先月末、米国の映画芸術科学アカデミーは、キューバ映画を代表する2人、ネルソン・ロドリゲス(1938年生まれ・映画編集者)とデイシー・グラナドス(1942年生まれ・女優)を招き、それぞれの人生やキャリアについてインタビューした映像を同アカデミーのビジュアル歴史プログラム・永久コレクションに加えた。
ネルソン・ロドリゲス(写真中央)の発言:
「アカデミーが我々の仕事を認めてくれたことは、とても美しいできごとだ。キューバ映画に威信と栄誉が与えられたからだ。アカデミーはこの半世紀において初めて我々をキューバ映画史の異例の証人として扱ってくれた。この事実は我々の映画にとって非常に重要であり、まことに素晴らしいことだ。将来、我々の証言を通して世界中のシネフィルや歴史家が、我々の献身、仕事に対する厳しさ、そして情熱を知ることになるだろう」。
2人はアカデミー賞授賞式の翌日にゲティ研究所で行われた『低開発の記憶』(トマス・グティエレス・アレア監督/1968年)の修復フィルム上映会にも出席した。
上映に先立ち(10分以上も)スピーチしたマーティン・スコセッシ監督は、同作品のもつ卓越した価値を讃えたほか、革命後に初めて米国で上映されたキューバ映画であることにも言及した。
上映が始まり、スクリーンにネルソンとデイシーの名が映し出されると、会場からは喝采が起き、2人をいたく感動させた。
(参考情報)これまでにアカデミーがインタビュー映像を撮った映画人:
セルマ・スクーンメイカー、マリア・ノバロ、ドン・ホール、ルクレシア・マルテル、
ジョナス・メカス、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ ほか
参照記事と写真: