「シャトーレストラン ジョエル・ロブション」(☆☆☆彡)
http://www.robuchon.jp/
Joel Robuchon
 総評☆☆☆彡(三ツ星半)。
 過去この評価をした店は国内ではなく中世の街並みをそっくり残すベルギーのブルージュにある「デ カルメリート」 ただ一軒だけでした。それが5年目を迎えた結婚記念日に訪れたこの店で2軒目に。
 まさに至高の中の至高。

 そこは時間がたっていることもわからなくなる美食の竜宮城です。
 
住所:目黒区三田1-13-1恵比寿ガーデンプレイス内
電話:03-5424-1347
定休:無休
営業:11時半~14時半/18時~22時
 
 恵比寿のガーデンプレイスの奥に鎮座する西洋風の平城。
 入り口は向かって右側にあります。中に入って受付で名前を言って荷物を預かってもらう。

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 そこから「ラ ターブル ドゥ ジョエル・ロブション」の入り口を見ながら、2階のダイニングへ螺旋状にしつらえられた階段を上がります。

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 ダイニングに入ると明るいベージュ色にクリスタルを飾った美しい壁。それがまたガラスに覆われているところが「タイユバン・ロブション」からリノベーションされた改良点だといいますが、モダンフレンチをいただくに素晴らしい空間構成だと言わざるを得ません。美しい……。
 テーブルには黒くシックなテーブルクロス。ピンク色のゼリーを入れたグラスに花をさて飾ってます。
 金色の豪華な紙に印刷されたメニューはアラカルトと35000円のコースと24000円のコースが提示されていました。おどろくことに男性側には値段の表記があり、女性には値段の表記がありません。細かな配慮ですが、まずはそこに感心。
 このメニューは食事に入る前に大きな紙にして持ってきてくれ、食べるときにも眺めていられます。最後にはくるくる丸めて金糸で縁取られた黒色のリボンをかけて渡してくれます。
 接客がまた良い。優しく丁寧で、料理に関してもきちんと説明してくれます。写真撮影もOKでした。
 

 
~ Diner du vendredi 23 septembre 2005 ~ imagine par Joel Robuchon 35000円

 

Le Molon)夕張メロン ミントの香るガスパチョ仕立てにし、甘口シェリーのパールを添えて en gazpacho a la menthe avec une perle de sherry

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 白い皿の上に黒く四角い皿。一角は乾燥させたメロンの種と葉で飾られ、白いスプーンに小さなグラス。飲み方を指定されます。まずはグラスの夕張メロンのガスパチョを一口。ミントが香るその甘さとメロンの風味が楽しめます。次にスプーンの上の甘口シェリーで作られた球体ジュースと少量のメロンのスープを口に含んでプチリとつぶす。甘いシェリーはアルコール独特の味わいで美味しい。球体自体はやや膜が厚めで半ばゼリーのようになっていました。そしてまたグラスのガスパチョを……おおおッ!! 香りが素晴らしい! 味覚が変わるみたいですね。メロンの輪郭が先ほどよりも鮮やかに舌に感じられるようになりました。これは素晴らしい。球体ジュースは「エル・ブジ」の流れで使う店も増えましたが、こんな使い方をするとは。さすがは皇帝。
 

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 最初に出されたパンはロブションのプチバゲット。真ん中にバルサミコをポツリと落とした美しいオリーブオイルの入る皿の上に。バターは別皿ですが、これも上質。
 
Le Caviar Oscietre)オシェトラキャビア 甲殻類のジュレになめらかなカリフラワーのクリーム dans une delicate gelee recouverte d'une onctueuse creme de chou-fleur

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 先ほどの黒い四角皿が今度は2枚で1枚は長方形。重ねられて出てきたのですが、小さな皿の上には白く小さな陶器のグラス。残りのスペースには6種類の花のつぼみが飾られて出てきました。う、美しすぎます…。きっと目が点になっていたことでしょう。
 そして、このメニューは確かロブションのスペシャリテ。なめらかなカリフラワーのクリームの上には緑色のソースで点々が辺縁を飾られ、中央に可愛らしい小さな緑の葉。まるで何かのデザインを見ているよう。このクリームをすくって口に入れるとそれだけでおいしい。その下には海老蟹の味のするジュレ。そして一番下にはキャビアです。塩味がやや強めに感じますが、強烈なインパクトのあるメニューです。食べ終わってもついついグラスを舐めたい衝動に駆られます。

