氷菓 10話 万人の死角 セリフ | タイトルは “くぉてーしょん城” 

タイトルは “くぉてーしょん城” 

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氷菓 10話 万人の死角 セリフ



<喫茶 一二三>

店員
ごゆっくり

入須
何か?

奉太郎
あ いや 茶というのが本当にお茶だとは思いませんでした

入須
安心して 払いはもつよ

奉太郎
はあ

入須
中城はだめだったのか 羽場も

奉太郎
はい

入須
では沢木口も

奉太郎
無理だと思います

入須
はあ そうか

奉太郎
残念ですが

入須
社交辞令ならいらない 

奉太郎
・・・

入須
では聞かせて欲しい 彼らのどこがまずかった 

奉太郎
まず 中城先輩の案ですが



奉太郎
だから 沢木口先輩の案も採れないと思いました

入須
そうか 中城の案を否定したのは誰だった?

奉太郎
俺です

入須
では 羽場と沢木口についても 

奉太郎
そうです

入須
君は最初 私があの事件を解いてくれといったとき 妙な期待は困るといったな けれど君は中城達の案をことごとく葬った 私が内心そうなると思ったとおりに

奉太郎
思ったとおりに・・

入須
彼らは結局器 じゃない あの問題を解くのに必要な技術が彼らに無いことは最初から判っていた 

奉太郎
あれは茶番ですか なら

入須
無論 彼らが無能だとは言わない 得がたい技能をもっている だが だからといって それが今回の難局に役立つわけではない

奉太郎
だったら

入須
もし君が もし君がいなければ 私たちは彼らの案のどれかを採用し 結局企画は最悪の形で失敗しただろう

奉太郎
冷徹ですね それに非情だ

入須
必要ならそうする だが期待する人物なら一人いる 

奉太郎
・・・

入須
私はその人物の力を三人から聞いていた 一人は千反田える 一人は学外の人間 そしてもう一人はとうがいとうまさし その人物ならあのビデオの探偵役を務められるかもしれない そうおもっていた 最初から君が目当てだった 古典部などではなく 折木君 私は君がこれまでのいっけんで君自身の技術を証明したと考える

入須
君は 特別よ 



入須
君は 特別よ そこでもう一度頼みたい 折木君 どうか2年F組に力を貸して あのビデオの正解を見つけて欲しい 

奉太郎
俺に技術など ただ運が良かっただけです

入須
歯がゆいな では一つ 話をしよう 座興と思って聞いて欲しい とある運動部に 補欠がいた 補欠はレギュラーになろうと極めて激しく努力したが レギュラーには成れなかった そのクラブには その補欠よりもずっと有能な人材がそろっていたから その中でも 天性の才の持ち主がいた もちろん補欠の技量とは天と地の開きがあった 彼女はある大会で非常に優れた活躍をし MVPにもえらばれた インタビュアーが彼女に聞いた 大活躍でしたね 秘訣は何ですかと 彼女はこう答えた ただ運が良かっただけです 

奉太郎
・・・

入須
この答えは その補欠にはあまりに辛らつに響いたとおもうけど どう?

入須
誰でも自分を自覚するべきだ でないと 見ている側がばかばかしい

奉太郎
《俺は 特別なのか 俺は俺自身を本当に正しく 見積もっているのか 信じて いいのだろうか》

奉太郎
ハア 入須先輩 俺は



<商店街>

里志
めずらしいね 奉太郎が休日の学校に自発的にいくなんて 何か用でも?

奉太郎
俺は用が無いと学校にも行けないのか

里志
いいや ただ そぐわないねえ

奉太郎
入須先輩から勅令を受けた 海藤殺しの犯人を特定する

里志
へえ まさかね 奉太郎が?

奉太郎
折木奉太郎は 義にあつく情が深いんだ

里志
よく聞こえなかったよ もう一回

奉太郎
ふん

里志
でもずいぶんな 心境の変化だね 今度も原因は千反田さんかい?

奉太郎
いや

里志
じゃあ どんな理由が? やらなくてもいい事ならやらない それが奉太郎のモットーじゃないか

奉太郎
里志 ・・ 

里志


奉太郎
おまえは お前にしか出来ない事があると思うか?

里志
・・・ ないね

奉太郎
ない?

