相談、随時のメール相談、グループ相談会の開催、食料支援、学習支援、季節の行事、支援者養成、講師派遣などだそうです。また、今年4月から入学お祝い金事業を開始し、26人に3万円を支給したそうです。来年はもっと拡大する予定だということでした。

グループ相談会とは、参加者が輪になって2時間ほど語り合うもので、「自分はひとりではなかったんだ」という自己肯定感を持てるようになったり、仲間の体験談を聴いて先の見通しがついたり、失敗談も役に立つと感じることでエンパワーされたり、居場所があるという安心感を持てたりするという効果があるそうです。ここで聴いたことを外では話さない、批判したりさえぎったりしない、時間はみんなでシェアする、政治宗教営業勧誘をしないなどのルールに沿って行なっているそうです。

しかし、グループ相談会に来られるのはまだ元気な方で、もっと大変な人たちにはパーソナルサポートを行なっているそうです。傾向として、うつで働けずに生活困窮、子どもが不登校で就労が困難、虐待傾向があり行政とつながらないといった事情があることが多いそうです。

季節の行事としては、シングルマザーフェスタを開催しているそうです。これは、セミナーを2種類開催し、リラクゼーションとしてマッサージやメイク講座を行ない、子どもにはおもちゃづくりコーナーがあり、相談を受けることもでき、リサイクルのスーツやバッグなどを無料提供し、フードバンクのお土産もついているそうです。好評で、前回は約100人の参加があったそうです。「あなたは大切にされていい人です」というメッセージをフェスタ全体で伝えるようにしているそうです。


男女共同参画会議のデータによりますと、男性よりも女性の方が相対的貧困率が高く、現役世代も高齢者も、離別、未婚の女性の相対的貧困率が高いそうです。未婚・離別の高齢女性の相対的貧困率が最も高いということでした。

しかし、シングルマザー全員が貧困ではなく、自分が貧困だと言われるのは全員が嫌で、傷つくことなので、それを考えて発言をする必要があるということでした。正社員などのシングルマザーは年収400万円を得ることができ、子どもの教育費も負担できるそうです。年収200万円程度が平均的で、相対的貧困ラインに近いギリギリの生活状況ですが、自分では貧困だとは思っていない、あるいは言われたくないと思っているそうです。しかし、この層の家庭では、高等教育の教育費は奨学金を利用せざるを得ないそうです。年収ゼロから100万円台では毎日生活が苦しく、親がうつ状態であったり子どもがネグレクトなどになりやすかったりと、多重的困難を抱えているそうです。

日本のひとり親家庭の就業状況は、母子世帯で80.6%と、世界的に見て非常に高いそうです。しかし、相対的貧困率が高いのは非正規雇用が多いからで、正規43%に対して非正規は57%となっているそうです。平均年間就労収入は180万円で、正規は270万円、非正規は125万円です。父子世帯の就業率は91.3%で、正規87.1%、非正規12.9%ですが、平均年間就労収入は360万円で、一般世帯の男性よりもやや低くなっています。これは子育て・家事と仕事の両立が困難なためではないかということでした。

また、母子世帯の養育費の取決率は37.7%、受取率は19.7%で、これはなかなか上がらないそうです。また、母子世帯の生活保護の受給率は14.4%であるのに、相対的貧困率は54.6%だそうです。つまり、生活保護を受給すべき状態にあるのに、生活保護を受けていない人が大勢いるということです。

母子世帯は年収200万円以下が6割であり、子育てを担う女性が家計を支えていくのは非常に困難です。副業をしている割合は6.9%で、これはお子さんが大きくなると上がる傾向がるそうです。約30年前は、学校の用務員や給食調理員、中小企業の経理事務など、女性が正社員になれる枠がまだ少しあったのですが、今はそうした仕事は派遣や委託、契約社員が担っており、正社員になれる機会は減っているそうです。


次に、具体的なシングルマザーの状況について5つの事例が紹介されました

個人情報を除外した内容をお伝えします。

Aさんは2人の子どもがいるシングルマザーで、親と同居しているために家賃負担はなく、昼間は介護用品レンタルの会社で準社員として働いて月12~13万円、夜は居酒屋でバイトをして月4万円弱稼いでいるそうです。深夜帰宅し、午前2時に就寝し、午前6時前に起きて子どものお弁当をつくるという日々ですが、トリプルワークをしている人よりはまだましで、「まだ土日に働ける」と言っていたそうです。疲労がたまっている様子ですが、病気や子どもの問題がないので何とかなっているということでした。

