新世界より 上・中・下 貴志 祐介 (著) | [ridiaの書評]こんな本を読んだ。[読書感想文]

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すっごい!






構築された世界観、人物造型、グロテスクかつ魅惑的な舞台装置・・・・




なぜ、これまでこの著者の作品に手を伸ばさなかったのだろう?




ふと書店で文庫を3冊衝動買いして二日、この作品世界にのみ込まれていた。


こんなに没頭したのはいつ以来だろう?




帯にある常套句「傑作」の文字がこれほどふに落ちることは珍しい。


こればまぎれもない傑作だ。


































1000年後の日本。豊かな自然に抱かれた集落、神栖66町には純粋無垢な子どもたちの歓声が響く。周囲を注連縄で囲まれたこの町には、外から穢れが侵入することはない。「神の力」を得るに至った人類が手にした平和。念動力の技を磨く子どもたちは野心と希望に燃えていた…隠された先史文明の一端を知るまでは





町の外に出てはならない―禁を犯した子どもたちに倫理委員会の手が伸びる。記憶を操り、危険な兆候を見せた子どもを排除することで実現した見せかけの安定。外界で繁栄するグロテスクな生物の正体と、空恐ろしい伝説の真意が明らかにされるとき、「神の力」が孕む底なしの暗黒が暴れ狂いだそうとしていた。





夏祭りの夜に起きた大殺戮。悲鳴と鳴咽に包まれた町を後にして、選ばれし者は目的の地へと急ぐ。それが何よりも残酷であろうとも、真実に近付くために。流血で塗り固められた大地の上でもなお、人類は生き抜かなければならない。構想30年、想像力の限りを尽くして描かれた五感と魂を揺さぶる記念碑的傑作。