サージカル ステンレスの金属アレルギーについて | 【金属アレルギー専門】TOKYO DIAMOND 代官山指輪工房

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最近、「金属アレルギーになりづらい」、「金属アレルギー対応」、「金属アレルギーにも安心」として良く見かけるサージカルステンレスの結婚指輪やピアス。
 
 非常に安価で販売されていますが、実際のところはどうなのでしょうか?? 
 
そこで今日は、サージカルステンレスについて、材料として、どういうものなのか?金属工学的な観点で詳しく書きたいと思います。
 
 
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サージカルステンレスとは?
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サージカル=医療用の、ステンレススティール=錆びない鉄という意味で作られた言葉で、医療用器具やその他様々な医療用の金属部材として使われている合金です。ピアスを開ける器具であるピアッサーも、このサージカルステンレスで作られていることが多いです。

 

鋼材の規格としてはSUS316という合金ですので、医療用以外にも、海水による腐食に強い性質から、海水ポンプ、配管部材、船舶部品、バルブなどにも広く用いられています。

 

SUS316は組成としては、クロムが18重量%、ニッケルが12重量%、モリブデンが2.5重量%、残りの67.5重量%は鉄です。

 

モリブデンとクロムの添加によって、耐食性を向上させた鉄、という訳です。

 

もっと詳しく言うと、モリブデンとクロムどちらも不動態膜を形成するので、それによって腐食が内部に進行するのを止めた鉄系合金ということになります。

 

また、より耐食性に配慮して、SUS316Lという、Low carbonつまり、炭素の含有量を極力減らした規格の合金も開発されています。これは、炭素が含まれるとクロムの炭化物が粒界に偏析し、そこから腐食が進みやすくなるため、極力追い出すことで耐食性を高めているSUS316です。

 
 
 
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サージカルステンレスに含まれるニッケル
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耐食性が高い=金属アレルギーになりづらい、

 

ということは、以前から、このブログでもお伝えしてきました。

 

そういう意味で、サージカルステンレスは、真鍮や鉄、または一般的なステンレスであるSUS304よりも耐食性の高い合金であり、金属アレルギーの原因には、比較的なりづらい素材だと言うことが言えます。

 

ただし、ニッケルが12重量%含まれているという点には、注意しなければなりません。

 

ニッケルといえば、もっとも金属アレルギーの原因になりやすい金属の1つであり、金属アレルギーの元凶のような金属ですから、過敏な方は避けたほうがいいと思います。

 

なぜ、医療用途の金属に、そんなニッケルを添加するのか?僕としても不思議に思うほどですが、おそらくニッケルを添加しないとフェライト系の合金になって磁性を持ってしまい、扱いづらくなってしまうからではないかと予想しています。

 

また、フェライト系のステンレスよりも、ニッケルを含んだオーステナイト系のステンレスのほうが耐食性が高いと言われるので、単純に耐食性を取るか、それとも金属アレルギーの原因になるニッケルを排除するのか、悩ましいところなのでしょう。

 

僕だったら、ニッケルを混ぜるか混ぜないかをステンレスという枠の中で考えるより、それだったらもっと耐食性の高い純モリブデンや、耐食性の高い金属は他にもあるので、そっちのほうがいいじゃないか、と思ってしまいますが、工業的にはコストとの兼ね合いでそうはならないのだと思います。

 

ちなみに、ニッケルを添加することによって金属の色は白味が強くなるので、SUS316の色味はプラチナとほとんど同じです。

 
 
 
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コストと機能性のバランスがいいサージカルステンレス
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上記のような理由で、SUS316という合金は、非常に低いコストで作れるにも関わらず、耐食性、加工性、色味、強度などバランスが良く、宝飾品には適した素材だと言うことができます。

 

金属を混ぜ合わせることで、足し算以上の掛け算のように高機能が発現する、まさに「シナジー」を体現するような合金だと思います。合金の世界は面白いですね。

 

ただし、再三になりますが、ニッケルを含むので、過敏な方は避けたほうがいいです。もちろん代官山工房では、少しでもニッケルを含むサージカルステンレスをはじめとしたステンレスは、ジュエリー素材として用いたりはしません。

 

そして、やはり予算が許すなら、純度の高いゴールドやプラチナを選んだほうが、より金属アレルギーの心配はなく安全です。

 

 

また、本当に過敏な方には、金属アレルギーが一切心配がない、タンタルやハフニウムというレアメタル(希少金属)があります。

 

タンタルやハフニウムの価格はサージカルステンレスの10倍以上になるので、購入できる方は限られてくるかもしれませんが、完全に金属アレルギーの心配がない安心感は他にはないので、覚えておいてもいいかもしれません。

 
 
 
 
 
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