ペレニアルフラックス(宿根アマ) | ぐんまの庭を目指して

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群馬県の平野部に住む家でガーデニングをしています。イングリッシュガーデンでもなく、和風の庭でもない、「ぐんまの庭」「我が家の庭」を目指して、試行錯誤中。
使用カメラ:Pentax K-3II

ペレニアルフラックスが満開です。
今日は本気でこの植物のことを書いてみよう。長くなるかも。
今さらかもですが、私が一番好きな花は、このペレニアルフラックス。

 




ペレニアルフラックス(宿根アマ)
アマ科の宿根草。原産地は中央アジアの高地らしい。比較的雨が少なく乾燥気味の涼しい気候の土地だと思う。
一年草のものと宿根草のものがあります。ウチで育てているのは宿根草。
すっきりと美しいブルー。細くしなやかに伸びる茎。たくさんの花。風でゆらゆらと揺れる姿。咲き終わると潔く散る花。私が美しいと感じる要素をすべて持っている植物。

 

 

 




色々な呼び方があります。
・日本名はアマ(亜麻)。宿根草のものは宿根アマ(宿根亜麻)
・英名はフラックス(flax)。宿根草だとペレニアルフラックス。
・学名がリナム(linum)。宿根草だとリナム・ペレンネ。

私は「フラックス」が一番言いやすいので、いつもフラックスと呼んでいます。
人によって馴染みのある呼び方が結構違うので、植物に詳しい人でも「フラックス」と言って通じないことがあります。
カタログだと学名や日本名を重視する場合があるので、探したり検索したりするときは、それぞれの名前で探したほうがいいかも。

 

 

 

 

 

 




ハーブの一種で、色々な使われ方をしているみたい。
茎は繊維に、種は「フラックスシード」とか「亜麻仁油」して食品に使われています。
ハーブとして使われているのは、主に一年草。
農作物として栽培しているヨーロッパなどでは、畑にたくさんの種をまいて収穫しているみたいです。
フラックス 畑」とかで検索すると、いくつかヨーロッパのフラックス畑が出てきます。

 

最も古くから人類に栽培されてきた植物の一つ。

 

 



花を楽しむには、宿根草のペレニアルフラックスが花が一番大きくてキレイに咲きます。
品種改良されて、花が大きめの一年草もありますが、ペレニアルフラックスとはだいぶ雰囲気が違います。

 

 

 




花は、早朝に太陽がのぼると開いて、午後には散ります。一つの花は一日しかもちません。
でも新しい花が毎日次々と咲きます。
早朝に咲いた時が、もっとも濃いブルー。時間が経つにつれて、少しずつ淡い色になって、散るときにはちょっと白っぽくなっています。





◎育て方のポイント
・日当たり大好きですが、午前だけ日が当たるような場所でも大丈夫
・乾燥にはめっぽう強い。地植えで水やりの必要はナシ。
・肥料はいりません。むしろやせた土でも大丈夫。もしかしたら土と砂だけでも大丈夫かもしれないと思ってる
・風通しは大事だと思う。周囲が他の背が高い植物で囲まれてるような場所は避けたほうがよさそう
・「移植は苦手」が通説。小さいときならなるべく土ごと掘りあげて移動すれば大丈夫。
・丈夫です。暑さにも比較的耐えてくれます。寒いのは全然大丈夫。群馬の冬の寒風乾燥は全然平気。「これは雑草のひとつだ」くらいに思っておいてちょうどいいかも。
 

 

 




数千年前もの古くから栽培され続けてきた理由は、繊維や食用として有用だからだけではなく、「育てやすいから」という理由があるはず。

実際育ててみて、本当にその通りだと感じます。
水やりとか肥料とか、フラックスと付き合ってみると「余計なことをしないでくれ」と言われているようにすら感じます。

 

 



◎成長の仕方
もともとは涼しい気候の植物。北海道などでは、毎年同じように咲いてくれるようですが、群馬のような場所では比較的短命です。
ですので、宿根草といえど育て方にコツがいるかも。
ぐんまの平野部のような暖地にあるウチの庭では、だいたい以下のように育ちます。

1年目:
種から育って冬までに数十本の茎を伸ばします。花は咲きません。
地面近くで横向きに茎が20cm程度まで伸びます。
2年目:
暖かくなってから、その茎が上向きに立ち上がって50~60cmくらいまで伸びます。
先端にたくさんのつぼみがついて、4月に次々と咲きます。上の写真はほとんど2年目の花。
この後、多くの株が枯れます。花後も元気なら、3年目まで育ちます。
3年目:
2年目からひと回り大きく育って、さらにたくさんの花が咲きます。
花の数は3年目がピーク。満開のときは圧巻。
株元から木質化してきて、開花中や花後にほとんどの株が枯れます。

やはり暑い地域では「短い間にたくさん咲いて枯れる」ということになるようです。

 

 

 




◎花後の管理について
咲いた後の管理がポイント。気候があう地域では、花が終わったらばっさり短く切るということでよさそう。
ただウチでは全体をばっさり切ってしまうと、そのまま元気がなくなったり枯れたりすることが多い気がします。

【私の方法】花後もしばらくほっておきます。2年目の株なら、まず枯れたりしない。
しばらくすると、茎の途中から新芽が出てきます。ある程度新芽が出てきたら、なるべく根本に近い新芽まで切り戻します。新芽が伸びてから切るのがポイント。
冬までの間に、様子を観察しながらこの作業を続けます。1年目の姿のように、根本からたくさんの茎が伸びていく形を冬までに作ります。
ほったらかしにすると次の年の樹形(木じゃないけど)が美しくなりません。
細すぎたり元気がない茎は、その都度株元から切ります。特に夏が終わるまでは、たくさんの茎を一度に切らないように気をつけるようにしてます。

 

 

 




比較的短命の植物で、多くの株は2~3年で枯れるか元気がなくなるので、株の入れ替えを毎年行っています。
古い株を思い切って抜いて、新しい株を植えます。
一番は、こぼれ種から生まれた新しいフラックスを、ある程度まで大きくなってから好きな場所へ移動すること。毎年新しいフラックスが庭で生まれています。
もちろん新しい株を購入することもしています。
涼しい地域では、株分けもできると思います。ウチではおそらく無理。

 

 

 




こんなに長い記事、誰か読むのかな?(笑) 私のこの花への愛みたいなものです。
最初にこの花を知ったのは、NHKの「素敵にガーデニングライフ」という番組でした。
茨城にお住まいの方(オープンガーデンもされています)の庭で咲いているフラックスを、テレビで見たのが最初。それを見た瞬間の気持ちは今でも忘れません。
その後自分で育てて、本当に好きになりました。おそらく今後も一番であり続けるでしょう。

私のような「フラックス好き」な方や、これから育てたいと考えている方に、今回の記事が参考になるといいな。

 

 

 

 



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2015年のフラックスの様子はこちら