【3】日本が二度と立ち上がれないようにアメリカが占領期に行ったこと | 中谷良子の落書き帳

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核武装・スパイ防止法の実現を

独自の解説が付けられた中国版『菊と刀』

中国の『菊と刀』ブームの他国に見られない特徴は、原著にある謝辞、用語解説や牽引は無視され、原著にはない写真や挿絵、図解が勝手に挿入されていることです。

いわば中国編集版の『菊と刀』が作られているのです。

そして、新たに加えられた説明の中では、中国文明の影響を論じてきた従来の日本文化論に加えて、それとはまったく異なる翻訳者の世代のアメリカ経由の日本文化論が展開されています。

それが、読者世代の大学生に少なからぬ影響を与えているのです。その一部を紹介してみましょう。

2007年に南海出版社から刊行された『菊と刀~民族性と文化の角度から戦後日本が速やかに台頭した真の原因を明らかにする~』(全カラー挿絵本)には、「日本の戦争起因説 撮影日本 20世紀40年代」という見出しを付けて、原著にはない戦争中の武器工場の写真が掲載され、次のように解説しています。

「これは戦時中のある武器工廠(こうしょう)である。婦女達もこの戦争に加わった。彼女達は機関銃の弾を検査している。彼女らは、自分達は世界の等級秩序のために戦うと考えている。なぜなら、日本は上から下への等級制をうち立てることのできる唯一の国家だからである」

これと同じ写真が昨年5月に出版された葉寧楊訳『図解 君の知らない日本文化の美』(華威文化)にも掲載されていますが、そこには異なる説明文が付いています。

「男女問わず、日本人は全員天皇に忠を尽くさなければならない。男が忠を尽くす方法は軍隊に入って、積極的に日本の海外勢力を広げること。女が忠に尽くす方法は本職をきちんとやり、生産に努めること。写真は第二次世界大戦中である武器工廠で働いている女性作業員が弾を製造しているところ」

女性が武器工場で働いているという写真の説明は似ていますが、そこに加えられる解釈がずいぶん違うことがわかります。

これはつまり、翻訳者たちが共通に使用している写真集があり、それに翻訳者の解釈が勝手に追加されているのではないかと推察されます。

翻訳者の解釈が勝手に追加されているのは写真だけではありません。

たとえば、2009年に出版された葉寧楊訳『図解 菊と刀 解読日本人』(瀋陽出版社)には、原著にはない日本の女子高生の写真が掲載され、次のような説明文が付けられています。

「『精神力は物質力に勝つ』という考えはもう日本人生活のすべてに浸透している。これは女性の冬の服の広告宣伝ポスターである。我々は彼女たちが身に着けるものがこんなに少ないこと(このように薄着していること)に驚いている。それは日本人は小さい頃から耐寒訓練を受けているからである。だからこそ、冬の街でさえも短いスカートと半ズボンを穿いている子供をよく見かける」



耐寒訓練が女子高生の薄着の原因という分析は的外れもいいところですが、この他にもコスプレ姿の若い女性の姿が複数掲載されていて、「自重」が求められた日本女性が大きく変化している点に注目し、それを強調しています。

これらは原著の『菊と刀』とはまったく関係ない翻訳者の分析です。




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