TAM airline | Ready Steady Go!

Ready Steady Go!

Season Concept
   ~ London Eye ~

巴里からサンパウロ行きのフライト予約していたシートナンバーは27Gで、足が伸ばせる十分なスペースがあるフロントシートのはずだったが、その席はひとつ前の席と何ともつきがなく海外のエアラインではありがちな適当?いい加減?なサービスで、これから再度12時間のフライトを考えると気分は一気にダウンする。

諦めずに再度交渉するが、このシートは緊急避難シートなのでポルトガル語が話せなければならないと説明を受け、止む無くあきらめざるを得ない。

が、シートマップを見て移動を試みて、新たなシートナンバーは23Gの窓側。

ほぼ全員の搭乗が終わったように感じて隣は空席だと喜んだその時、隣のシートに長身のブラジリアンギャルが眩しいばかしに搭乗して来て、喜ぶべきなのか?哀しむべきなのか?かなり微妙な心理状態におちる。

万国共通の美女にありがちなスノッブな雰囲気を多少なりとも感じて、さすがに気軽に声を掛けづらく、微妙な空気感のまま、ほぼ定刻通りに離陸。

すでに日本時間は日付が変わった午前4時半、からだは重く睡魔は当然のごとく襲って来るが狭い機内では
快眠出来るはずもなく、とりあえずアルコールの力で眠りにつこうとワインをいただく。

機内食が終わり映画を見始めた頃、いつの間にか意識がなくなっていた。

持参した80年代の腕時計が動かなくなり、どれくらい時間が経ったか分からないが、離陸してから8時間くらいは経過してそうだ。

機内は驚くほど寒く、薄い1枚のブランケットでは凍えそうで、隣の彼女も追加でもう1枚もらい2枚のブランケットで頭を右側の自分の方に傾けて眠り続けている。

この状態は少なくとも意識して避けられていることはなく、彼女はもちろん知る由もないが、内心ちょっぴり微笑んでしまう自分が何とも言えず可愛く感じる。

窮屈なシートに座り続けコリコリに凝った身体を解しに機内散歩に出かけたいが、熟睡している彼女を起こすのは可哀想でアクロバット的な脱出を試みる。

暗い中、それぞれ個性あるスタイルで眠っているが、巴里から搭乗した人たちでさえぐったりしているわけで、どれくらい疲れているかは自分のみ知る。

1時間ほどストレッチなどで時間をつぶしシートに戻り、フライトマップで現在地を確認するが、すでに南米大陸上空を飛行中。

我慢と体力の限界も近づきつつあるが長かった空の旅も後半戦、残り4時間くらいのはずで、ここまで来れば気持ちはぐっと前向きに変化して来る。

最後の軽めの食事の後の機長のアナウンスでは、サンパウロの天候は雨、気温は18度。

ANAのSKY CHANNELにもあるカナダ産のどっきりいたずら番組『 Just For Laughs 』を観てクスクス笑っている隣のブラジル人美人女性に、どういうわけだか視線を奪われる。

いよいよ6回目のブラジル上陸が目前に迫り、高まる興奮をゆっくりと噛み締める。

cheers