2008-07-14 16:44:27
「FGFとは?」---シリーズ②---
テーマ:FGF
今日は前回に引き続き、リルジュに配合されている細胞活性化成分について、田村さんにご説明いただきます。
シリーズ②「FGFとは?」をお届け致します。
―――それでは早速、FGFとは何ですか?
田村さん FGF(Fibroblast Gtowth Factor)とは、元々体内に存在する成長因子で、「繊維芽細胞増殖因子」と呼ばれています。
他のグロスファクターよりも、かなり難解なのがFGFです。みなさん飽きずについてきてくださいね。
FGFは種類が多く、23種類もあることが知られています。また、それを受け取るFGF受容体も4種類あります。さらに困ったことに、それぞれのFGF・FGF受容体ともに、数多くの変性体があります。それぞれが微妙な調整を行いながら、細胞が損傷した場合それを回復して元の状態を維持するために働いています。
※このことを恒常性=ホメオスタシスといいます
―――FGF、の基本的な働きとしては、細胞が損傷するたびにそれを元通りに治そうと、柔軟に恒常性を保っているということなんですね。
田村さん その通りです。ただ、そういってしまうと、至極簡単なようですが、考えてみて下さい。人の体は様々な細胞から成り立っていますよね。血管内皮細胞が損傷したら血管内皮細胞を、神経細胞が損傷したら神経細胞を、しかも元のレベルに再生しなければなりません。
前回、EGFの回で、EGFが細胞表面にあるEGF受容体に受け入れられることで、細胞に指令が飛ぶ、という話をしましたね。FGFも基本は一緒ですが、似たような構成のグロスファクターをFGFという名前で包含しているんですね。FGFとは一種類のたんぱく質を示すものではなく、FGF一家の名称なわけで、その中身は多様性に富んでいます。
―――FGFの働きは、細胞の損傷を元通りに治していく働きだけではないのですね。FGFの働きは、他にどのようなものがあるのでしょう?
田村さん 最初に23種類ほど知られており、それぞれの変性体がある、という話をさせていただきましたが、種類も多いだけにFGFファミリーの働きは多岐にわたります。
実際、よくわかっていない部分も多いのです。すでに仕組みが明らかになった部分についても、その研究の多くがシャーレの中でのものであり、「生体内部での働きを正確に反映したものである」という保証が必ずしもあるわけではない、ということも前提として知っておかなければなりません。
FGFファミリーはみな、細胞表面に貼りついているヘパリンというアミノ基や硫酸基を含む糖鎖状物質と親和性が高いのが特徴です。
このことは、FGFが作られた細胞の近傍にとどまる可能性を高め、機能を及ぼす範囲を限定的にするとともに、FGF受容体への受け入れ反応にもよい影響を及ぼしています。
たとえば損傷を受けた細胞で作られたFGFは、その近傍のみに影響を及ぼしやすくなり、限定的に効率よく働くことができます。
結局、私たちの体は、「23種のFGFとその変性体・4種のFGF受容体とその変性体」の無数の組み合わせを制御することにより、いつ、どこで、どの細胞を、どれくらい活性化させるか、の指令を出して恒常性(ホメオスタシス)を実現しているわけですね。
次に、最も基本的なFGFと考えられるFGF-1およびFGF-2について、詳細に見ていき、FGFとFGF受容体がどのように制御されているのかについて見ていきましょう。
FGF-1は、aFGFとも呼ばれています。aFGFのaは「acidic=酸性」を示し、(pH=5.5~6.0)140のアミノ酸からなっています。
しかし、aFGFを作るとき、スプライシング(DNAからmRNAに読み取った情報を編集すること)時の違いから、アミノ酸基134~155までの変性体が存在します。これらは、ヘパリンや各FGF受容体に対する相性が違います。EGFのときにお話したジスルフィド結合は含んでいません。
FGF-2は、bFGFとも呼ばれています。bFGFのbは「basic=塩基性」を示し、(pH=9.6)155のアミノ酸からなっています。
これらはケラチン細胞、繊維芽細胞、血管内皮細胞などを再生する働きがあります。
グロースファクターは、細胞膜にめり込んだ受容体たんぱく質に受け入れられ、それが引き金となって細胞の核にまで情報が伝わる、という話を以前しましたね。
