ラウル・ペレス・ウレタ、「キューバ映画賞」受賞! | MARYSOL のキューバ映画修行

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【キューバ映画】というジグソーパズルを完成させるための1ピースになれれば…そんな思いで綴ります。
★「アキラの恋人」上映希望の方、メッセージください。

今年度の「キューバ映画賞」は、初めて“撮影監督”に授けられました。

栄誉を獲得したのは、ラウル・ペレス・ウレタ。日本では、 『永遠のハバナ』 (2002)↓を手がけたと言えば、お分かりいただけるでしょうか?
    MARYSOL のキューバ映画修行-永遠のハバナ

他に彼が撮影を担当したキューバ映画で日本で公開された作品としては、

『ビバ!ビバ!キューバ』 (1999)、大きな翼を持った老人』 (1988)くらいかな?


私は、2006年のラテンビート映画祭のとき、『マデイヌサ』 (2005/ペルー)のクレジットにウレタの名前を見つけたとき、キューバ以外でも活躍していると知り、すごく嬉しかったです。

ま、日本では無名のウレタ氏ですが、キューバでは、フェルナンド・ペレス監督(現キューバ映画界で最も重要な監督と見なされている)との名コンビで有名。 『マダガスカル』  (1993)以来、『口笛高らかに』 (1998)、『永遠のハバナ』、『マドリガル』(2005)とペアを組み、最新作は“ラテンアメリカの解放者を主題にしたラ米映画全体のプロジェクト”のキューバ版、Martí, el ojo del canario (2008)。題名から明らかなように、キューバの国父、ホセ・マルティがテーマで、マルティの9~17歳を私的な観点から描いた作品。

 

尚、今回の受賞を決定した審査会の委員長は、『苺とチョコレート』で有名な、作家兼脚本家のセネル・パス。審査員には、ダニエル・ディアス・トーレス監督、女優イサベル・サントス、そして我らがマリオ・ピエドラ教授も名を連ねています。
とにかく、ラウル・ペレス・ウレタ氏の栄えある受賞に、キューバ映画界は諸手を挙げて歓迎している模様。

 

MARYSOL のキューバ映画修行-ラウル・ペレス・ウレタ監督

写真左からマリオ先生、ダニエル・ディアス・トーレス監督、

ウル・ペレス・ウレタ撮影監督、イバン・ナポレス(カメラマン)

(2006年12月、Marysol撮影)

 

Raúl Perez Ureta (ラウル・ペレス・ウレタ)略歴
1942年、サンクティ・スピリトゥスで生まれる。
1961年、ICAICに入り、アニメーションの撮影アシスタントになる。
その後まもなく、ICAICラテンアメリカニュースに移り、サンティアゴ・アルバレス の下で撮影アシスタントと録音を担当。多数のニュースおよびドキュメンタリー撮影に携わる。
1965年からは、撮影カメラマンとして、国内のみならず国外の撮影にも頻繁に参加。世界の危険な地域にも出かけた。
1986年、初めてフィクション映画、『Visa USA』(1986年/監督:Lisandro Duque/コロンビア)の撮影に参加。

     (ハプニングにより、撮影監督を任される)
1988年に、『大きな翼を持った老人』(フェルナンド・ビリ監督/キューバ・イタリア・スペイン)の撮影監督
1989年、『Papeles Secundarios(脇役たち)』で、一躍その実力が認められる。
1986年以後、これまでに関わった作品は50本以上を数える。

 

※2020年8月追加映像:自ら語るICAIC入所の経緯(革命前~革命後)

 

2021年3月4日追記

訃報:ラウル・ペレス・ウレタ撮影監督 | MARYSOL のキューバ映画修行 (ameblo.jp)