Bさんは5人の子どもがいるシングルマザーで、嫁いじめに耐えきれずに独立したが夫の仕事がうまくいかずに借金をするようになり、生活困難と夫の暴力で別居後に裁判離婚をしたそうです。DVの被害期間が長いと子どもへの影響が大きく、お子さんは不登校になっているそうです。

Cさんは10代で出産したシングルマザーで、夫が家出をしてしまったために会社の寮にいられなくなり、ネッとカフェから相談の電話があったそうです。親世代もシングルマザーで虐待があり、夫も同様の境遇だったそうです。出産後に離婚し、子どもは乳児院に預けて働いているそうです。自分が不幸な家庭で育ったので、結婚して幸せな家庭を持ちたいという気持ちが強く、更に過酷になるということに気付かずに10代で結婚出産してしまったというケースです。

Dさんは離婚後フルタイムで仕事をしていましたが、うつ病になって働けなくなり、児童扶養手当4万2000円、児童手当1万3000円の計5万5000円で生活しているそうです。生活保護は自動車を処分しないと受けられないと言われ、嫌な思いをしたので受給していないそうです。相談から食料援助を行ない、シングルマザーズフェスタで子どもの卒業・入学式用のスーツと口紅を提供し、入学お祝い金もお渡ししたそうです。うつ病は徐々に回復し、パート就労を希望しているということでした。

Eさんは結婚前から夫の借金を肩代わりするために両親と自分名義の家を担保に借金をしてしまったことから両親と絶縁関係になり、その後離婚し、調理員のパートで月6~7万円の収入で生活していましたが、子どもの中学進学費用を捻出するために闇金から借金し、厳しい取り立てのために国保料、県営住宅の家賃を滞納してしまったそうです。弁護士につながれば債務整理でき、県営住宅には家賃減免制度もあり、生活保護を受けることも可能でしたが、周囲は貧困に気付いておらず、支援につながらなかったというケースです。

離婚の理由は、平成23年男女共同参画白書によると、「性格が合わない」が女性が44.2%、男性が61.4%と最も多いのですが、女性では「暴力を振るう」が29.4%、「精神的に虐待する」が25.3%と高い割合になっています。

DV、ドメスティックバイオレンスの定義は、「親密な関係性で発生し、一方から一方に繰り返し行なわれる暴力」とされています。

また、ひとり親家庭の貧困には、単にお金、経済的貧困だけでなく、時間の貧困、健康状態、社会的関係の貧困、孤立といった問題も含まれることが指摘されました。


ひとり親家庭を支援する施策は、就業支援、子育て・生活支援、養育費確保支援、経済的支援の4本柱に分かれており、たくさんの公的支援があるように見えますが、機能不全しているものが多く、最も機能しているのは児童扶養手当の支給だそうです。

母子家庭支援の事業委託先は、ほとんどが一般財団法人母子寡婦福祉連合会ですが、そのホームページは学習支援のページを見ても新春の集いの写真と日本舞踊の写真しかないなど、実際に何が支援されるかが見えないものとなっているそうです。この団体の前身は戦争未亡人を支援する団体であり、食堂を経営して仕事を提供するとった活動もしていたそうですが、死別が中心で離婚や未婚の母への理解が不足しているという問題も指摘されました。

児童扶養手当は最強のセーフティネットですが、離婚ひとり親家庭に支給され、2010年からは父子家庭にも支給されています。所得制限は年収で365万円だそうです。月額4万2330円で、全額支給されるのは年収130万円までだそうです。子ども2人の場合は加算が5000円だったのが最大1万円、子ども3人の場合は加算が3000円だったのが最大6000円に引き上げされたそうです。これは36年ぶりの引き上げだそうです。しかし、支給が4ヶ月に1回なので、夏休み中などに困窮してしまうという問題があり、毎月支給を要請したそうですが、与野党が一致せずに先送りになってしまったそうです。

また、寡婦控除は税金や保育料が安くなる効果がありますが、離別、死別の場合のみ適用となり、婚姻歴のない非婚のシングルマザーの場合は適用されないという問題があります。寡婦控除が適用されるかどうかで、負担額は20万円も違うそうです。

