その方は以前にリハビリを行っていたのですが、そのリハビリの方と合わなかったようで、辞めてしまったということがあったようです。
そのためか、ケアマネージャーさんやご家族からは気難しい方なので…とのお話を受けていました。
実際往診を始めてみると、全くと言っていいほど気難しい側面はなく、むしろお話好きな親しみやすい印象を受けました。
その方がふとおっしゃったのです。あなたは私の話に共感してくれる、そしてそれに答えてくれるから、それが嬉しいんだよ、と。
きっとこの方は決して気難しい方ではないのではないかと思うのです。
自分の体が思うように動かない。それは私達が想像する以上にご本人にとって苦痛なことなのだと思うのです。
しかし、その苦痛を理解されないということはそれ以上の苦痛なのではないでしょうか。
正直、私自身は同じ境遇ではないためにその方の苦労を本当の意味で理解することはできません。
しかしその方の症状などを学ぶことで少しでも理解できればと思っています。
知識を身につけることは最善の治療を行うためだけでなく、その方を理解するためにも必要なのではないかと思うのです。
これからも少しでも患者様の気持ちを理解することができるよう、日々学んでいかなければと思います。