私はめったにNHKの番組を観ない。
朝ドラも大河ドラマもよっぽど気に入った俳優さんが出ない限り観ないのだが、なぜか先日最終回を迎えた『大奥』を全話観てしまった。
このドラマはよしながふみさんのコミックを実写化したもの。
ストーリーは、江戸時代、若い男子のみを襲う謎の疫病が国中に流行り、男子の数が激減。男女の立場が逆転した世界で、徳川家の女性の将軍に仕える美男が集められた女人禁制の場所・大奥で巻き起こる事件。
このドラマを放映中にたまたま読んでいた本が朝井まかてさんの『残り者』だった。幕末の江戸城明け渡しの時の大奥に残った人間模様が描かれていた。大変面白く読んだ。
この『残り者』で、初めて知ったのが大奥の実態だった。巻末の解説に挙げられていたお薦めの本で、大奥で働く様々な女性を描いたお仕事小説『大奥づとめ』も取り寄せて一気に読んだ。
大奥と言えば、将軍をめぐる愛憎劇というイメージだったが、実際は一種の官僚組織で、女性にとって社会的ステータスを上昇させる場でもあったそうだ。
NHKドラマ『大奥』に関連した特別番組を放映していたが、そこで、こんなヒエラルキーが紹介されていた。
また、某新聞にもジェンダーと社会の問題に絡めて、こんな記事があった。
(記事中)大奥の研究は近年進んでいる。仕えていた女中が記した文書が農村部で見つかったり、幕府の公式資料の中の、従来の研究では見落とされてきた記述が注目されたりするようになった。
時代劇にみる大奥は、将軍をめぐる愛憎劇や権力争いが描かれることが多かったようだが(私の知る限りでは…)、今回ドラマや書物との繋がりから、大奥の認識を新たにしたことだった。
ドラマでの徳川吉宗役の富永愛さんがハマり役で、あまりにもカッコよくて惚れてしもた!