母子世帯に対する公的制度を行なう施設の周知度が低く、あまり利用されていないという問題も指摘されました。

民間の支援でも、子どもたちの野外活動支援、学習支援、フードバンク、子ども食堂などが取り組まれています。特に最近は子ども食堂が注目されていますが、しかし、それが貧困対策と思うのは誤りで、ソーシャルワークが入ることが必要だということが指摘されました。


講演の後の質疑・討論では、ギリギリの生活であるけれど貧困とは言われたくないという層の人たちが、それでも大変さを訴えなければ社会は変わらないのではないかということが議論されました。赤石さんは、「貧困」という言葉が強すぎるので、新しい言葉を考えてはどうかとおっしゃっていました。制度を使うことは恥ずかしいことではないという教育も必要だという意見もありました。

まずは財源をどこにつけるべきかという質問に対しては、幼児教育、保育園などに財源を充てることは理解されやすいのではないかということでしたが、シングルマザーの支援としては、児童扶養手当を遺族加算並みに全てのシングルマザーに支給されることが必要だということでした。しかし、自民党は離婚したシングルマザーを平等に扱うべきではないという圧力があるそうです。就学援助、給食費支給は抵抗が少ないのではないかということでした。児童扶養手当の2人目、3人目加算の引き上げの際も、本当は本体の引き上げをしたかったそうですが、誰もが納得するところということで加算に絞り、ようやく実現したそうです。しかし、加算による貧困率の削減効果は1%程度で、それよりも最低賃金の引き上げなどの就労の改善の方が効果が高いだろうということでした。生活保護については、子どもの入学時の援助が不足しているので、ここを何とか上げられないかと考えているということでした。


以上で報告を終わります。



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まず、熊本、大分を中心とした地震の被害に遭われた皆さまにお見舞い申し上げます。

合わせて、避難不可能な状況下での原発災害を防ぐために、川内原発の運転停止を求める署名への賛同を呼び掛けます。



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そして、戦争法廃止に向けてたゆまず行動し、憲法に違反する政治を推し進めようとする策動を許さず、医療・介護を国の責任で充実させることを求め、最低生活基準を切り下げようとする動きに抵抗し、労働者のいのちと健康と働く権利を守り、東日本大震災の被災地の復旧・復興が住民の立場に立った形で1日も早く実現することを目指して、声を上げていくことを提起します。



5月22日、公正な税制を求める市民連絡会の設立1周年記念集会に参加してきました。

その中で行なわれた記念講演「人間の生存と尊厳を支える財政への転換を」の概要をご紹介します。講師は東北学院大学の佐藤滋教授です。


佐藤先生はまず、当事者発言でエキタスの若者が「財源はあるんですよね?」と言った声に応えるために、今の人の生存と尊厳を支えていない財政をどう転換してくべきかを明らかにしていくと述べました。

前提として、日本は債務国家であるということが指摘されました。日本の債務は年々増加し、平成28年度は838兆円になる見込みだそうです。債務国家化が進展する中で、社会保障の充実のために消費税収から1%分の2.7兆円程度を使うはずだったのが忘れられ、社会保障制度は削減ばかりが進められています。医療費は高齢者の負担増が提案され、介護保険は要介護度が軽い人の保険外しが狙われています。

政府は、経済さえ改善させれば何とかなるという「経済主義」に傾斜していますが、既にそれは失敗していることが指摘されました。アベノミクスとは、日銀が民間銀行から国債を取り上げて民間に回るお金を増やし、民間企業への貸し出しが増えるようにし、設備投資が増大され、景気が上昇するということを狙ったものでした。しかし、消費が増えなければ生産は増えないので、設備投資が増大することもなく、失敗しました。安倍政権の発足直前の2012年12月20日には、日銀保有残高は113兆円でしたが、現在は360兆円になっているそうです。また、資金を増やせば生産が増え、円安になって輸出が増え、景気がよくなると政府は考えていました。安倍政権発足直前の2012年10月から12月期の利益剰余金、つまり企業の内部留保は274兆円でしたが、政権発足三年後の2015年10月から12月期は332兆円に増加しています。しかし、従業員給与は、28.8兆円だったのが27.6兆円に減少しています。企業は豊かになったが、従業員給与は減っているということで、トリクルダウンも失敗したということです。日本の企業の国際競争力は、戦後初めて貿易収支が赤字になり、減退しています。産業の空洞化により輸出は増えず、円安で輸入品が高くなったことにより生活が厳しくなります。円安によって物価が上昇し、実質賃金が低下し、非正規雇用が増加し、生活不安からものを買う意欲がなくなり、家計支出は2年連続減少しています。普通なら、国民の生活がどうなるかを考えて政策を立てるべきですが、量的緩和をすれば何とかなるとしてきて、失敗してしまったのです。

