初めての仕事探し | 救済ブログ

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 国家が設立した一億総活躍仕事支援センターに行った。

 そこでは職を探してくれたり、資格などの習得など、仕事に関する有りとあらゆる事を相談出来る国家が運営する公益社団法人だ。

 社会の歯車に、なるなんて真っ平ごめんだ。

 子供の頃から国家に役立つ人材にこそ価値が有り、人々の役に立つことが素晴らしい事だと洗脳教育された。

 そんな国家にとって都合の良い価値観など私にとっては糞食らえだ。

 でも多くの人が、幼少期から植え付けられた価値観に従い、社会に役立つ人が素晴らしいと思い込んでる

 そんな価値観を持った人が多い現代で
素敵なお嫁さんを獲得するには、その世界で成功して上の地位に行くのが一番効率的だ。

 生物は、より良い遺伝子を残すために優れた相手を求める。

 私は、この人だけで一生後悔しないと思える最高の結婚相手が欲しい。

 自分の人生の全てを捧げれる様な伴侶を得る為に、嫌々ながらも社会的地位を獲得する為に、仕事をする事を決めた。

 そして自分の能力を最も活かせる仕事を見つける為に此処に来た。

 此処に来るまで何度も引き返そうと思った。
公園で酒を飲みながら仮初めの地位や金に目が眩む女が、自分にとって理想的な女性とは思えないと感じた。

 良い仕事をしても、それで寄って来る女なんてろくでも無い奴らなんじゃ無いかと感じたし、社会的価値観に従属して生きる事が無駄に思えた。

 それでも、国家が設立した公共機関に行ってみたら何か得る物が有るかもしてないと僅かな望みを託して、強い酎ハイを何杯も呑んで、がっつりとアルコールを決めて重い腰を上げて嫌々ながらも脚を引きずり、この場所にやってきた。


 莫大な予算を投じられて作られたビルの入り口である回転式の電動扉をくぐり中に入った。

 まっさらなスーツを来てネクタイを締めて見た目だけでも社会人を装った。

 受付に初めて来た事を伝え「この世界にどんな仕事が有るのか知りたくて此処に来た」と伝えると仕切りで隔たれた奥の部屋に通された。

 私の他にも2組くらいが相談してる様で、遠くから年配の女性の声で「いきなり仕事をクビになって」と愚痴る声が聞こえた。

 椅子に座って待っていると眼鏡姿で優しそうな50歳位の男性が失礼しますと言って目の前の席に座った

「私が担当する斎藤と申します」と丁寧に挨拶をした。

 あまりの低姿勢に驚いたが私も挨拶した
「佐久間と申します」