版画 浴泉譜(三) 前川千帆 333
版画 浴泉譜 昭和29年10月 龍星閣発行
温泉場の雰囲気を好み
庶人浴泉生活に情趣に興を感ずる事多し
浴泉譜の画業をなす由縁なり
前川千帆 まえかわ せんぱん
明治21年(1888) - 昭和40年(1960) 京都市生まれ
関西美術院に洋画を習う、明治末、東京の新聞社に勤務、
後、雑誌社の仕事を続ける。
昭和になり版画制作に専念。
作品に漫画「あわてものの熊さん」、
版画「浴泉裸婦」など。
四 万 群馬県
四万温泉
群馬県人にはおなじみの上毛かるたで
世のちり洗う四万温泉と読まれている四万(しま)温泉、
一説に名前の由来は、4万の病が治るからだと言われているそうです。
千と千尋の神隠しのイメージのひとつとなったといわれる積善館は
レトロな建物や浴槽で知られています。
城の崎 兵庫県
城崎温泉
城崎温泉というと志賀直哉の短編小説、
城の崎にてが浮かびますが
残念ながら読んだことがありません m(_ _)m
あらすじを読みますと……
東京山手線の電車にはねられ怪我をした主人公が、
養生のために城崎温泉を訪れる……
心境小説と呼ばれる作品らしいです。
日光湯元 栃木県
日光湯元温泉
日光湯元は戦場ヶ原の先、湯ノ湖のほとりにあります。
紅葉の時季に、小田代原から湯ノ川添いに湯滝まで歩いたことがありますが
原は一面の草紅葉で、アップダウンの少ない、なかなか良いコースでした。
川湯 和歌山県
川湯温泉
川湯温泉は、川原を掘れば温泉が湧くことで名付けられたようです。
版画を見ると、なるほど、川の辺りに温泉が湧き出ているようです。
女性らしき人(?)の後ろ姿も見えますので、混浴だったのですかね。
式根島 東京都
地鉈温泉
式根島は伊豆七島の一つで
東京を22時の船でたつと翌朝の9時頃着きます。
文中にある「日奈太の湯」ですが、
海水の中から湧く温泉とあるので
地鉈温泉(じなたおんせん)のことではないかと思います。
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版画 浴泉譜(一)前川千帆
昭和29年10月 龍星閣発行 ひなびた温泉場を尋ねる版画集
収録温泉地:湯涌・龍神・栃の木・白骨・温泉津
133 版画家
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版画 浴泉譜(二) 前川千帆
戦前の温泉地風景を版画で紹介
収録温泉地:浅間・会津湯の上・三朝・伊香保・指宿・白浜
315 版画家
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