ウォルター・マーフィーが、好きっ! | "楽音楽"の日々

"楽音楽"の日々

音楽、映画を中心にしたエンタテインメント全般についての思い入れと、日々の雑感を綴っていきます。

私、カミングアウトします。

ウォルター・マーフィー(Walter Murphy)が、好きです。


1978年、高校3年生だった私は、いつものように彼女といっしょに「サタデー・ナイト・フィーバー(Saturday Night Fever)」を観に行ったのでした。

十分すぎるくらい田舎モンだった私から見ても、洗練されているとは思えない主人公の生き様でしたが、生活の苦しさや自分を見つけられないもどかしさが共感できる、見事な青春映画になっていました。

当然のように、Bee Geesの音楽にノックアウトされて、サントラ盤を購入しました。
$"楽音楽"の日々-Saturday Night Fever
2枚組のサントラ盤を繰り返し聴いていたのですが、Bee Geesの曲はもちろんのこと、インストゥルメンタルの曲にも興味を覚えました。
3曲も収録されているDavid Shireのディスコ・サウンドをはじめとして、(当時)初めて名前を聞くRalph MacDonaldの「Calypso Breakdown」でも、同じリズムの反復が気持ち良いことを知りました。

そんな中で、クラシック音楽も大好きだった私にとって一番の衝撃だったのが、ウォルター・マーフィーの「運命'76(A Fifth Of Beethoven)」だったのです。

YouTubeで検索している時に見つけた、珍しいライヴ演奏を聴いて下さい。



若干の古さは感じるものの、「ディスコ」と言うよりは「ファンク」寄りのリズムが、とても気持ち良いです。

これをキッカケにして、私はウォルターのアルバムを2枚続けて買いました。
残念ながら手放してしまったのですが、今でも後悔しています。
なにしろ、ファーストは全く手に入らないのです。インパクトのある素晴らしいアルバム・ジャケットのせいで、中古市場でもすぐに売れてしまうのでしょう。

現在では、ベスト盤のみがCD発売されています。
$"楽音楽"の日々-Best Of Walter Murphy
これは、ウォルターがPrivate Stockレーベルに所属していた時期の、ファーストから3枚目までからピックアップされた代表曲で構成されています。

正直に言って、大ファンの私でも、このベスト盤を通して聴くのはちょっと辛いです。

ウォルターの作品は出来不出来が極端で、素晴らしい作品と退屈なものとが混在しています。
ですから、全てのオリジナル・アルバムをリリースしてくれたら、私なりのベスト盤を作ろうと思っているのです。

運良く手に入れた2nd「ディスコの魔術師(Rhapsody In Blue)」と、日本盤も発売されなかった「Phantom Of The Opera」のアナログ盤は、いまのところ私の宝物です。
$"楽音楽"の日々-Rhapsody In Blue
$"楽音楽"の日々-Phantom Of The Opera
フュージョン・ファンにとっては基本中の基本であるCTIレーベルの作品群では、クラシックのアダプテーションが売りになっていましたが、ウォルターもその傾向を得意としていましたので、私の中では同じような感覚で聴いていたのでした。
「運命」や「ラプソディ・イン・ブルー」のような大ネタもありますが、なかなか珍しい選曲もあって驚かせてくれます。
特に、私も全曲を聴いたことのない4枚目のアルバム「Discosymphony」は、かなり充実した内容になっているようです。是非、CD化してもらいたい作品です。

じっくり聴いてみると、ウォルターはCTI時代のデオダート(Deodato)を好きだったようです。
サウンドの作り方が、もろに影響を受けているように思えます。ですから、デオダートがお好きな方には、ウォルターのサウンドもおすすめです。


では、フュージョン・ファンには是非聴いていただきたい3曲です。

「Love Eyes」




「Suite Love Symphony」




ドビュッシーの「牧神の午後への前奏曲」をアダプトした「Afternoon Of A Faun」


特に、1'30"過ぎたあたりからのエモーショナルで芳醇なストリングスは、フュージョンの諸作でもなかなか聴けない素晴らしいものです。


いかがだったでしょうか?

もし、ウォルターのリーダー・アルバムがCD化されるような奇跡があれば、改めてレヴューしたいと思います。


The Best Of Walter Murphy: A Fifth Of Beethoven/Walter Murphy

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