アベノミクスで景気がよくなったかというと、GDPは年率換算で1.4%減となっており、個人消費や輸出の低調が原因とされています。日銀によるマイナス金利は、預けたままでは預金が目減りしていくことになるので貸付をせざるを得なくし、資金需要を促して経済成長へとつなげようとしたものですが、産業が空洞化している以上、円安にしても輸出は増えないため、失敗となりました。そして、量的質的緩和政策の遂行が、国外の日本国債保有者の急増を招き、国外の国債保有割合は10.6%となっているそうです。国外保有割合が低いことが日本財政の特徴であり、日本は財政破綻しないとされる理由だったのですが、それが変わってしまったということです。

こうした国外市場圧力の増大が、社会保障の切り捨てを促す可能性が指摘されました。日本国債は米格付け会社S&Pの国債格付けで1段階格下げられ、海外投資家の意見を聴かざるを得ない状況となっているそうです。アベノミクスを進めると、この海外圧力が強まることになります。

日銀が資金を供給するために膨大な円を発行すると、相対的に希少なドルの価値が上がり、投資家は円をドルに換えて投資することになり、ドルによって割安な日本国債を購入し、国債の国外保有が急増し、ドル・ベースの国債が暴落することとなります。更に、円の価値が下がっているため株式売買に占める外国人のシェアは6割強となり、日本の企業の「外資化」が進んでいるそうです。外資化した企業は雇用条件を不安定化させ、企業に資金を蓄積させるために給与が上がらなくなります。

よって、貧困の拡大、普遍化を招き、相対的貧困率が上昇しています。1985年には、0~17歳の相対的貧困率は10.9%だったのが、2009年には15.7%に上昇し、18~25歳の相対的貧困率は1985年に10.5%だったのが、2009年には18.7%に上昇しています。高齢期の貧困率は、年金収入しかないために高くなる傾向がありますが、1985年には23.4%だったのが、2009年には22.8%と、やや下がっています。かつては高齢者の貧困が多かったのが、他の世代の貧困も拡大しているということです。

貧困の拡大、普遍化に、日本の社会保障は対応しているかというと、ほとんどしていません。公的社会支出の合計は、老齢期に対するものはOECD内で22位だったのが5位に上がりましたが、家族に対する支出は22位から30位に下がり、失業に対する支出は13位から28位に下がり、住宅に対する支出は16位から21位に下がっています。最下位近くに落ちているそうです。つまり、老齢世代への保障に著しく傾斜し、現役世代への保障が著しく不足しているということです。

そして、日本は社会保険制度に偏っているため、保険料の負担が重く、若いうちは給付は少ないため、世界で最も貧困削減の効果が低いそうです。貧しい世帯をより貧しくしていて消費が増えるはずがなく、消費を増やすには、社会保障を改善して生活不安を無くさなければならないとのことでした。

では、その財源はどうするのかという問題ですが、社会保障が充実している北欧諸国は日本よりも租税負担率は高いのですが、租税抵抗はすくないそうです。逆に、日本は租税負担率は低いのですが、租税抵抗は強いそうです。サービスを還元されない税金は払いたくないということで、保険料だけが高くなっているそうです。こうした租税に対する「ねじれ」を解消するためには、社会保障の給付の普遍性を確立し、誰もが利用できる社会保障をつくり、格差をならし、貧困を解消することです。貧しい人だけに社会保障を使おうとすると、貧困率は高くなるそうです。選別主義ではバッシングと憎悪が向けられるようになり、給付水準が引き下げられていくからだそうです。しかし、みんなを使える社会保障がつくられると底上げがされ、寛容になり、税への抵抗がなくなり、政府への信頼度が上がるそうです。また、政府への信頼の高まりによって租税負担が高まり、債務も削減されるそうです。債務削減をするには社会保障支出を増やすべきだという、発想の逆転が必要だということが指摘されました。

