労働組合ってなにするところ?

2008年3月から2011年3月まで、労働組合専従として活動しました。
現在は現場に戻って医療労働者の端くれとして働きつつ、労働組合の活動も行なっています。

あまり知られていない労働組合の真の姿(!?)を伝えていきたいと思います。

たくさんのご意見をいただきたいと思っていますので基本的にいただいたコメントは全て公開しますが、公開をご希望でない方からのご意見や表現に問題があるコメントは公開しないという選択をする余地を残すため、コメントは承認後公開とさせていただいています。トラックバックも承認後の公開となっております。(※「表現に問題があるコメント」とは、特定の個人を攻撃したり名誉を傷つけたりする表現を含むコメントや、特定の集団に対する差別表現などを含むコメントのことです。単に言葉遣いが乱暴であるという程度でしたら、基本的に公開しております。また、個人情報を明らかにしてしまうようなコメントについても、公開を差し控える場合があります)

なお、今のところアメンバー限定記事を書く予定はありませんので、アメンバーの新規登録は受け付けておりません。全ての記事を全ての方に公開していきますので、ご理解のほどをよろしくお願い致します。



2009.1.15追記 コメントのお返事を書いた記事についてはトラックバックできないように設定することにしました。同時に、コメントのお返事を書いた記事の無断転載は固くお断り致します。



2009.3.31追記 非公開コメントの基準に、「本筋から外れたことを持ち出して議論を混乱させるコメント」、「嫌がらせ、からかいと思われる表現を含むコメント」、「警告を受けても改めない人からのコメント」を追加します。そういったコメントに対してはお返事も致しません。(2009.3.14の基準は曖昧だったので変更しました)

2009.3.31現在、「警告を受けても改めない人」としてコメントをしても非公開の扱いになっている人は1名です。


2011.10.20追記  トラブルがあり、一時コメント欄を閉めていましたが、本日から再開しています。なお、コメント非公開扱いの人が1名増え、2名となりました。


2011.12.25追記  非公開コメントの基準に、「人の不幸を楽しむためのコメント」、「人の不幸をあげつらうコメント」、「人の不幸を助長させるコメント」を追加します。


2012.3.19現在、「警告を受けても改めない人」としてコメントをしても非公開と扱う人が1名追加となりました。現在、完全コメント非公開扱いの人は3名です。

「警告を受けても改めない人」の基準として、非公開コメントが通算10個を超した時点で完全コメント非公開扱いとすることとします。


2012.4.15追記  「表現に問題があるコメント」には当然セクハラ表現も含みます。コメントの内容のみならず、投稿者名にセクハラ表現を含むコメントも、本日より非公開と致します。過去にセクハラ表現を含む投稿者名を許容していたことに関しましては、不快感を抱かれた方にお詫び致します。


2012.8.20現在、「警告を受けても改めない人」としてコメントを非公開扱いとする人が1名追加となりました。現在、完全コメント非公開扱いの人は4名です。


2013.10.30現在、「警告を受けても改めない人」としてコメントを非公開扱いとする人が1名追加となりました。現在、完全コメント非公開扱いの人は5名です。


2015.10.29追記 これまで誹謗中傷、セクハラ、商業的宣伝目的のトラックバックの削除についての注意がありましたが、トラックバックは廃止になって久しいのでそれを削除し、同様のコメントを非公開扱いにするということに変更いたします。


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まず、沖縄の米軍新基地建設反対運動のリーダー、山城博治さんの釈放を求める署名へのご協力を呼び掛けます。

 

https://www.change.org/p/savehiroji

 

 

続いて、避難不可能な状況下での原発災害を防ぐために、川内原発の運転停止を求める署名への賛同を呼び掛けます。
 

https://www.change.org/p/%E5%B7%9D%E5%86%85%E5%8E%9F%E7%99%BA%E3%82%92%E6%AD%A2%E3%82%81%E3%81%A6%E3%81%8F%E3%81%A0%E3%81%95%E3%81%84?source_location=discover_feed
 

 

そして、戦争法を早急に廃止することを求め、沖縄をはじめとする全国での基地強化・日米軍事一体化の策動を許さず、医療と介護をはじめとする社会保障切り捨て政策に反対し、労働者をはじめとする99%の人たちのいのちと生活と働く権利を守るために行動し、政治をはじめとするあらゆる分野で憲法が活きる社会となることを目指し、声を上げ続けることを提起します。

 

 

2月24日、反貧困ネットワーク埼玉の定期講演会に参加してきました。今回の講師は、埼玉大学大学院人文科学研究科・経済学部の高端正幸准教授で、テーマは「誰もが支えられる社会へ-不信と分断を乗り越えるための財政社会学-」でした。

以下、その概要をまとめます。

 

今回のポイントは、日本社会の厳しい現状、生きづらさがまん延する中で、社会保障に目をやりながら財政問題を語るということでした。現在の社会の危機は財政の危機を伴うものであり、社会保障費を節約しなければならない、切り下げなければならないと言われています。しかし、それは生きづらさに拍車をかける一方、一向に財政事情は好転せず、財政赤字は過去最悪となっています。逆に、社会保障・福祉を抑制するから財源が増えないのであり、幅広く人々のニーズを満たしていくことでしか財源は増えないということが指摘されました。幅広く人々のニーズを満たすということは「普遍主義」であり、「普遍主義」によって財源調達へ人々の同意を獲得することが、社会の危機と財政の危機を克服する唯一の道だとのことでした。

次に、日本の社会保障の特徴、現状について語られました。社会の現状は、誰もが生活に不安を抱えて生きる時代となっており、世帯可処分所得、税や社会保障費を引かれた後に使える所得は、1995年は400~500万円がピークでしたが、2015年は200~300万円がピークとなっているそうです。その中間の250万円は、4人世帯なら貧困ラインにほぼ等しい所得だそうです。生活意識の変化では、1995年から2015年の間に、「苦しい」と感じる人が増え、約6割になっているそうです。

なぜそうなっているか、政策の在り方に注目して説明されました。公的社会支出、つまり、社会保障のための政府の支出のうち、年金や児童手当などの現金給付のGDP比は、日本は総額ではOECD諸国の真ん中辺りですが、現役世代向けの給付が異常に小さいという特徴があるそうです。医療、保育などのサービス給付のGDP比は、日本は総額ではOECD諸国の真ん中辺りですが、多くは医療であり、それ以外はやや小さいという特徴があるそうです。つまり、医療以外の福祉サービスが社会化されていないということであり、家族に押し付けられているということです。医療を除くサービス給付の内訳は、日本は介護サービス給付を除くと非常に少なく、スズメの涙だそうです。積極的労働市場政策がとりわけ少なく、失業者への職業訓練や大学授業料などへの給付が少ないということです。デンマークやスウェーデンなどの欧州では多いそうです。