また、最初にも申しましたが、基本的にFGFの受容体は4種類存在します。(FGFR1~FGFR4)それぞれが、体内で異なった分布をしており、FGFを受容したときの反応も異なります。またそれぞれのFGF受容体にもスプライシングによる変性体が存在し、グロースファクターとの相性も異なります。変性の話は、複雑なので、受容体タンパクの違いについて、相性の違いによる効果を見ていきましょう。
FGF受容体1(以下FGFR1)は、生体組織の間葉(皮膚や臓器に属さない部分)に、より多く存在します。aFGF、bFGFともによく受け入れますが、受容したあとの活性となるとbFGFの方が50~100倍高いといわれています。
一方、FGF受容体2(以下FGFR2)は、上皮により多く存在します。aFGFとは反応しますが、bFGFとは、反応しないのです。
このことは、わたしたちがFGFを活用する上で、大きな示唆を与えてくれます。
たとえば、創傷を受けたときは、肌の内部が露出するわけですから、受容体の分布を気にする必要はなく、活性の高いbFGFを選ぶのが効果的です。
しかし、美容液に用いる場合は異なります。肌の浅い領域にはFGFR2がメインに存在しているのわけですから、bFGFを塗っても反応しませんから、活性はマイルドでもaFGFを用いるのが適しています。
―――受容体の分布によって、使用するFGFを使い分けなくてはいけないのですね。
田村さん そうなんです。「活性が高いから」という理由でbFGFを使っていれば良いというものでもないんですよ。FGFにも適材適所があるんです。
またFGFは、EGFにはない血管新生(Angiogenesis)や創傷治癒(wound healing)の働きを持っており、痛んだ肌を癒してくれるのです。
ーーーご説明、ありがとうございました。他のグロスファクターに比べ、FGFはやはりかなり難解ですね。
皆さん、あきらめずに何度も読み返してみて下さいね。また、些細な事でも結構です、ご質問がございましたらinfo@reruju.comまで、お気軽にご連絡ください。
田村さん 化粧品はどうしてもイメージが先行しがちです。自分でご使用されている化粧品の内容成分をご存じない方もたくさんいらっしゃると思います。
ですが、化粧品は直接お肌にものです。この機会に、どんなものが配合されているのか、危険な物は使用されていないか、ご自分の使われている化粧品をぜひチェックしてみて下さい。
次回はシリーズ③「IGFとは?」をお届け致します。
シリーズ②「FGFとは?」をお届け致します。
―――それでは早速、FGFとは何ですか?
田村さん FGF(Fibroblast Gtowth Factor)とは、元々体内に存在する成長因子で、「繊維芽細胞増殖因子」と呼ばれています。
他のグロスファクターよりも、かなり難解なのがFGFです。みなさん飽きずについてきてくださいね。
FGFは種類が多く、23種類もあることが知られています。また、それを受け取るFGF受容体も4種類あります。さらに困ったことに、それぞれのFGF・FGF受容体ともに、数多くの変性体があります。それぞれが微妙な調整を行いながら、細胞が損傷した場合それを回復して元の状態を維持するために働いています。
※このことを恒常性=ホメオスタシスといいます
―――FGF、の基本的な働きとしては、細胞が損傷するたびにそれを元通りに治そうと、柔軟に恒常性を保っているということなんですね。
田村さん その通りです。ただ、そういってしまうと、至極簡単なようですが、考えてみて下さい。人の体は様々な細胞から成り立っていますよね。血管内皮細胞が損傷したら血管内皮細胞を、神経細胞が損傷したら神経細胞を、しかも元のレベルに再生しなければなりません。
前回、EGFの回で、EGFが細胞表面にあるEGF受容体に受け入れられることで、細胞に指令が飛ぶ、という話をしましたね。FGFも基本は一緒ですが、似たような構成のグロスファクターをFGFという名前で包含しているんですね。FGFとは一種類のたんぱく質を示すものではなく、FGF一家の名称なわけで、その中身は多様性に富んでいます。
―――FGFの働きは、細胞の損傷を元通りに治していく働きだけではないのですね。FGFの働きは、他にどのようなものがあるのでしょう?