また、タックスヘイブン問題にもきちんと対処をしないと租税抵抗が高まるということが指摘されました。タックスヘイブンは法人税などが取られないというだけでなく、租税情報が秘匿される「守秘法域」であることから、そこに隠された試算には課税することができないそうです。そのため、世界全体で個人所得税のみで税収が16兆円のロスとなり、法人税のロスは11兆から26兆円と試算されているそうです。日本では、1.5兆から2.9兆円の税収ロスとなっており、この税が徴収できれば、保育の無償化も大学の学費無償化もできるということが指摘されました。

では、どこから社会保障の普遍化に手をつけるかということについては、教育が挙げられました。イギリスのブレア首相は教育は社会的投資であると述べたそうです。なるべく若いうちから生活を支えれば、生活は改善し、貧困の再生産、貧困の連鎖を止めることができます。日本の教育支出は世界最低で、特に初等前教育と大学教育の支出が低いそうです。河北新報が学生に行なったアンケートによると、9割超が将来に不安があると答え、5割は奨学金をもらっているそうです。金額は月額8万円以上が3割で、返済は500万円を超えることになります。それでは結婚することもできません。しかし、奨学金を借りなければブラックバイトにはまってしまう恐れがあります。

子どもが安心できる社会にすることは右派も左派も納得するはずですし、社会的投資は経済的にペイするとしているノーベル賞経済学者もいるとのことでした。

丸山真男氏は、政治的リアル、現実とは可能性の束で出来ており、そのうちのどれを伸ばすかが政治家の仕事であると述べたそうです。

税制を自分たちのものにするということを現実的ではないとするのは、それは現実をはき違えているのであり、この社会がどこへ向かうかと考えるのが現実的であり、必要な改革は実行すべきだということが指摘されました。


以上で講演のまとめを終わります。



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まず、熊本、大分を中心とした地震の被害に遭われた皆さまにお見舞い申し上げます。

合わせて、避難不可能な状況下での原発災害を防ぐために、川内原発の運転停止を求める署名への賛同を呼び掛けます。



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そして、戦争法廃止に向けてたゆまず行動し、憲法に違反する政治を推し進めようとする策動を許さず、医療・介護を国の責任で充実させることを求め、最低生活基準を切り下げようとする動きに抵抗し、労働者のいのちと健康と働く権利を守り、東日本大震災の被災地の復旧・復興が住民の立場に立った形で1日も早く実現することを目指して、声を上げていくことを提起します。



2016年5月19日、埼玉憲法会議主催「輝け!日本国憲法のつどい」が開催されました。メインの講演は、聖学院大学の石川裕一郎教授が講師を務め、「失言・暴言から考える憲法と政治」というテーマで行なわれました。以下、その概要をまとめます。

石川先生は、最近発行された『これでいいのか! 日本の民主主義 -失言・名言から読み解く憲法-』という本に執筆者の一人として参加されたそうです。この本には、比較的若手の、30~40代の憲法学者が、北は北海道、南は鹿児島から参加しているそうです。最初はここ1~2年の失言、暴言を取り上げようとしたところ、それだけでは暗くなってしまうので名言を後半に入れたそうです。

失言は、2015年のものを多く収録していて、石川先生は2015年7月30日の、武藤貴也衆議院議員による「『だって戦争に行きたくないじゃん』という自分中心、極端な利己的考え」というツイートを取り上げたそうです。これはSEALDsを批判したもので、このツイートが炎上したことで彼は叱責を受け、その後、自分自身が議員という立場を利用したインサイダー取引という“自分勝手”なことをしたことが判明し、自民党を離党しましたが、まだ議員にはとどまっているそうです。

石川先生は、大学の授業では、こうした新しく、ニュースに取り上げられた失言・暴言を題材とし、憲法にてらして何が問題かを解説しているそうですが、ここではあまりニュースで取り上げられない「地味な」問題発言、記述を取り上げると述べました。そうした「地味な」発言の中にも、憲法を学ぶうえで見逃せないものがあるそうです。