日本の社会保障の特徴は、医療、年金の割合が大きいのですが、医療への給付はどの国も早期に確立したものであり、年金については国民年金は破たんしており、現役時代にがんばった人への老後の補償が大きいそうです。つまり、日本の社会保障は働ける年代の人への給付が少なく、人々に自立を強いるものであり、自立に失敗した人への支援に熱心でもないということです。世代間対立は誤解であり、年金の給付の大きさは日本は比較的大きいが、突出して高齢者の貧困率は以上に高いということが指摘されました。それは国民年金の問題や、医療費の自己負担などのためであり、生活保護を受けている高齢者が多いということも指摘されました。

では、社会保障をどう変えていくべきかということが語られました。誰もが簡単に生活困窮に陥るのが現代であり、介護離職、離婚、障害、失業などのリスクがあります。生活が困難化してから困難化した人を救うのではなく、リスクが発現しても生活困窮しないようにニーズを満たしておく、誰にでも起こり得る困難を事前にカバーし、ニーズを満たしておくのが普遍主義だということでした。選別主義は、自己責任を基本とし、自己責任の重荷に耐え切れない人を多く生み出し、自立に失敗した人を救う必要が生じます。対して普遍主義は、あらかじめ私たちの生活を困難化させるニーズを満たすために負担を分かち合うことだそうです。日本とスウェーデンの生活保護を比較すると、日本は選別的で厳しく、スウェーデンは社会保障、福祉が充実しており、緩やかに運営され、多くの人に支出しているが、支出はあまり日本と変わらないそうです。あらかじめ様々なニーズを満たしているからです。

世代別貧困率とジニ係数を見ると、日本は世代間を通じて貧困率が高く、格差が大きいそうです。これは、選別主義の国の特徴だそうです。また、日本では80%の人が職を失うことを心配しており、60%の人が子どもに良い教育を受けさせられるか心配しているそうです。

人々の所得保障をしていくのに優れているのは普遍主義ですが、しかし、日本は自己負担を強化し、給付も抑制する方向へ進んでいることが指摘されました。貧困対策は行なわれるようになっていますが、それに使われている財源は不十分だそうです。誰もが生活に不安を持っている中で、「弱者」と自立している人を分け、「弱者」だけを救済するのをやめ、みんなを救済する普遍主義への転換が求められているということが指摘されました。

次に、財政の問題が語られました。普遍主義に転換しないと財政も破綻するということです。

平均的な人たちの考え方は、「子育てや親の介護のために貯金をしなければならない。税金なんて払っていられるか」、「税金を払っても自分に返ってくるものなんてない」、「どうせ公務員の懐に入るだけだ」、「消費税が上がっても何も恩恵がない」、「生活保護受給者がパチンコや酒にお金を使うのはけしからん」、「高齢者が既得権にしがみつくから子育て世代が切り捨てられる」、「子育て世代は子育て支援で恩恵を受けている、恵まれている」「私たちはブラック企業で働いて、何の恩恵も受けていない」といったものです。

各国の市民が税負担をどう考えているかを所得階層別に調べた調査によると、デンマークは公的負担のGDP比では負担が重いのですが、低所得者層で負担が重いと感じている人は7割で、日本は公的負担のGDP比では負担があまり重くないのですが、低所得者層で負担が重いと感じている人は同じく7割なのだそうです。なぜGDP比では負担が低いのに人々は重いと感じているかというと、生活不安に怯え、何とか家族で生活を維持しようとしており、税金を払っているが自分に何かあった時に公的補償で生活が守られているという実感が持てないからだそうです。そうした状況では政府への不信感が高まり、「福祉の頼る人」に対するねたみが生まれることになります。つまり、自分のために税金が使われていないと感じるので、恩恵を受けているように見える人へのバッシングが高まるということです。例えば、低所得者、高齢者、子育て世代などです。そうすると、税金を払いたくないと感じ、お互いの信頼、共感が失われ、中間層の税負担への抵抗が大きくなるそうです。人々の生活不安をそのままにしておくと、人々は税負担を拒否するということです。つまり、みんなで生きるために負担を分かち合うという普遍主義に転換しないと未来はないのです。

財政とは、国民の共有の財布のはずであり、みんなのニーズを満たすという方向で社会保障を変えていかなければなりません。今の社会保障は、必要のない区別を人々の間につけてしまっており、持てる者と持たざる者をわざわざ区別し、「自立できない人」というレッテルを貼るものとなっています。みんなのニーズを満たすことは、社会の分断をなくすことでもあり、それが人々が人間らしく生き、財政も機能していく道だと指摘されました。

アダム・スミスの『道徳感情論』第6版には、「いかに利己的であるように見えようと、人間本性のなかには、他人の運命に関心をもち、他人の幸福をかけがえのないものにするいくつかの推進力が含まれている」と書かれているそうです。誰しも人の痛みを自分の痛みのように感じる官製を持っており、人間の本性を信頼し、社会的連帯につなげるのが普遍主義への政策転換だということでした。

次に、「社会を分断する財政」について語られました。

日本の賃金の決め方は、「生活給」が基本となっています。「生活給」は年齢に伴って上がる生活コストに合わせて賃金を上げていくという年功賃金と、家族手当などを合わせたものだそうです。男が働けばその男の家族も食えるという賃金であり、そのために児童手当や住宅手当など、生活ニーズをとらえた社会保障の立ち遅れにつながっていると指摘されました。男女格差、正規非正規間の格差につながり、企業福祉を受けられる人と受けられない人の格差にもつながっていることが指摘されました。

戦後初期、膨大なワーキングプアが存在したため、全ての人に補償をするのは財政上不可能であるため、資力調査を厳しくするなど、選別の強化が行なわれたそうです。しかし、朝日訴訟の第一審勝訴により、貧乏な人が多いからといって生活保護基準を下げてはならないという考え方が示されました。そして、生活保護の改善運動が、労働者一般の生活改善にもつながるものと考えられ、労働組合も巻き込んだ生活保護基準引き上げ運動が起こりました。1960年代は、生活保護の受給を働けるかどうかで選別するようになり、社会保険制度のゆがみにつながったそうです。1950年の『社会保障制度に関する勧告』では、「社会保障の中心をなすものは自らをしてそれに必要な費用を醵出せしめるところの社会保険制度でなければならない」と、社会保険中心主義が打ち出されたそうです。しかし、それは既にイギリスでは破綻した思想だそうです。日本には、税で行なう社会保障は選別主義、社会保険は普遍主義という考え方があり、社会保険は非常に負担が重く、利用者負担を正当化するものでもあります。皆年金、皆保険は、みんながもらえるものだから受け取る人も負担すべきだという考え方になり、自己負担が強化されることになります。また、福祉サービス買わせる伝統は、1948年の児童福祉法に本人またはその扶養義務者からの費用徴収が規定されたことから始まっており、1980年代は全ての分野で自己負担が強化されました。

