10月の下旬、山澤さんから連絡が。

 

『復興ドームってどうやって解体したらいい?』

 

山澤さんは、現在DIY復興ドームを倉庫として使っている。

 

復興ドームが立っている場所は、公園になることが決まって、

 

立ち退きを迫られているという。

 

場所は岩手県の山田町船越付近。

 

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山澤さんはまだ仮設住宅に住んでいて、新居もまだ建ってない状態だ。

 

みんな倉庫はまだ必要だし、壊してしまうのは簡単だけど、

 

みんなにもらったものだから移動させてまた使いたいと。

 

 

これはクラウドファンディングで集めてみんなで建てたもの。

 

右端が山澤さんの倉庫。

 

「Ready for 山田町に仮設倉庫を立てて漁師さん達が生計を立てられるようにする」

https://readyfor.jp/projects/Yamadadome

 

活動報告はこちら。

https://readyfor.jp/projects/Yamadadome/announcements/3685

 

 

山澤さんのも合わせて、3つとも移動させないといけない。

 

 

私「白樺隊で手伝いにいきますよ。いつ?」

 

山澤さん「11月9日までに。」

 

私「えっもうすぐやん・・あと10日後・・」

 

私「現地で何人手伝える・・?」

 

山澤さん「佐々木さんの息子さん1人と(左の復興ドームの持ち主)、

 

私のとこは3人。

 

大きい兄さんと、2番目の兄さんと、私。

 

孫をおんぶしながら。ははは」

 

私いれて5人。いや4人。

 

 

隊長(木村)に報告。

 

「俺はその日程は忙しくて無理やわ。お前一人でいったれや。現地の現場監督ということで。」

 

がーん。「一人で行ったれや」が頭の中でこだまする。

 

しかもこんな短期間じゃ人は集まらない・・

 

いろいろ声をかけたが、案の定、行きたいけど急すぎ!って断られまくる。

 

そんな中、

 

山形県の神尾さんが行くよと言ってくれた。

 

(上段の右の黄色い帽子の人が神尾さん)

 

神尾さんは以前も山澤さんの復興ドームを作る時にお手伝いにきてくれた人だ。

 

神尾さん「で、何人集まってんの?」

 

私「私だけ。」

 

神尾さん「・・・・。」「知り合い誘ってみるわ僕。」

 

 

でも、この人数では3日あっても

 

3棟解体して、移動させて、組み立てるのはムリ。

 

人を集めるのは諦めた。

 

少ない人数でできる方法を考えよう。

 

むしろ、単純に解体して組み立てるよりも

 

どうせやるなら、そっちの方が面白そうだとも思えてきた。

 

これから先、他の復興ドームも同じ状況になることもありえる。

 

 

 

 

で、こんな時は釘宮さん。

 

釘宮さんは、復興ドームの発案者。

 

 

 

 

釘宮さん「ビスも錆びたり、頭が潰れたりしてるだろうから、

 

まともに解体して全部ビス抜くのは結構大変だよ。人数少ないならなおさらだ。」

 

釘宮さんも日程が合わなくて行けないけど、

 

ミニマムで解体する方法を一緒に考えてくれた。

 

釘宮さん案

 

ベニヤの境目から鋸を入れて横材を切るとドームを3つか2つに輪切りに出来きます。

そうするとトラックに乗る幅2.4m以下になるので道交法違反なしに運べます。

土台の太い角材は外してそのまま再利用。横材は繋ぎ材を足して再組立。

 

 

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釘宮さん

「あとは現場で試してやっていくことだね。あれこれ細かいことを考えても実際やってみなくちゃわからないことだ。」

 

現場主義の釘宮さんっぽいフレーズ。とにかくやってみる。ほんまですね。

 

神尾さんと相談し、その方向で考えていこう、となる。

 

 

隊長

「大引(土台の太い角材)と、床はくっついてるから簡単に離れないぞ。

一緒に切るとしても90mm角の大引きをどうやって切る?電ノコの刃は届かんぞ。」

 

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私「うーん、下をジャッキかなにかで持ち上げて最後に手でノコギリとか・・?」

 

 

隊長

「ユニック(クレーン車)で丸ごと釣って運べたら一番ええねんけどな。

カットしたら弱くなるし。」

 

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山澤さん「ユニックで丸ごと運ぶのは無理。業者に断られました。警察に注意されるとかなんとかで・・」

 

 

 

隊長

「輪切りにするのは、できたとして、どうやってトラックに乗せんねん?結構重たいで。その人数でいける?」

 

 

私「えーと、アンチスリップ持っていって、ツルツルした面でスロープつくって、滑らせながらロープを引っ張るとか・・・?」

 

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輪切りにするとしてもユニック、

 

なければ底を持ち上げる為のジャッキっぽい道具。 

 

ユニックが調達できないなら

 

最低でも2tトラックが必要。

 

 

隊長「ユニックは免許いるけど誰か持ってる?」

 

私「うわっそうなんですか・・・」

 

山澤さん「大きい兄さんが免許持ってる。」

 

ユニック車は、山澤さんの知り合いを通じて1日だけ借りれることになった。

 

 

 

90センチ角の大引、どうやって切るのかなー。

 

誰がやんのかなー。ひとごとのように考える。

 

 

 

 

神尾さんから電話

 

「僕の知り合いも行けることになりました!

 

彼、チェーンソー持ってますから大丈夫!ユニックの免許も持ってます。

 

発電機と大工道具、諸々必要そうなもの持って2tトラックでいきますね。」

 

ログハウスや家を建てていた大工さん

現在、神尾さんと森林活動をしているNPO団体「美しいやまがた森林活動支援センター」に所属しており、木の伐採のお手伝いや森に関するお手伝いをしている。

 

今回は、「美しいやまがた森林活動支援センター」さんからの復興支援という形で来てもらえることになった。

 

 

全部解決した!

神(尾)さま!

 

素晴らしき人材をありがとうございます・・。

 

 

 

出発前日、こんな感じで、きれいにまとまった。

 

3日で3棟6人で移動。

 

メンバー

 

山形から、スーパー大工さんと 

 

神尾さん(得意分野:事務作業とホルン)と、

 

私(得意分野:塗装と人間観察)、

 

現地は、

 

山澤さんの大きいお兄さん(製材所勤務、時々漁師)、

 

2番目のお兄さん、

 

佐々木さんの息子さん(漁師)

 

 

 

初のミニマム解体作業です。

 

日程は11月3日〜6日。

 

 

 

続く