福岡では昨日、桜の満開宣言があって、春本番です。
近所の桜も、ケータイのカメラで撮ってもその美しさがわかる程です。
池の向こうの邸宅の桜も、例年通りの美しさです。
被災地の皆さんも、こんな桜で心癒されるようになりますように、心から祈っています。
さて、ウォルター・マーフィーの記事を書くために、久々に全編通して聴いたのが「サタデー・ナイト・フィーバー(Saturday Night Fever)」のサウンドトラック盤です。
このアルバムはビー・ジーズ(Bee Gees)の代表作として語られることが多いのですが、私にとってはその後の音楽の広がりのきっかけになった楽曲が、たくさん収録されていたのです。
もちろん、「小さな恋のメロディ」のサントラでしか知らなかったビー・ジーズにはまったのは、言うまでもありません。
中でも、「愛はきらめきの中に(How Deep Is Your Love)」の奇跡的な美しさは、ビー・ジーズを代表する一曲であるのは、間違いありません。
他にも、Yvonne EllimanやM.F.S.B.、Kool & The Gangなど、このアルバムをきっかけに聴くようになりました。
で、今回注目するのは、この映画の劇伴を担当した映画音楽作曲家David Shireです。
彼は、70年代から80年代にかけての映画ファンにとっては、おなじみの作曲家です。
代表作は、「カンバセーション・・・盗聴」、「ヒンデンブルグ」、「さらば愛しき女よ」、「大統領の陰謀」、「ガープの世界」、「2010年」、「ショート・サーキット」などがあります。
1979年の「ノーマ・レイ(Norma Rae)」では、アカデミー賞も受賞している大御所なのです。
ちなみに、以前の奥様は「ロッキー」シリーズのヒロイン、エイドリアンを演じたTalia Shireです。
そんなDavidですが、日本でいまいちメジャーな人気を得られていないのは、メロディ・メイカーではないせいだと思っています。
つまり、自己主張せずに映画を盛り上げるためだけを考えた「職人的」な作曲家だと言えます。
ところが、この作品では、映画の流れに沿った「ダンス音楽」も書いているのです。
収録されている3曲はどれもキャッチーで、Davidの作品としては異色かもしれません。
まずは、映画でも印象的なシーンで流れていた「Manhattan Skyline」です。
最初のメロディを弾いているギターは、ほぼ間違いなくLee Ritenourです。ちょっと音が細いのが難点ですが、いかにも彼らしいチョーキングが聴けます。
この曲はアメリカではかなり親しまれているようで、ブラスバンドやビッグ・バンドで演奏されることもあるようです。
当時のフュージョンやAORで頻繁に使われていたmajor7のコードが、私の世代にはもろにストライクで、気持ち良くなれます。
次は、ムソルグスキーの「はげ山の一夜」をディスコのリズムにした「Night On Disco Mountain」です。
ウォルター・マーフィーの「運命'76」に対抗して、クラシックのアダプテーションをしたのでしょうか?
想像すると楽しくなります。
ラスト近くのシングル・トーンのリズム・ギターが、いかにもRitenourらしいです。
フュージョン・ファンにとって「はげ山の一夜」といえば、Bob Jamesのアルバム「One」に収録されているものが印象的ですよね。
これは、ドラムスのSteve Gaddの代表的なプレイとして知られていますね。
ハードなアレンジが見事です。絶対に踊れませんが。
こんな「聴き比べ」が、私の楽しみなんです。
ラストは、ニューヨークらしいサルサのリズムのオリジナル「Salsation」です。
サルサの演奏では欠かせないトランペットとフルートのハードなソロが、とっても気持ち良いです。
Ritenourも、短いソロを弾いています。
いかがでしょう?
Lee Ritenour以外は全く演奏者がわかりませんが、ドラムスやベースのリズム・セクションがしっかりしているので、なかなか聴き応えのある演奏になっていると思います。
サウンドに若干の古さは感じられますが、今でも十分に楽しめるポップな曲ばかりだと思います。
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