では、普遍主義への転換をどう描くかということが語られました。

生活保護の給付から普遍主義的改革を描くということが提起されました。生活保護の審査が非常に厳しく、受給中にも厳しく締め付けられるのは、その制度の中にあらゆる給付を入れ込んでいるからであり、それを外に出し、誰もが受けられる給付とするという改革です。外へ出すものは、住宅扶助に対応する住宅手当、医療扶助に対応する医療の無償化、介護扶助に対応する介護の無償化などだそうです。

そのために必要な財源はどのくらいかというと、医療、教育、介護に限定して大雑把に計算して、医療費4.8兆円、教育費4.1兆円、介護サービス0.7兆円で、10兆円程度だそうです。これに、高齢化による自然増は2012年から2025年の間に約40兆円になり、合わせて50兆円となります。医療、介護、教育を無償化すれば、生活保護費は2.5兆円削減でき、GDP増で税収が11兆円増加し、消費税を引き上げることで13兆円の増収となると試算されました。残りは約23兆円です。しかし、消費税は社会保障に上限を設けるためのものになってしまっており、税の不公平感をもたらしています。

残りの23兆円を調達するには、まず短期的には、公平性を高める税制改革を行ない、10兆円程度税収を上げることが提案されました。所得税の最高税率の引き上げと基礎控除の引き上げ、資産課税の強化、タックスヘイブン対策などの法人課税の適正化などです。長期的には、消費税率を引き上げることが提案されました。受益感に支えられた「負担の分かち合い」のための消費税の段階的引き上げということです。「社会保障・税一体改革」が受益感を高めなかった失敗から学ぶべきであり、増えた税収を普遍主義化に使うことで増税への同意を得るということが提案されました。

 

質疑応答は専門的なことが多く、私の手には余るので割愛致します。

以上で報告を終わります。

 

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まず、沖縄の米軍新基地建設反対運動のリーダー、山城博治さんの釈放を求める署名へのご協力を呼び掛けます。

 

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続いて、避難不可能な状況下での原発災害を防ぐために、川内原発の運転停止を求める署名への賛同を呼び掛けます。
 

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そして、戦争法を早急に廃止することを求め、沖縄をはじめとする全国での基地強化・日米軍事一体化の策動を許さず、医療と介護をはじめとする社会保障切り捨て政策に反対し、労働者をはじめとする99%の人たちのいのちと生活と働く権利を守るために行動し、政治をはじめとするあらゆる分野で憲法が活きる社会となることを目指し、声を上げ続けることを提起します。

 

 

2月23日、川口フレンディアで開催された「みんなで考える地域包括ケア交流会」において、シンポジウム「丈夫で長生き 安心して暮らしていくために 今 何が大切か?」が行なわれ、405人が参加しました。シンポジウムのコーディネーターは埼玉協同病院院長の増田医師、シンポジストは、医療法人社団杉浦医院理事長で川口市医師会地域包括ケア担当理事の杉浦医師、川口市長寿支援課地域ケア係主査の蓮沼さん、川口市中央地域包括支援センターの小針看護師、医療生協さいたま生活協同組合理事の磯﨑さんでした。

以下、概要をまとめます。

 

まず、コーディネーターの増田先生が問題提起を行ないました。今回のシンポジウムは、地域包括ケアの課題は何なのかを考え、自分ができることを明日からやっていこうという主旨で行なわれることが確認されました。地域包括ケアとは、年を取って介護が必要になっても住み慣れた地域で生活できるように、中学校区単位で必要な仕組みを整えるという考え方だと説明されました。高齢者の比率が増えており、介護者がいない、老々介護になっている、一人暮らしが増加しているなどの問題があります。また、高齢者の貧困も深刻になっており、単身で年収150万円以下の高齢者が半数で、4人に1人が年収300万円以下という状況になっているそうです。また、要介護状態に至るまでの、健康障害などを起こしやすい脆弱な状態を「フレイル」と呼び、この時点で対処して元気で暮らしていける期間を長くしようとする考え方も紹介されました。「フレイル」は、身体の衰えだけでなく、精神活動の衰えも対象としているものだそうです。また、認知症の問題も取り上げることが確認されました。現在は多死社会とも呼ばれ、年間120~140万人が死亡していますが、2030年にはそれが160万人に上ると推定されているそうです。どこで最期を過ごすか、在宅での看取りも課題となっていることが確認されました。日本の人口には団塊世代、団塊ジュニア世代の山があり、医療、介護の需要は増え続けることが予測されています。川口市は団塊の山が大きいことが特徴だそうです。南部地域での在宅医療の需要も増加することが予測されているそうです。超高齢化社会への対応として、認知症、看取り、貧困、孤立の問題も考えていく必要があることが提起されました。

次に、磯﨑さんから市民の立場からの発言が行なわれました。磯﨑さんは上青木在住で、いつまでも元気でこの町で暮らしたいという思いから医療生協で健康づくりの活動を行なっていて、ウォーキング、セラバンド、健康体操などに取り組んでいるそうです。また、居場所づくりの取り組みとして、気軽に集まり、おしゃべりや小物づくり、食事会、子育てサークルや無料塾などを行なえる場所が川口市内に数か所つくられているそうです。認知症予防の脳いきいき教室も行なっているそうです。人と人とのつながりづくりのためには、医療生協さいたまの機関紙配布の際に安否確認を行なう見守り活動を行なっていて、この取り組みによって2016年8月に川口市との見守り協定を結ぶこととなりました。生活支援の有償ボランティア、くらしサポーター制度にも取り組んでいます。元気なうちからつながりづくりを行ない、社会に出て、いろいろな人と関わり、健康を保つことが大切だということが提起されました。しかし、認知症になったらどこに相談すればいいかという不安もあるそうです。祖父が認知症となり、徘徊している間に事故で亡くなるというご自身の体験や、家族の様子がおかしいが受診を勧めても拒否されるとう相談を受けたこともあるそうです。自分が認知症になったら、体が動かなくなったら、ずっと家にいることになるのだろうか、楽しいことはあるだろうかと不安に感じるそうです。また、90歳になる母が交通事故で歩行困難になり、一人では立ち上がられない状態で、もし母が一人暮らしだったら誰かに助けを求められるだろうかと考えたそうです。終末期をどうするか、家で最期を迎えるのは家族に迷惑だろうか、介護を受けるにはどうするか、一人になったらどうするかなど、多くの不安があります。高齢社会に向かい、地域包括ケアがどのように進められるのか、それに市民はどう関わればいいのかという問題が提起されました。

