縄文の「漆」が日本人の誇りを呼び覚ます…。
 
日本の文化は、一万年以上前の縄文時代から途切れることなく続いている。福井県の縄文遺跡から12600年前の日本にだけ自生していた漆の木が発見されていますが、この時代から漆を栽培して、採取して、利用するという高度な文化があった日本。英語で漆のことを「ジャパン」と呼んでいるのには、根拠があったのでしょう。
 
漆の木を植えてから樹液を採取できるようになるまでに十年以上もかかるということは、当時の人たちが先を見越して子や孫のために漆を育てていたことが伺えます。計画性があるということは、その日暮らしの未開人ではなくて、文明人の証ですよね。
 

 
世界最古の漆が日本から発見されてしまったため、中国は焦っているようですね。ははは…。なんで、ムキになるんだろう。あの国は。やはり、「文明でも人でも先に来た(古いもの)は偉い。自分が先輩だ」という勘違い儒教思想からなのか…。どうも、大陸では文化的な年功序列システムでもあると思っている節がありますね。「文化的に先輩なんだから、いうこと聞け」という風に持っていきたい。しかし、中国が難癖をつけるということは、これは政治的にも実は重要なポイントであるということが伺えます。
 
日本人はそういう感覚がないので、仮に漆器が中国起源だったとしても、「漆の素晴らしさは変わらない」と思うのだけれど。元々の起源より、どれだけ素晴らしいものを育み、作り出すということが大切だと日本人は知っているんだな。
 
まあ、日本の輪島塗のように、中国の漆器で五万とか十万とかする超高級品なんてほぼ出回っていないですしね。本物の漆器は乾燥しないように工夫したりとお手入れが大変だし、伝統や美よりも効率や利便性を重視する人たちは、どうしても超高級漆器にお金をかけることはできない。
 
 
辞書によると、漆は、「うるわし」とか「うるおし」という日本語が語源です。古事記にも、やまとたけるが漆の色を発見する記述が出てきます。神代(かみよ)から、漆が利用されてきた証拠のひとつでもあります。
 
 
縄文時代の私たちが野蛮な未開人ではなく、一万年前の縄文時代にすでに稲作が始まっており、「日本人はすでにその時から文明人であった」ということを思い出すだけで、自己イメージが変わるのではないでしょうか。
 
海外から、「日本人は模倣だけはうまい」とか「オリジナルな創造性に欠ける」などと言われてきましたが、日本人はもともとオリジナルの文化を持った上で、外からの知識や技術を「取り入れて」自分なりに消化してきた歴史がある。漢字だって、日本語の中にうまく取り入れはしたけれど、日本語が中国語になってしまったわけではない。
 
日本人は、実は民族としての特徴を強く持っているからこそ、外の文化に征服されるんじゃないかという恐怖を持たずに、むしろ果敢に取り入れていく。
 
縄文の日本オリジナルの「漆」栽培と漆技術について知るだけで、私たち日本人の本質が見えてくるような気がします。