まず、2004年3月11日に行なわれた自民党の憲法調査会憲法改正プロジェクトチームの第9回会合の議事録から、森岡正宏衆議院議員の発言が取り上げられました。「私は徴兵制というところもまでは申し上げませんが、少なくとも国防の義務とか奉仕活動の義務というものは若い人たちに義務づけられるような国にしていかなければいけないのではないかと。(中略)いまの日本はあまりにも権利ばかり主張しすぎる、個人ばかり強調しすぎる。もう少し調和のある憲法にして頂きたい。3つしか義務がないような日本国憲法では困る。」という発言です。憲法の知識のない状態で、一般の道徳論として発言するのならばわからなくもないけれど、しかし、憲法上はこれは問題発言です。憲法は誰に向けたものか、憲法というルールが何なのかわかっていないからです。憲法とは何かを理解するうえで最初に学ばなければならない条文に、憲法99条があります。その条文は「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。」というものです。主語は「公務員」であり、この憲法を守る義務があるのは公務員であって国民ではなく、国民は憲法を守らなければならないというのは誤解なのです。国民に義務を課すのは法律であって、憲法ではありません。さらに、これは人としての公務員ではなく、公務員が持っている権力を縛る条文です。憲法は“国家の最高規範”であり、国民の規範ではないのです。

次に取り上げられたのは、2005年10月7日に発表された自民党新憲法起草委員会による「新憲法前文・原案」です。これは中曽根康弘元首相が書いたものだそうです。「日本国民はアジアの東、太平洋と日本海の波洗う美しい島々に、天皇を国民統合の象徴として古より戴き、和を尊び、多様な思想や生活信条をおおらかに認め合いつつ、独自の伝統ご文化を作り伝え多くの試練を乗り越えて発展してきた。」というものです。美文調であり、最終的には没となったそうですが、これは日本国憲法のスタンスとぶつかる文章です。憲法は味気ない文章であることに意味があり、それは特定の価値を押し付けないということです。たとえば、「太平洋と日本海の波洗う美しい島々」という部分は、何を美しいと思うかという内面の問題を押し付けており、また、沖縄、瀬戸内海周辺、北海道に住む人々、さらに海のない埼玉県などに住む人々を無視しています。「独自の伝統と文化」という部分も、古くは中国や朝鮮半島、新しくは欧米など、様々な文化の影響と受け、交流し、逆に影響を与えてきたことを無視しています。これに対し、日本国憲法のエッセンスが詰まっている条文である13条では、「すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限値、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。」とされています。「個人として尊重」と「幸福追求」はリンクしており、幸福とは何かという国民一人一人の内面には踏み込まないスタンスです。このスタンスによって、憲法は少数派の権利を保障するものとなっています。多数派は権利を侵害されることが少なく、憲法がなくても普通に生活していくことができますが、少数派は権利を侵害されやすく、権利を保障する必要があるため、憲法があるのです。

次に、「立憲主義」という言葉に関わる問題発言が取り上げられました。「立憲主義」という言葉が急激に街頭にあふれるようになっています。これは戦後70年なかったことです。しかし、元首相補佐官の礒﨑陽輔参議院議員は、2012年5月27日のツイートで「時々、憲法改正草案に対して、「立憲主義」を理解していないという意味不明の批判を頂きます。この言葉は、Wikipediaにも載っていますが、学生時代の憲法講義では聴いたことがありません。昔からある学説なのでしょうか。」と発言しました。当時、礒﨑氏は自民党憲法改正推進本部起草委員会事務局長だったそうです。しかも、東京大学法学部卒で、憲法学のバイブルと言われる岩波書店の『憲法』をお書きになった芦部信喜教授の時代に在席しているそうです。芦部教授の『憲法』には、「憲法学の対象とする憲法とは、近代に至って一定の政治的理念に基づいて制定された憲法であり、国家権力を制限して国民の権利・自由を守る目的とする憲法である。」と、近代立憲主義の考え方が書かれています。