続いて、小針さんが地域包括支援センターの役割について発言しました。不安がわくのはなぜかというと、どうすればいいかイメージすることが出来ないからであり、自分がどうしたいのか、自宅にいたいのか、施設え介護を受けたいのかなど、あらかじめ伝えておく、書いておくことが必要だと指摘されました。地域包括ケアは、地域の人たちが安心して暮らせる仕組みであり、説明図でも真ん中に住まう人がいて、その人がどうしたいかが重要なのだそうです。地域包括支援センターは、こうしたいということに対してどうすればいいか案内する役割を持つそうです。地域の身近な相談窓口であり、川口市には20ヶ所、歩いて30分以内の場所にあるそうです。まずは自分の担当がどのセンターなのかを確認してほしいとのことでした。地域包括支援センターには3つの専門職が配置されていて、それは社会福祉士、看護師・保健師、主任介護支援専門員だそうです。また、総合相談、介護予防、権利擁護、地域づくりという4つの役割があるそうです。まず、総合相談ですが、地域包括支援センターはいろいろなところから相談を受け、何をどうしたいのかを整理し、必要なところにつなぐという役割を果たしているそうです。介護予防では、元気でいいたいという思いに取り組むことで、強化したいと思っているところだそうです。これは市町村の制度へ移行し、地域総合支援事業と呼ばれるようになっているそうです。自主グループもあり、介護保険の介護予防給付との併用もあるそうです。オリジナル体操をつくり、そのサポーターを養成するなど、いろいろな個性的な取り組みがあるそうです。気軽に集まれる場所としては「きずなサロン」を運営しているそうです。権利擁護については、悪質業者や虐待への対応、成年後見人制度などがあるそうです。地域づくりとしては、元気なうちから地域の人たちとつながりを持とうと、地域の専門家がチームとなれる場所を提供するため、中央きずなを深めよう会を開催しているそうです。認知症サポーターの養成、家族介護教室なども行なっているそうです。事例として、認知症、要介護度5で、一人暮らしをしていた方のことが紹介されました。この方は近所の人から「気になる人がいる」との相談があり、医療へつないで成年後見人制度を利用することとなり、「おうちで暮らしたい」という気持ちに合わせたそうです。元気なうちからつちかってきた関係づくりがあり、地域の人たちも受け入れてくれたそうです。その地域から認知症サポーターになる人も出ているそうです。介護が必要になった時、自宅で過ごしたいならば、元気なうちから地域包括支援センターを活用することが呼び掛けられました。

蓮沼さんは、認知症について発言しました。認知症予防には、元気な方に対する一次予防と、65歳以上で生活に不安がある方に対する二次予防があるそうです。介護予防の活動を紹介し、選んでもらっているそうです。認知症などの対応に悩んだ時は、認知症相談窓口があるそうです。また、専門家による認知症初期集中支援チームがあり、受診相談や自立支援を行なっているそうです。認知症カフェも増加しており、誰でも参加でき、同じ立場の人を見つけたり、自分より前向きな人の話を聴いたりできる場所になっているそうです。市民にとってのメリットは、認知症について知ることができるということであり、全ての人に「自分事」として考えてほしいということが呼び掛けられました。正しい知識を得るために認知症サポーター養成講座を受け、協力してくれる人を増やすことも重要だとのことでした。新オレンジプランでは、本人の意思が尊重され、できるだけ長く住み慣れた我が家で暮らし続けることができるように、認知症の方にやさしい地域づくりを行なうことが提起されているそうです。ここで、認知症サポーターキャラバンの映像が流され、認知症の方の特徴を知り、認知症の方の世界に合わせて対応すること、全国の小学校でもサポーターが生まれていること、支えがあれば自分らしく生きられることなどが紹介されました。映像に登場した当事者の方は、2年間自宅に閉じこもっていたそうですが、相談をきっかけに卓球サークルにつながり、サークルのメンバーに認知症について説明したことで受け入れられ、働きたいという希望をかなえるために市の観光案内をするようになるなど、やりたいことをやれるようにする支援が行なわれているそうです。認知症になっても大丈夫と思える社会にしていくことが目指されており、認知症の方が住みやすい町はどんな人にとっても住みやすい町だと考えているとのことでした。

ここで、時間の関係で川口市認知症高齢者相談所の三塩さんの発言が行なわれました。川口市認知症高齢者相談所は川口市高齢者在宅サービスセンター内にあり、平成6年から22年間相談を受けているそうです。電話相談か、直接相談所へ来所してもらって対応しているそうです。相談員は看護師や保健師で、早期発見早期治療を重視しているそうです。相談者のご自宅にお電話して、その後どうですかと聞くことにも取り組んでいて、家族に喜ばれているということでした。また、専門的なところで見てほしいという相談に対しては、川口クリニックの先生の無料相談が13時30分から15時30分まで行なわれているそうです。家族、親せき、近所の人からの相談でもよいそうです。認知症初期支援チームには、医師、看護師、作業療法士が入っており、ごみ屋敷、引きこもり、虐待などにも対応し、「この人が自宅で暮らし続けるにはどうしたらいいか」を相談しているそうです。相談所、認知症初期支援チームの活用が呼び掛けられました。

続いて、杉浦先生が「病院で死ぬこと 自宅、施設で死ぬこと~医師からの視点」というテーマで発言しました。かつて日本では自宅死が多かったのですが、1976年に自宅死と病院死が逆転し、今では病院死が当たり前のことになっています。1976年は「およげたい焼きくん」がヒットした頃で、あまり昔のことではありません。平穏な家庭生活を送っていた人が、家族の誰かが重大な疾患にかかって入院し、付き添いの日々を送ることになり、家族が全快しないまま退院し、リハビリなどのために転院するとまた付き添いの日々が続くことになりますが、在宅となると生活が激変します。今の制度では在宅で過ごすためには家族の負担が大きくなります。内閣府のアンケートでは、3割弱の人が病院死を希望し、5割の人が自宅死を希望していますが、実際には約8割が病院死しているそうです。病院での死は、危篤の連絡があって病院へ向かい、医者から「今夜がヤマかもしれません」と説明されて緊張のために眠れなくなり、患者の呼吸が苦しそうになったことを看護師が確認して医師を呼び、その間、家族はモニターを注視していて患者さんの顔を見ておらず、モニターの線が動かなくなって医師が死亡を確認し、ここでようやく患者さんの顔を見ることになります。つまり、死に目に会えないということになります。在宅医療の場合、できることは病院とほぼ同じで、中心静脈栄養も、酸素療法も、人工呼吸器も、保険で可能だそうです。ですが、モニターはありません。施設は制限があって窮屈ですが、在宅医療ならば家庭環境がわかり、治療期間に上限がなく、重度であってもリラックスしやすく、心電図などのモニターはないので患者さんの顔を見つめることができるそうです。医師は「呼吸が止まりそうになったら連絡をください」と言っているそうです。死亡確認する時間を決めるのは医師の権限だからだそうです。55歳以上の国民の5割は在宅死を希望しているそうです。在宅死を迎える条件としては、本人の希望があること、家族が本人の意思を尊重していること、地域医療のシステム、医療と介護の連携が整っていることが挙げられました。しかし、政府の思惑とは異なり、在宅死は増えていないそうです。老人ホーム、介護老人保健施設では急激に増えているそうです。