 

La Tomate)トマト 毛ガニと共にミルフィーユ仕立て ベルジュテソースを添えて en mille-feuille au crabe avec un coulis verjute
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 白く丸い皿にトマトの皮際の果肉部分の層、毛ガニの身をほぐしてマヨネーズのようなソースで和えた層、りんごやアボガドなどの層を重ねたミルフィーユ。長細い菱形にきってあり、上には粗引き胡椒、端に先のオシェトラキャビアの飾りと同じ小さな葉飾り。ざっくりと切って食べるが、トマト一つとってもすばらしい素材。果実の甘さやアボガドの脂分、蟹肉の旨味が混ざり合い、うっとりする美味しさ。濃い目のオレンジ色のパプリカで作ったと思われるソースはやや辛い味わい。緑色の点による縁取りはここにも。皿の飾りといえば、交差する赤唐辛子の粉末の線が皿を飾っています。これは調味料もかねていて面白い。
 
L'Olive Noire)ニース産ブラックオリーブ デリケートなフランにし、レモンの香るクルジェットのヴルーテに浮かべて en delicate royale avec un veloute de courgette a l'huile citronnee
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 ブラックオリーブのムースです。ブラックオリーブの特有の香りは嫌味ない感じでうまくムースになり、その上により香りの良いブラックオリーブの切り身が2片のせられています。さらにその上には粉のパルメザンチーズを焼いて固めたものが飾られていました。これが小麦を使ってなめらかにした温かいズッキーニのスープの中にレモンの風味がする美味しいスープでバルサミコが点々と彩を添えています。チーズ、オリーブ、レモン、バルサミコと口に広がる香りの競演は凄いとしかいえない。
 

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 ここでパンのワゴンが登場。その盛り付けの美しさや種類の多さは圧巻。一通り説明され、いくつでも選べますが、ぼくは岩塩を使ったデニッシュ、切り分けてもってきてくれるブリオッシュ、サフランのパンを選択。どれもメリハリあり、パン屋でも食べられないような美味しいパンです。家内はクロワッサン、ミルクのパン、ベーコンやドライトマトの入ったパンを。

 

L'Ormeau)長崎直送活アワビ ポワレにし、南仏野菜のムースソースと et l'artichaut violet avec un cappuccino de legumes

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 6時間かけて焼かれたというアワビのポワレ。アーティチョークをはじめとする野菜をあしらい、同様のソースを泡に仕立ててソースとして皿を飾っています。驚くべきはアワビで柔らかく仕上げられ歯を入れたときの弾力も素晴らしい。よくみると縦横に細かく隠し包丁が入れられていました。
 
La Langoustine)ラングスティーヌ ポワレにし、旬野菜と共に レモングラスの香りで poelee et servie avec une huile de citronnelle

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 また美しすぎる皿がきました。黒い皿の上にガラスの皿をのせているのは普通なのですが、その間にレモングラスの葉と茎を挟み込み美しく見えるようにしています。上にはポワレにしたラングスティーヌ(赤座海老)。旬の野菜として茶豆、絹さや、プチトマトなどがせられ、さっくり軽く揚げたネギで飾って仕上げています。ソースはレモングラスの香りのする泡のソース。これがまた一つ一つの素材が素晴らしい。茶豆の香ばしい香りもいいのですが、赤座海老の身にはギュッと閉じ込められた海老の旨味が詰まっているようでした。今まで食べたどの海老よりも美味しく感じます。レモングラスは香りが穏やかに活きていて、あわせて食べると恍惚としてしまいます。

 

 画像はまだたっぷりあります。

 明日の「シャトーレストラン ジョエル・ロブション」(2) はコースメニューの後半戦です。

 

 また、後日07年6月の3階の個室でのランチ も記録してあります。

 

ガストロノミー ジョエル・ロブション (Joel Robushon)