田村さん 最初に23種類ほど知られており、それぞれの変性体がある、という話をさせていただきましたが、種類も多いだけにFGFファミリーの働きは多岐にわたります。
実際、よくわかっていない部分も多いのです。すでに仕組みが明らかになった部分についても、その研究の多くがシャーレの中でのものであり、「生体内部での働きを正確に反映したものである」という保証が必ずしもあるわけではない、ということも前提として知っておかなければなりません。
FGFファミリーはみな、細胞表面に貼りついているヘパリンというアミノ基や硫酸基を含む糖鎖状物質と親和性が高いのが特徴です。
このことは、FGFが作られた細胞の近傍にとどまる可能性を高め、機能を及ぼす範囲を限定的にするとともに、FGF受容体への受け入れ反応にもよい影響を及ぼしています。
たとえば損傷を受けた細胞で作られたFGFは、その近傍のみに影響を及ぼしやすくなり、限定的に効率よく働くことができます。
結局、私たちの体は、「23種のFGFとその変性体・4種のFGF受容体とその変性体」の無数の組み合わせを制御することにより、いつ、どこで、どの細胞を、どれくらい活性化させるか、の指令を出して恒常性(ホメオスタシス)を実現しているわけですね。
次に、最も基本的なFGFと考えられるFGF-1およびFGF-2について、詳細に見ていき、FGFとFGF受容体がどのように制御されているのかについて見ていきましょう。
FGF-1は、aFGFとも呼ばれています。aFGFのaは「acidic=酸性」を示し、(pH=5.5~6.0)140のアミノ酸からなっています。
しかし、aFGFを作るとき、スプライシング(DNAからmRNAに読み取った情報を編集すること)時の違いから、アミノ酸基134~155までの変性体が存在します。これらは、ヘパリンや各FGF受容体に対する相性が違います。EGFのときにお話したジスルフィド結合は含んでいません。
FGF-2は、bFGFとも呼ばれています。bFGFのbは「basic=塩基性」を示し、(pH=9.6)155のアミノ酸からなっています。
これらはケラチン細胞、繊維芽細胞、血管内皮細胞などを再生する働きがあります。
グロースファクターは、細胞膜にめり込んだ受容体たんぱく質に受け入れられ、それが引き金となって細胞の核にまで情報が伝わる、という話を以前しましたね。
また、最初にも申しましたが、基本的にFGFの受容体は4種類存在します。(FGFR1~FGFR4)それぞれが、体内で異なった分布をしており、FGFを受容したときの反応も異なります。またそれぞれのFGF受容体にもスプライシングによる変性体が存在し、グロースファクターとの相性も異なります。変性の話は、複雑なので、受容体タンパクの違いについて、相性の違いによる効果を見ていきましょう。
FGF受容体1(以下FGFR1)は、生体組織の間葉(皮膚や臓器に属さない部分)に、より多く存在します。aFGF、bFGFともによく受け入れますが、受容したあとの活性となるとbFGFの方が50~100倍高いといわれています。
一方、FGF受容体2(以下FGFR2)は、上皮により多く存在します。aFGFとは反応しますが、bFGFとは、反応しないのです。
このことは、わたしたちがFGFを活用する上で、大きな示唆を与えてくれます。
たとえば、創傷を受けたときは、肌の内部が露出するわけですから、受容体の分布を気にする必要はなく、活性の高いbFGFを選ぶのが効果的です。
しかし、美容液に用いる場合は異なります。肌の浅い領域にはFGFR2がメインに存在しているのわけですから、bFGFを塗っても反応しませんから、活性はマイルドでもaFGFを用いるのが適しています。
―――受容体の分布によって、使用するFGFを使い分けなくてはいけないのですね。
田村さん そうなんです。「活性が高いから」という理由でbFGFを使っていれば良いというものでもないんですよ。FGFにも適材適所があるんです。
またFGFは、EGFにはない血管新生(Angiogenesis)や創傷治癒(wound healing)の働きを持っており、痛んだ肌を癒してくれるのです。
ーーーご説明、ありがとうございました。他のグロスファクターに比べ、FGFはやはりかなり難解ですね。
皆さん、あきらめずに何度も読み返してみて下さいね。また、些細な事でも結構です、ご質問がございましたらinfo@reruju.comまで、お気軽にご連絡ください。
田村さん 化粧品はどうしてもイメージが先行しがちです。自分でご使用されている化粧品の内容成分をご存じない方もたくさんいらっしゃると思います。
ですが、化粧品は直接お肌にものです。この機会に、どんなものが配合されているのか、危険な物は使用されていないか、ご自分の使われている化粧品をぜひチェックしてみて下さい。
次回はシリーズ③「IGFとは?」をお届け致します。