ここで、いくつかの事例が紹介されました。39歳の女性で乳がんの方の事例では、妊娠中に発症して急激に進行し、妊娠中は治療が制限されるために帝王切開で出産し、治療を始めましたが肺への転移が見つかったそうです。通院となりますが呼吸困難で車から降りられなくなり、自宅で過ごすことを決定したそうです。赤ちゃんが家にいることで、安らかに過ごせたそうです。81歳の男性で慢性閉塞性肺疾患の方の事例では、4~5年肺のレントゲンを撮っておらず、たまたま撮ったレントゲンで肺がんが見つかり、在宅酸素療法を行なうことになったそうです。通院できなくなって訪問診療を開始し、午前9時に呼吸停止しましたが、死亡確認は自宅で12時40分に行なったそうです。73歳男性の前立腺がんの方の事例では、妻が仕事で日中独居となり、妻が帰宅するとベッドで冷たくなっていたそうです。ここで救急や警察に連絡すると検視をされてしまうので、医師に連絡し、自宅で死亡確認を行なったそうです。施設での看取りの事例では、家族とは別々に暮らしていた85歳の女性が乳がんを再発し、施設で過ごすことになったそうです。施設にはマンパワーがあるため、何をしたいかの要望を聴き、計画を立てることができ、スタッフのバックアップで安らかな死を迎えることができたそうです。ここでもモニターはなく、家族は死に目に会えたそうです。

在宅で過ごすにはチームを組み、協力する必要があり、その過程で「人生」からいろいろなことを学べるとのことでした。それが「地域医療」だそうです。自宅に帰るとつながりを再認識することができるということも指摘されました。最後まで病気と闘うにしろ、自宅で安らかに死を迎えるにせよ、悔いの残らない選択をするにはどう死にたいかを考えておくべきだということが指摘されました。最後に、先生の著書「死なない老人」が近日発売されることが紹介されました。

続いて、参加者からの発言が行なわれました。

家庭医を地域で育てているさいわい診療所も関口所長は、病気になると病院に相談することが多かったが、今はケアマネージャーに相談することも多くなり、連携不足が問題になっており、どう総合するかを考えるべきだと述べました。市民は人生をどう過ごしたいかをよく相談しておき、わからないことはかかりつけ医などに相談してほしいと述べました。

地域連携看護師の会の方は、地域連携看護師会は平成25年3月に、川口市、戸田市、蕨市で、在宅へ移行する患者さんのために一病院完結型から地域連携型の対応をしていこうという考え方からつくられたことを発言しました。7病院から始まった取り組みですが、今は28病院が参加し、訪問看護ステーション、川口保健所、行政からの参加もあるそうです。在宅処置マニュアルの作成を行なっているそうですが、これは、家族の混乱を防ぐために、どの事業所が対応しても同じ指導を受けられるように指導を統一するためのものだそうです。病院と在宅側の話し合いのための退院時カンファレンスの指導書も作成しており、それをロールプレイの寸劇で説明することも行なっているそうです。川口市のホームページからもダウンロードできるそうです。病院は敷居が高いと言われているので、用途別病院窓口一覧も作成しているそうです。顔の見える関係づくりのために学習会も開催し、看取りを含む意思決定のためのパンフレット作成も行なっているそうです。地域のみなさんが安心して暮らしていけるように活動していきたいと述べました。

 最後に、それぞれのシンポジストからまとめの発言が行なわれました。

磯﨑さんは、最初に投げかけた不安に全て応えてもらえたと述べ、自分がこうしたいということを改めて考え、それを家族や周りの人に伝えていきたいと述べました。地域包括支援センターと一緒にやれることがあるといいと思う、行政が何をやろうとしているかを学習していきたい、看取りについてじっくり考えたいと述べました。そして、このシンポジウムは、いろいろな立場で素晴らしいことをやっている人たちが集まる機会となったと評価しました。

小針さんは、何かあったら最期は人まかせではなく、最期まで自分らしく生きることが大切であり、みなさんが中心で、それぞれが集まるとチームになると信じていると述べました。

蓮沼さんは、これまでの認知症施策は事後的だったが、今は問題を発生させる前に対応するようになっていると述べました。正しい知識を得るために、2月の広報かわぐちには認知症サポーター養成講座のことが掲載されていて、3月24日は川口市立看護学校で講座が行なわれることを紹介しました。認知症施策と地域包括ケアは一緒につくっていけるものであり、地域に必要なことは地域の人にしかわからないので、アイデア、情報を寄せてほしいと呼びかけました。そして、行政はみなさんの声から施策をつくっていきたいと考えていると述べました。

杉浦先生は、仲のいい人たちが減り、話せる人がいなくなり、どうして生きていけばいいかわからないと言っている人たちがいるが、元気な時にどう死にたいかを考えることが必要だと述べました。日本では死の教育がされておらず、死が遠ざかってしまっているが、死の話を若いうちから話してほしいと提案しました。

増田先生は、いろいろな取り組みの報告がされ、これからそれぞれの取り組みが線や面でつながっていくことが大切だと指摘しました。その人らしく生き、死を迎えるために、市民、専門職、行政が一緒になって取り組みが進められるとよいと述べました。

 

以上で概要のまとめを終わります。

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まず、沖縄の米軍新基地建設反対運動のリーダー、山城博治さんの釈放を求める署名へのご協力を呼び掛けます。

 

https://www.change.org/p/savehiroji

 

 

続いて、避難不可能な状況下での原発災害を防ぐために、川内原発の運転停止を求める署名への賛同を呼び掛けます。
 

https://www.change.org/p/%E5%B7%9D%E5%86%85%E5%8E%9F%E7%99%BA%E3%82%92%E6%AD%A2%E3%82%81%E3%81%A6%E3%81%8F%E3%81%A0%E3%81%95%E3%81%84?source_location=discover_feed
 

 

そして、戦争法を早急に廃止することを求め、沖縄をはじめとする全国での基地強化・日米軍事一体化の策動を許さず、医療と介護をはじめとする社会保障切り捨て政策に反対し、労働者をはじめとする99%の人たちのいのちと生活と働く権利を守るために行動し、政治をはじめとするあらゆる分野で憲法が活きる社会となることを目指し、声を上げ続けることを提起します。

 

 

2月22日、「負担増・給付減の介護保険『見直し』反対! 実効ある処遇改善を求める2・22院内集会」が、全日本民医連、全労連、中央社保協の主催で、衆議院第2議員会館第1会議室にて行なわれました。以下、その概要をまとめます。

