『メモリアス』大阪にて公開 | MARYSOL のキューバ映画修行

MARYSOL のキューバ映画修行

【キューバ映画】というジグソーパズルを完成させるための1ピースになれれば…そんな思いで綴ります。
★「アキラの恋人」上映希望の方、メッセージください。

この記事は特に関西方面の方々に向けてお送りします。
いよいよ土曜日(11日)からキューバ&ラテンアメリカ映画の古典的名作

『いやしがたい記憶―メモリアス―』 (1968年制作)が

大阪の第七藝術劇場にてレイトショー公開されます。
お近くにお住みの方々どうぞこの機会を逃さず、映画館に足をお運びください。

詳細は:http://ameblo.jp/vagabunda/


一般に「キューバ危機」と呼ばれているにも拘らず、今までキューバの内側から事件を捉えた作品があったでしょうか?
映画に織り込まれたドキュメンタリーフィルムを見るだけでも、“革命”がキューバの人々にもたらした“栄光と代償”に思いを馳せる貴重なきっかけになると思います。


折りしも62年前のきょう、日本で2発目の原爆が長崎に落とされました。
被爆国の日本に生まれた私たちにとって、45年前のミサイル危機下のキューバの状況は想像を超えたものだったかもしれません。
でもその違いを知ることこそ、意見を交わし、相手を理解する第一歩になると思います。そして何よりも自分自身を知る、貴重な鏡になると思います。
まずはご覧下さい。


以下は、今年の春「銀座・新橋ラテンマップ」に寄せた拙文です。

銀座ラテンマップ:http://ameblo.jp/rincon-del-cine-cubano/entry-10033684936.html


『低開発の記憶』 トマスGアレア監督(1968年)
メモリアス・ちらし キューバ映画の最高傑作と評される本作品―お堅い題名に似合わず、中身はとてもデリケート。ヌーベルヴァーグみたいにモダンな映像と深いテーマ性が魅力です。フィクションとドキュメンタリーを見事に融合させた手法が焙り出すのは、革命という歴史の大波に翻弄され崩壊していく男の姿。今その姿に共感を覚えるキューバの若者が増えているのは見逃せない事実で、映画は40年の歳月を経ても、観る人に本質的な問いを発し続けているのです。キューバの現代史にふれる為にも必見の名作!


ストーリー:主人公(セルヒオ)の家族は、社会主義化した革命政権を嫌いマイアミに移住。自分の意思で国に残ったものの、家族・友人・仕事を失った彼は次第に自分を見失っていく。急激な社会の変化を前にして疎外感は募る一方だ。いったい何が変わったのか? 答えを求め過去を探る一方で、彼は安らぎを求め、快適な家の中に“避難”する。だが1962年10月、世界を震撼させた「キューバ危機」が勃発。
今や、彼の“避難所”もろとも生命まで消滅の危機にさらされていた…


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