- 追憶のかけら/貫井 徳郎
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注目の著者 渾身のミステリー巨編!
戦後間もなく自殺した作家の未発表手記。
そこに秘められた「謎」とは―――?
二転三転する物語は、感動の結末へ!
最愛の妻を事故で亡くした大学講師。
失意の底にある彼をさらに翻弄する何者かの悪意。
長編ミステリアスロマン。
――――― 帯より
個人的評価 : ★★★★☆
手記の「―――せう」とか「―――ゐる」という部分とか
普段なかなか見慣れない漢字が多々あるって事、
あとは単純に長い話だってことで
いつも以上の時間が掛かったけど、結構好きだった。
ほんとに二転三転で、最後に真の黒幕がわかったときには
ようやく真実が見えて「おぉ、やっとか!」って気持ちと、
その人物の全く共感できない悪意の基への気持ち悪さと。
その気持ち悪さが星が4つになった一番の理由なんだけど。
あんな大掛かりなことを仕掛けた理由がそんなこと!?
って感じで拍子抜けしたというか。
まぁ当人にとっては「そんなこと」じゃないんだろうけど。
相当ズレてるようだし。
ある人が黒幕だと言われたときと
主人公の講師がそれを信じたときはちょっと驚いた。
それまでの描写だとそういうことしそうな人じゃなかったから。
小説の読み手としては(捻くれた読み方だろうけど)、
残ってるページ数と「感動の結末」ってことを考えれば
それが真実じゃないことはわかっちゃうから余計に。
「何で信じてあげないんだ、馬鹿!」なんて思ったり。
最後の手紙、「感動の結末」とうたう以上ベタな気もするけど
それでもやっぱり手紙と娘の言葉とでちょっと泣いちゃったり。