まず、全日本民医連事務局次長の林泰則さんによるミニレクチャー「2017年介護保険の見直しと介護人材の処遇改善」が行なわれました。

2月7日に介護保険の見直しが閣議決定され、法案が提出され、これから審議に入っていく段階だそうです。それに先立って、2015年に財務省による介護保険の抜本改悪案が提案されましたが、猛反対によって一部改悪に留まったものの、次の改悪で進めることも提起されているそうです。財務省は「改革工程表」により、3つの区分で課題を整理して改悪案を提案しました。2016年中に結論を出して実施すること、2017年通常国会に法案を提出して実現すること、引き続き検討することの3つです。その提案を受けて、厚生労働省社会保障審議会介護保険部会が2016年2月から検討を始め、2016年12月9日に意見とりまとめを発表しました。12月19日には、塩崎厚労相と麻生財務相の間で大臣折衝が行なわれ、介護保険法「改正」法案がまとめられたそうです。

では、2017年の見直しはどこまで進んだかというと、3つの区分をセットで見ないと全体が理解できないということでした。

まず、法「改正」によって実施する事項ですが、「介護保険制度の持続可能性の確保」という観点では、現役並み所得者の利用料の3割化、介護納付金に対する総報酬割の段階的導入があります。後者は2017年8月から導入を始めるとしています。介護納付金とは、使用者保険から介護保険に拠出しているもので、これまで人頭割だったものを総報酬割にすることで、440億円増加すると見込まれているそうです。「地域包括ケアシステムの深化・推進」という観点では、自立支援・重度化防止に向けた保険者機能の強化、療養病床の見直し、「共生型サービス」の創設があげられています。保険者機能の強化とは、要介護の認定率などの給付費削減に向けて市町村を競争させ、成果をあげた市町村に財政支援を行なうというものだそうです。つまり、政策的誘導です。療養病床の見直しは、地域医療構想に基づく病床再編により、医療療養病床を70%とし、介護療養病床は全廃し、受け皿として「介護医療院」という施設を創設するというものです。「介護医療院」は療養病床よりも医療機能を落としたものとして構想されています。しかし、介護療養病床の全廃は6年延期されており、現実的ではないということが指摘されました。「共生型サービス」とは、現在は障害者に対応する障害者福祉サービス事業所と高齢者に対応する介護保険事業所は別々の基準で設置されていますが、新たに障害者福祉サービス事業所と介護保険事業所を統合した共生型サービス事業所をつくるというものです。行政の縦割り廃止につながるとされていますが、障害者団体からは65歳以上の障害者の介護保険優先適用が強化されるのではないかとの不安の声があがっているそうです。障害福祉サービスには自己負担がありませんが介護保険はほぼ1割負担なので、優先適用が強化されれば生活が成り立たない障害者が多くいるそうです。

厚生労働省は、2017年2月7日に「『地域共生社会』の実現に向けて」と題した当面の改革工程を発表し、「地域共生社会」とは「制度・分野ごとの『縦割り』や「支え手」「受け手」という関係を超えて、地域住民や地域の多様な主体が『我が事』として参画し、人と人、人と資源が世代や分野を超えて『丸ごと』つながることで、住民一人ひとりの暮らしと生きがい。地域をともに創っていく社会」だとしているそうです。しかし、その実態は、本来公的責任で行なうべきことを地域の助け合いへ移し替えていくということになっており、「地域共生社会」ではなく「地域『強制』社会」にされようとしているということが指摘されました。

法「改正」を要しない事項としては、高額介護サービス費の負担上限額引き上げ、福祉用具の見直し、生活援助の人員基準の緩和、介護報酬の設定、通所介護などその他の給付の「適正化」があげられています。政府が「適正化」と言うとき、それは引き下げを意味します。高額介護サービス費の負担上限額は、一般区分では現行37,200円ですが、これを44,400円に引き上げるとしています。しかし、これに対しては公明党が猛反発しており、年間上限額を別途設定することが提案されているそうです。福祉用具の見直しは、要支援の利用者について全額自己負担とすることは反対運動によって見送られましたが、全国平均貸与価格の公表、利用者に対する価格の説明の義務付け、複数商品提示の義務付けなどが行なわれるそうです。生活援助の人員基準緩和は、無資格者でも実施可能とし、それに合わせた介護報酬改定を2018年4月に実施しようとしているそうです。

引き続き検討するとされた事項は、軽度者に対する生活援助やその他の給付の総合事業への移行、利用者負担の引き上げ、補足給付の要件見直し、被保険者の範囲の見直しがあげられています。軽度者に対する生活援助などの総合事業への移行は、2019年度末までに結論を出し、2020年通常国会に法案を提出して成立させようとしているそうです。利用者負担の引き上げは2割負担の対象拡大、補足給付の要件見直しは不動産の勘案、被保険者範囲の見直しは対象年齢の引き下げが検討されているそうです。

政府が進めようとしている介護保険制度改革のポイントとして、長期的なものと短期的なものに分けて説明がされました。

長期的な改革は、2011年からの流れで医療との一体的な改革として行なわれようとしており、医療・介護提供体制の再編が計画されているそうです。医療では、病床機能再編として病床の削減が進められており、入院できなくなった患者が地域、在宅へと出されるため、受け皿としての「地域包括ケア」を自助・互助中心、つまり、住民同士の助け合いでまかなおうとする介護保険制度の「改正」が進められているそうです。そのための法案が「2018年度改革」として2017年通常国会に提案され、2025年をゴールとして計画されているそうです。介護保険制度改革の柱は、「持続可能な制度」の実現とされていますが、ここでの「持続可能」とは“保険財政をもたせる”という意味であり、総介護給付費の「抑制」、給付の「重点化」、つまり、軽度者切り捨てと中重度シフトであると指摘されました。この改革は、「経済・財政一体改革」の一環であり、社会保障費の自然増分の削減と社会保障の「産業化」、つまり、企業の役に立つようにつくり変えることが目指されているそうです。

短期的な改革は、毎年の予算編成の中で社会保障費の自然増分をどう減らすか、介護給付費をどう減らすかという観点から進められているそうです。「カネ」の面からは、介護需要の増大に対応して保険財政を維持するため、給付を抑制することが先行しているそうです。一方、「ヒト」の面からは、人口減少のために介護の担い手が不足しており、介護人材確保のための処遇改善策も行なわれています。

病床再編は「川上」の改革とも呼ばれ、政府は2013年で134.7万床である病床を2025年には114.8万床から119.1万床に減らそうと計画しており、病床削減の結果として地域に出される29.7~33.7万床は地域包括ケアで対応しようとしているそうです。つまり、介護施設や高齢者住宅を含めた在宅医療などで対応するということです。

政府は「経済・財政一体改革」で社会保障費自然増分を毎年5000億円まで削減しようとしており、2013年から2015年の3年間で1兆1500億円をカットしたそうです。2016年は診療報酬の1.43%のマイナス改定によってカットし、2017年は高額介護サービス費の上限を引き上げ、被用者保険からの介護納付金の総報酬割導入などによって1400億円をカットしようとしているそうです。

