この記事では、各ホルモンについて説明しています。
■セロトニン
脳内の神経伝達物質のひとつで、
トリプトファン(必須アミノ酸)の代謝過程で生成されます。
神経伝達物質のドーパミン、ノルアドレナリンをコントロールし、
精神を安定させる作用があります。
セロトニンが不足すると感情にブレーキがかからなくなり、
快楽から抜け出せずに依存症に陥ったり、
うつ病になりやすいと報告されています。
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■ノルアドレナリン
神経を興奮させる神経伝達物質です。
このノルアドレナリンが不足すると、無気力、無関心など、
うつ病の原因になり、逆に、過剰に分泌しすぎると、
消極的な感情、強迫観念、不安感を引き起こします。
多すぎても少なすぎてもダメなホルモンで、
適度な分泌量が必要となります。
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■ドーパミン
ドーパミンニューロンは、
・大脳基底核と、
・大脳皮質(特に前頭前野や帯状回)
に枝を伸ばしてドーパミンを分泌します。
技能を磨いたり、行動を習慣化したり、どのような順番で
行動を起こすかや、戦略を練ったりする働きに関与します。
(パーキンソン病に関連している)
物覚えが悪くなったり、忘れっぽくなったり、
行動がゆっくりになって反応が鈍くなり、
集中力や注意力も失われ、無気力感などが沸くのは、
この物質量の低下の可能性があります。
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■メラトニン
メラトニンとは、脳の内部(松果体)で作られ、
睡眠のサイクルをコントロールする物質です。
主に人間の睡眠に関係しているので、
規則正しい時間に暗い場所で睡眠を取っていれば、
メラトニンの分泌量は増し、眠くなります。
しかし、不規則な睡眠ですと、その分泌量が低下し、
眠りのコントロールがうまくいかなくなります。
夜ある一定の時間が来ると眠くなったり、
映画館等の暗い所で眠くなるといった現象は、
メラトニンの分泌が、時間や光量によって促進される為です。
メラトニンの分泌の日内変動の異常が、
うつ状態や睡眠・覚醒リズム障害、深部体温上昇と
関係があると考えられています。
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■アセチルコリン
アセチルコリンは、ノルアドレナリンやセロトニンの働きを調節し、
意識、記憶、覚醒、睡眠リズムなどをコントロールします。
うつ病の病因が、ノルアドレナリン・セロトニンなどの
モノアミン作動性神経系とアセチルコリン作動性神経系との
アンバランスだと報告もされています。
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■コルチゾール
副腎皮質から分泌される必須のホルモンです。
コルチゾールの主な作用は、血圧上昇、血糖上昇、心収縮力の
上昇、心拍出量の上昇などに関与します。
しかし、ストレスに対抗するため、
コルチゾールの増加は、一般的に免疫を低下させ、
精神的にも「やる気がでない」など鬱傾向になります。
慢性的なストレスによって、
血液中に糖質コルチゾールが上昇すると、
海馬(記憶を司る脳の部位)の神経細胞の萎縮や
細胞死が起こることが分かってきており、
これにより脳の代謝や記憶能力が低下していくようです。
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(コルチゾールを下げるサプリメントがあります)
このような複数の物質がうつ病と関係しています。
次の記事では、この脳内物質やホルモンの機能について、
より詳しく考察していきます