8億人以上が登録する世界最大のSNSフェイスブック。
だがサイトが生まれたアメリカでは、多くの人々が投稿のせいでトラブルに巻き込まれ、ユーザーの個人情報に対する同社の方針にも不信感が高まっている。
何を投稿し、誰に見せるかはユーザー側に委ねられている。
一方で、フェイスブックは以前よりはるかに多くの情報提供をユーザーに迫るようになった。
どうぞ安心して皆さんの個人情報を預けてくださいといっている人たちの、これが正体だ。
胸が悪くなるのではないか。
いや、以前はこんなではなかった。
設立初期の05年、フェイスブックのプライバシー保護方針は簡単で、個人情報がグループ外の人と共有されることはないという宣言だけだった。
10年に変更したプライバシー保護方針は、合衆国憲法よりも長く、誰にも理解できそうもない複雑な文書に変貌している。
理解できたとしても、方針は絶えず変わり続けているのでついていくのは難しい。
もちろんフェイスブック・ユーザーの大半は、この手のものにまったく注意を払わない。
それこそ、フェイスブックの思う壺だ。
この会社は、これまで歴史に登場したどんな組織よりも多くの人々の情報をたくさん集めている。
高尚な表現で装ってはいても、フェイスブックは社会のために最善を尽くすのではなく、株主に最大の利益を提供することを目的としている。
フェイスブックは利用者に、彼らを信用して個人情報を差し出すよう求めている。
だが彼らは、過去に何度も信用のおけない面を見せている。
はっきり言おう。
利用者はフェイスブックの顧客ではない。
広告主に売る商品だ。
フェイスブックを使うなとは言うまい。
だが使うときには、自分が誰に、何を売り渡そうとしているのかをよく考えてほしい。
~ダニエル・ライオンズ~