「ヒト」の面、政府の介護人材政策は、「安上がり」で効率的な体制づくりという方向で進められているそうです。「まんじゅう型」から「富士山型」と言われており、現状は専門性が不明確で役割が混在しており、将来展望が見えづらい状態であるのに対して、参入促進を行なって人材のすそ野を広げるとともに、本人の能力や役割分担に応じたキャリアパスを構築し、ランク付けを行なって専門性の高い人材を中重度者に対応させるなど機能分化を行なうことを構想しているそうです。すそ野を広げるターゲットは、元気な中高年や外国人で、中高年は現在の初任者研修の半分くらいの時間の入門研修を受けさせ、外国人は技能実習生制度やEPAを活用して在宅へ人材を投入しようとしているそうです。そして、介護福祉士は中重度者を対応し、一定の研修を受けた無資格者は軽度者対応と総合事業を担うという形を構想しているそうです。また、生産性の向上のための介護ロボットの導入、一人が担える業務量の拡大なども検討されているそうです。

2017年4月の介護報酬部分改定は、要件を満たした事業所に加算をつけるという方向は変わらず、事業所の選別をはかり、利用者負担を増やすという矛盾が引き継がれるものであり、抜本的な解決にはならないと指摘されました。また、賃金水準の基準を変え、これまでは全労働者の平均との比較であったのを、同業者、つまりサービス業者の平均との比較としており、約5万円基準が低くなっているそうです。

2017年介護保険制度改革は、「抜本改革」は見送り、部分的な見直しにとどまる内容でしたが、新たな負担増・給付抑制の見直しであることには違いはなく、同時に、次の制度改革につなげる「助走」でもあることから、現場の声を届けて、改悪阻止の大きな盛り上がるということが提起されました。

続いて、全労連の岩橋副議長が主催者あいさつを行ないました。岩橋副議長は、2017年度見直しの評価は、この間の運動と世論でひどい提案を許さず、処遇改善の臨時改定をさせたのは大きな成果であるが、それでも改悪される点はあり、処遇改善の不十分さもあると述べました。運動をさらに大きくしていく必要があり、介護離職はますます増え、介護職場はますます大変になっていると指摘しました。安倍内閣のたくらむ「改正」は、「共生」ではなく「強制」であり、国や自治体の責任をはっきりさせたうえで協力すべきであり、安心して働ける賃金、労働条件を実現するため、大きな協同の取り組みが必要であると述べました。

次に、連帯あいさつが行なわれました。

「守ろう!介護保険制度・市民の会」の富田事務局長は、介護保険の大改悪に怒り心頭であり、1年間闘って来て跳ね返したが、しかし、更に大改悪が準備されていると述べました。富田さんはワーカーズコープで働いていて、2015年に福祉用具の企業の方からの訪問を受け、福祉用具の自己負担化に反対するために一緒に闘ってほしいと要請を受けたそうです。たいへんなことが提案されていると実感し、2016年春には大集会を行ない、8月には「守ろう!介護保険制度・市民の会」を結成したそうです。会では2つの課題を持ち、第一に、地方議会での反対の意見書採択に500自治体を目標に取り組み、都道府県は30、市区町村は243、合計273の意見書が出されたそうです。最終集計は3月となるとのことでした。第二に、政策提言づくりをすることに取り組み、学習会をすることから始め、各政党と政策論議ができるようにする予定だとのことでした。

ここで、日程の都合によって順番を入れ替え、民進党の郡和子衆議院議員があいさつしました。郡議員は厚生労働委員であり、集まった参加者に敬意と感謝を述べました。今回の介護保険制度見直しは11本の法案をひとまとめにした多岐に渡るもので、給付費抑制に拍車をかけるものだと指摘しました。現役並みの収入、年収340万円以上の利用者は3割負担となり、障害者福祉との一体化の土台にされる不安もあると述べました。民進党に多くの現場の声を聴かせてほしいと呼びかけました。

次に、公益社団法人「認知症の人と家族の会」の東京支部代表、大野さんがあいさつしました。「認知症の人と家族の会」は1980年に立ち上げられ、本人と介護者を支えるだけでなく、介護の社会化を目指してきたそうです。2000年に介護保険ができましたが、改定の度に改悪され、不安に思っていると述べました。会では2015年改悪の影響についてのアンケートを行ない、当事者の声としてホームページに掲載しているそうです。その中には「このまま負担が増えると生活が立ちいかない」との声があり、2割負担となった人は10万円近く負担増となり、貯蓄を切り崩していると述べているそうです。国は1~2割の人だと言っていますが、たくさんの声が届いているそうです。2016年8月には提言を発表し、安心して暮らせるための要望書として提出したそうです。要介護1、2の人の給付削減に反対するものだそうです。改悪のスピードは思ったよりも早く、この秋から1月にかけて多くの団体と連帯して阻止しようとしているそうです。一番言いたいのは、保険料をみんなが払っているのに利用者はほんの一部であり、必要な人が必要なサービスを受けられるようにすべきだということだそうです。偏見をなくし、お互いに助け合う精神は大事ですが。公助があってこその自助、共助であると指摘しました。これからもみなさんと連携して声を大きくしていきたいと述べました。

続いて、国会議員からのあいさつが行なわれました。

日本共産党の清水忠史衆議院議員は、「成長戦略かそれとも社会保障か」の大義にのらず、社会保障をよくしていくことで人々の生活もよくなっていくということを打ち出すべきだと述べました。大阪は社会保障切り捨てが進んでいるが、現役世代が安心して働けるためには保育・介護の充実とそこで働く人の処遇を改善する必要があると述べ、リニア新幹線に3兆円を投資するのに、医療・介護にはそうした支出をしないのはおかしいと指摘しました。

日本共産党の堀内照文衆議院議員は、認知症と家族の会のアンケートを全部読んだと述べ、8万2000円の負担増となり、家族の生活が破たんするという声や、2倍の負担になり、貯金を切り崩せというが10年しかもたない、後10年しか生きるなということかという声を紹介しました。地域包括ケアシステムのための改定というが、報酬単価が下がり、専門的な事業所がどんどんつぶれてしまい、地域で支えるなどは絵に描いた餅だと指摘しました。

日本共産党の倉林明子参議院議員は、新聞で「混合介護」が動き出したと書かれていたと述べ、一定の所得のある人しか介護を受けられなくなってしまうと指摘しました。社会保障費の抑制策が目白押しであり、公務員の方からも介護保険が3割負担になれば負担の限界だと要請を受けているそうです。介護事業所の倒産件数は過去最高となっており、処遇改善を行なわなければこの問題は解決しないと述べました。憲法25条が生きる新しい政権をつくるべきだと述べました。

