『デッドボール』 木内一裕 | 鈴と空のブログ

鈴と空のブログ

読んだ本の紹介を簡単に。
あとは気になる人やニュースなんかについて思ったことを書こうかなと。
たまに真面目なことをかいたりもするかも。

デッドボール/木内 一裕
¥1,575
Amazon.co.jp


16万5000円借りていた彼女にふられた23歳のノボル。
このカネだけは返したい。でもカネがない。
そこに、絶対に関わってはいけない男からの電話。
報酬は1000万円。
先が見えない人生を再スタートするには充分だが、

手助けするのが誘拐って。
しかし話を聞いてみると、この計画、失敗する恐れだけはない。
やるか。
やった。
だが…。
――――― 「BOOK」データベースより


個人的評価 : ★★★★☆


わりと長いこと持っていたけど、面白くなかったわけではなく、
むしろどちらかというと面白かった。


ノボルと「絶対に関わってはいけない男」に引き合わされた佐藤、
この2人のコンビが。
「大好きだ!」とまでは思わない(思えない)んだけど、
何だか気になるコンビで。


事情があるとはいえ誘拐の手助けをした訳だし、
最後の策も法に触れることではあった以上、
100パーセント正しい側にいる訳じゃない。

だけど、やれることといけないことの線引きが自分なりにちゃんとあって
自分が良しとしないことは殴られようが脅されようがやらないノボル。


常に先を見越して冷静でプロで、
おまけに犯罪計画にもうっかり乗ってしまいそうになるくらい口が上手くて。
でもやってることは誘拐だの不法侵入だの脅迫だのと、
どれもこれもが犯罪の佐藤。


この2人に対する弁護士の狂気っぷりが進むにつれて酷くなり、
常識人・成功者の鍍金がボロボロ崩れていくのが気持ち悪くて。
その分ノボル・佐藤がまた気になる。


このコンビでまた何かあればいいのに。

「大好き!」ではない、なんて言いながらも読むのは間違いなく。