次に、「個人の尊重」に関わる問題発言が取り上げられました。2016年3月3日の参議院予算委員会において、民主党の大塚耕平参議院議員が、自民党の憲法改正草案が第13条の「個人」を「人」と読み替えていることに何か意味があるのかと質問したところ、安倍首相は「さしたる意味はない」と答えたことが報道されました。これは聞き逃してよいところではなく、自民党の改憲草案の問題点の問題点を考えるにはこの条文を分析することが重要だということが指摘されました。自民党という政党に底流する考え方として、個人主義に対する敵視があります。自民党改憲草案における「人」とは、自民党が理想とする「人」であると考えられ、個人主義を嫌い、国民を道徳的に強化しようとしていることがうかがわれます。また、13条の「公共の福祉」が、自民党改憲草案では「公益及び公の秩序」と読み替えられています。「公共の福祉」は、普通の人にはわかりにくいですが、判例で確立している概念だそうです。一つは、他者の権利を侵してはならないということであり、例えば報道の自由とプライバシー権が対立する場合、政治家のプライバシー権は国民の知る権利のために制限されることがあるというように、「公共の福祉」の概念によって線引きがされるそうです。つまり、法律の世界においては意味が確立しているということです。しかし、「公益及び公の秩序」は今の憲法にはないことであり、何を示しているか不明であり、見逃してはならないということが指摘されました。

続いて、自然権論と憲法尊重擁護義務についての問題発言が取り上げられました。2012年12月6日、自民党の片山さつき参議院議員は、「国民が権利は天から付与される、義務は果たさなくていいと思ってしまうような天賦人権論をとるのは止めよう、というのが私たちの基本的考え方です。国があなたに何をしてくれるか、ではなくて国を維持するには自分は何ができるか、を皆が考えるような前文にしました!」とツイートしました。天賦人権説とは、明治時代から使われていた言葉であり、今は「自然権」という言葉が使われているそうです。「自然権」は、生まれながら人が持っている権利が人権であるという考え方です。自民党は2012年4月に発表した改憲草案のQ&Aでも天賦人権説に基づいて規定されている人権規定を改める必要があるとしており、明治憲法よりも更に戻る考え方を公式見解としているということになります。しかし、このことはメディアにあまり取り上げられていません。日本国憲法では、11条において「国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。」と定められています。これは「自然権」説の考え方です。自民党改憲草案では、11条は「国民は、全ての基本的人権を享有する。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利である。」となっており、「将来の国民」が抜けています。これは、天賦人権説を捨てるということです。また、102条1項は「全て国民は、この憲法を尊重しなければならない」と、国民に憲法尊重義務を課し、憲法の根本に手をつけてしまっています。この自民党改憲草案の問題については、最近ようやく取り上げられるようになりましたが、どれだけ国民に知られているかは甚だ不安だということでした。

次に、個人主義、民主主義についての問題発言が取り上げられました。2016年5月3日の産経新聞に、拓殖大学学事顧問の渡辺利夫氏は、「議論の俎上に載せねばならないのは第13条と第24条である。前者は「すべて国民は、個人として尊重される」であり、後者は「婚姻は、両性の合意のみに基づいて成立」するとある。第13条は個人至上主義そのものであり、第24条は独立した個人から構成されるものが夫婦であるというのみ、これが共同体の基層をなす家族の形成主体だという観念を少しも呼び覚ましてはくれない」と書いています。個人主義への敵意は、自民党と共通するものです。また、2013年5月15日に、自民党の丸山和也参議院議員は、「参議院予算委で、一年間民主主義とは何かを長谷川三千子先生を講師に勉強したことを述べたが、いわゆる民主主義は第一次世界大戦の戦勝国を正当化するために作り出された用語であることを学問的にしった。」とツイートしています。民主主義は16世紀のイギリスには既にあった概念であり、1914年から1918年の第一次世界大戦の後というのは誤りです。誰も突っ込まないから、こうしたたるんだ発言をしてしまうということが指摘されました。

安倍政権の「憲法」観は、憲法の根本に手をつけようとするものです。安倍政権は、「自由、民主主義、基本的人権、法の支配という価値観を共有する国の輪を世界、アジアに拡大してゆく」という価値観外交を展開しようとしていますが、本当にアメリカ、オーストラリア、ヨーロッパの諸国と価値観を共有しているかは甚だ疑問だということが指摘されました。自民党改憲草案では、現行憲法97条「この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であつて、これらの権利は、過去幾多の試練に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである」という条文が丸ごと削除されています。前文の「そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、かかる原理に基くものである。」という文章も削除されています。今の憲法の根本的な価値観に手をつけていいのかということを問題にすべきだということが指摘されました。


以上で講演のまとめを終わります。


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