ここで、署名の提出が行なわれました。介護保険制度の利用者の立場に立った見直しを求める署名は14万7000筆に達したとのことでした。

 

続いて、参加者からの発言を行なわれました。

日本医労連の代表は、2月10日に介護労働者の夜勤についての調査結果発表を行なったことを報告しました。介護労働者の夜勤はほとんど改善されておらず、圧倒的に2交代が多く、16時間夜勤が約7割になっているそうです。現在、夜勤回数についての法的規制はなく、夜勤専従者もおり、月5、6回の夜勤を行なう人もかなりいるそうです。看護師は3交代で8日以内という基準があり、介護労働者も月4回までに規制すべきだと指摘しました。夜勤体制は1人夜勤が当たり前の施設も多く、大変な重労働だとわかっているので、処遇改善のために更に運動を強めたいと述べました。

福祉保育労の代表は、毎年春闘アンケートで実態調査を行なっており、福祉分野の賃金は月22万1000円、介護分野は月19万8000円であり、「賃金が安い」という声が7割からあったと述べました。また、「人手が足りない」という回答は全体の1.7倍であるのに対し、「賃金が安いがやりがいはある」という回答は全体では93%であるのに対して、介護分野だけでは79.6%だったそうです。「今の仕事がやりたいこと違う」という回答は全体の3倍だったそうです。そういった状況で、新人が定着せず、休みの日に会議や研修に出なければならず、毎日業務時間外に雑務をしているのでサービス残業となっており、人手不足でトイレ介助を30分も待たせることもあるとのことでした。国の人員基準は3対1ですが、実態は2対1になっており、早朝や夜間は23人を1人で見ることになっているそうです。3月16日にはストライキも含めて一斉行動を行なうとのことでした。全国一斉のストライキを計画するのは初めてのことだそうです。

生協労連の代表は、非正規のヘルパーをしているが、1日に何軒もまわり、30分の仕事が増えていて勤務を組むのが難しいと述べました。12月の労働時間は51時間でしたが、1月は利用者の1人が入院してしまって36時間だったそうです。とても不安定であり、時給もなかなか上がらず、断端人が辞めていってしまっており、50人だったのが32人になってしまったそうです。東京のある介護センターでは、人員が基準を満たせずに閉鎖、つまり労務倒産となってしまったそうです。自分の事業所もそうならないかと不安であり、このまま低賃金ではこの仕事をやりたいという人がいなくなってしまうと指摘しました。介護と障害者が一緒にされているが、訓練もなしに対応できるヘルパーはいないに、ここで保育まで加えるのはおかしいと指摘しました。

自治労連の代表は、昭和56年に役所に入った当時は、役所独自のホームヘルプサービスを行なっており、介護保険ができて一瞬は期待したが、役所直営のホームヘルパーはいなくなってしまったと述べました。政府の方針が出されているが、役所の役割はコーディネイトだけになっており、地域住民との大きな矛盾を抱えていると述べました。代表は、今は東京へ単身赴任していて、地元では90歳の伯母、88歳の母、85歳の父の3人が老々介護で生活しているとのことで、介護サービスから外れてしまったらと不安であり、今年の正月には「早くお迎えが来ないか」、「3人一緒じゃないと大変なことになる」と言っていたとのことでした。地域共生社会というが、余裕がなければ夢物語だと指摘しました。自治体にも暮らしを守る責任があるが、小田原市の福祉事務所の問題が起こり、社会福祉職場全体がそうなっているのではないかと述べました。矛盾を感じる職員はメンタルの病気になっており、一職員にはどうにもできない状態だが、労働組合があれば運動することができ、運動しなければ変えられないと述べました。

長野民医連の代表は、1月17日に生活保護実態調査と介護現場からの報告の記者会見を行なったと述べました。生活保護を受けるようになった理由については、124世帯中8世帯が介護離職と答えているそうです。介護現場の実態は、賃金と体制に問題があり、介護福祉士の養成校は7~8割が定員割れとなっているそうです。現場の声として、かけがえのない方の人生を終える時にどうなるかが介護保険にかかっている」という言葉が紹介されました。地元テレビ局から取材依頼があり、特別養護老人ホームで取材を受け、明日にはケアマネが同行して、利用者さんの状況を伝える訪問介護の取材が行なわれる予定だそうです。現場の状況を伝えることが大切であり、養成の現場のことも伝えるべきだと指摘しました。そして、自分は事務であり、本来ならここに介護現場の職員が来るべきだが、とても人が出せる状況ではないと述べました。事業所が今週末に1つ閉鎖される予定であり、待ったなしの状況だと指摘しました。

北海道医労連の代表は、社保協、道労連、民医連、福祉保育労が一緒に連絡会をつくり、現場の声を聴く会を行なったところ、小樽市長や医師会長が参加したと報告しました。179の市町村全てをまわり、道議会でも意見書を出させたそうです。また、通所49事業所を訪問し、人手不足などの対話につながったそうです。実態として、実習生を青田買いしなければやっていけない、札幌市は受験者に資格を取らせることを計画している、外国人が増えていて、労基法違反も起きているなどの声が集まったそうです。電話相談では、指定管理者を手放すところが増えているそうです。対話が広がっているとのことでした。

次に、まとめと行動提起が日本医労連の米沢中央執行委員より行なわれました。米沢さんは、この集会にはマスコミも含めて68人の参加があったと述べました。6名の参加者の発言は、厳しい労働事態を伝え、みんなと手を取り合っていかなければならないことを示し、運動が広がり、変化も生まれており、ピンチをチャンスに変えるべきだというものだと述べました。悪いことだけを発信するのではなく、介護の魅力も発信すべきであり、介護に進みたい学生はたくさんいるが、働き続けられる職場になっていないのが問題だと指摘しました。まずは利用者も労働者も安心できる介護の実現を目指すべきであり、世論に訴えることが提起されました。外へ広げた学習会の取り組み、現場が声を上げ、署名を広げること、自治体要請や地域への働きかけをおこなうことが提起されました。2016年6月の全国市町会では、このままでは疲弊していますので、国の負担を上げていかなければダメだとの提言を提出しているそうです。記者発表など、工夫したやり方で運動を発展させていくことが提起されました。

最後に、全日本民医連の山田副会長が閉会のあいさつを行ないました。山田さんは、2月7日の改定介護保険法案の闇として、さらなる負担増、給付の抑制、背景としての自助・互助の考え方があることを指摘しました。ケアマネなどが予想した改憲の影響のアンケートでは、940人から3094件の心配が送られてきており、改定によって状態悪化が生じることが心配されていると報告しました。こうした数字を地元で使って、全国各地で取り組みを行なってほしい、国会議員、秘書と会う時は困難事例を伝えてほしい、現場の声を届ける運動をしようと呼びかけました。

 

以上で報告を終わります。

 

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