先日、日本に帰省した際に、「榮太棲」という有名な和菓子屋の「よもぎあめ」を見つけました。これは、いいキャンディー  
 
よもぎは、日本では古来、邪気を払う薬草として扱われています。今から1300年以上前に編纂された古事記にもその名が掲載されていることから、「神代(かみよ)」から親しまれてきた植物です。また、平安時代の医術書には「名医草」とも記されていました。
 
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かくとだに えやは伊吹の さしも草 
    さしも知らじな 燃ゆる思ひを  
藤原実方朝臣
よもぎの別名は、もぐさ、さしもぐさ。九州弁では「ふつ」または「ふつっぱ(葉)」、沖縄弁では「フーチバー」(沖縄のフーチバーは本土と別の種類ですが)。英語でもお灸に使う「もぐさ」のことはMoxaと言います。英語でよもぎは、Mugwort (Mug草)。東洋でも西洋でも同じ発音というのは興味深いですよね。
 
私は、中学生くらいから満員電車に乗って長距離通学していたせいか、肩こりがひどく、よく母に温灸をしてもらっていました。温灸やお灸の中には、よもぎの葉の裏にある繊毛を精製した「もぐさ」が入っています。おそらく、人ごみに行くとドッと疲れるタイプだったのだと思います。その後、海外に住むようになって人ごみに入ることがほぼなくなったせいか、肩こりが嘘のように消えてしまいました。
 
今でも、ちょっと疲れた時などに、こまめに温灸やお灸をするようにしていますが、自分の中に知らず知らずに溜まっていたストレスが解消されるためか、必ずそのあとは仕事や人間関係で何かいいことがあったり、何かが改善したりすることがあります。これ、名づけて「よもぎ開運法」。まあ、心身の健康管理の一環ですね。
 
昔から「邪気祓い」というような迷信レベルで言われていたことが、現代になって、科学的にも証明されつつあります。
 
ロバート・ジェイ・ローウェン博士(Dr. Robert Jay R Rowen)がガンに関する学術誌上でよもぎに含まれる「アルテミシン」という物質の抗がん作用について論文を発表しています。
 
先日、あるブログを読んでいて、幼少期から霊媒体質だった神職の方がお母さんから、よもぎ茶を飲まされ続け、それが改善されたという内容がありました。よもぎは、肉体に溜まった精神的なストレスを解放したり、繊細すぎる神経を強くして、外的な環境に影響されにくい体を作る助けになってくれる気がします。
 
これにも根拠があるようで、「よもぎ研究所」のウェブサイトを見ていたら、よもぎにはビタミンB1、B2、Cが豊富に含まれており、ビタミンB1は、精神を安定させ、神経系の機能を正常に保つ、という記述がありました。また精神的なストレスが大きいときにはたくさん消費されるので、いつもより多く摂る必要があるそうです。
 
また、アレルギー対策としてよもぎを活用している方々も多いようです。
 
太古より、よもぎをさまざまな方法で活用して、「よもぎ餅」のように美味しく食べるという伝統を現代の私たちに残してくれた古代人の知恵に感謝です。
 
■米国のガン基金(キャンサー・ファウンデーション)のウェブサイトより