里志
いわなかったっけ 僕には才能が無いって 例えば 僕はシャーロキアンに憧れてる でも 僕はそれにはなれないんだ 僕には 深遠なる知識の迷宮に とことん分け入っていこうという気概が 決定的に欠けている もし摩耶花がホームズに興味を傾ければ 保障していい 3ヶ月で僕は抜かれるね 色んなジャンルの玄関先をちょっと覗いて パンフレットにスタンプを押して回る それが僕に出来るせいぜいのことさ 第一人者にはなれないよ ・・ わかったよ 入須先輩に乗せられたね ところが やっぱり危ぶむわけだ 自分の素質を 

奉太郎
お前は疑わないな 自分を

里志
まあね 僕は先にいってるよ 摩耶花も学校に来てる筈だから声をかけとく 

奉太郎
里志

里志
ん?

奉太郎
お前がどう思ってるかは知らんが 俺はお前をもう少し高く買うぞ なろうと思えば おまえはいつか日本でも指折りのシャーロキアンになれると思う 

里志
シャーロキアンより心惹かれるものは いくらでもあるさ それにしても うらやましい限りだね 全く 



<地学準備室>

摩耶花
な 夏休みなのに折木が自主的に学校に来るなんて!

奉太郎
来たら悪いか

摩耶花
悪いわ 天変地異の前触れみたいで 気持ち悪い 

奉太郎
・・ 謎解きをする気になってな

摩耶花
あんたが? なんで ん ははん さては入須先輩になにかたらしこまれたわね 

奉太郎
・・

里志
摩耶花かも鋭いね

奉太郎
まあいい それより 昨日はあれからどうだった 

摩耶花
ちいちゃんのこと? どうにか帰れたみたいだけど 今朝電話してみたら 二日酔いで寝込んでたわ 

奉太郎
あぁ

里志
それは レアケースだね こほん まあとにかく あの映画をもう一度見てみようよ 



摩耶花
やぱりこの 海藤先輩の腕は見事よね ちゃんと腕に見えるもん 

里志
結局 一番有能だったのは 小道具班だったのかな  



里志
やっぱり そんなにたいしたトリックには見えないけどな

奉太郎
ああ 難しいものを簡単そうに見せている

摩耶花
違うわよ

奉太郎


摩耶花
これが簡単そうに見えるのは そうしくまれたからじゃないわ 

奉太郎
なら?

摩耶花
私が思うにね このビデオが映像としてつまらなくて 見る人の興味をそそらないから謎が引き立たないのよ 

奉太郎
ほお



里志
確かにね ぼくも初見では これが密室殺人だとしばらく気づかなかった くらいだよ その方面の演出が弱いからね 

奉太郎
例えば?

里志
カメラワークが悪い

摩耶花
そう それ 

奉太郎
なら 伊原ならどう撮る?

摩耶花
私なら? そうねえ ・・ 例えば ここよ ここ もっと引いたところから 登場人物と館内を一緒に映したほうが 効果的じゃない? 

里志
確かに

摩耶花
それから こことか 

摩耶花
ここ 杉村先輩の視点から撮った方がロビーが監視下にあったってわかり易かったと思う カメラがロビーから見上げてちゃ 観客につたわらないでしょう えっと 他にはねえ

奉太郎
・・

里志
ごめん もういいよ 

摩耶花
どうして

奉太郎
切りが無い

摩耶花


奉太郎
映像のまずさにケチをつけてもはじまらん 

里志
まあまあ ちょっと検討してもいいかもね 

山内
見つけたぞ 福部!

里志
うわ あ

山内
こんなところで 油売りやがって 

里志
いやあ 山内君 ようこそ ちょっと 乱暴はよしたまえ 

山内
俺はお前のためを思ってやってるんだ 

里志
でも ぼくにもいろいろとやるべきことが 

山内
馬鹿 オミチは本気だぞ 進級できなくなってもいいのか?

奉太郎
里志よ 補習なら受けたほうがいいぞ 

里志
で でも 本郷先輩の謎解きも大事だよ 奉太郎 今すぐちょいちょいと 片付けてよ 

山内
何 わけわからんこと 言ってるんだ 

里志
いやあ これはね いやだあ 僕はあの秘密を 密室が 

摩耶花
いっちゃった

奉太郎
馬鹿かあいつは

摩耶花
戻ってきた 

里志
無念だ 奉太郎 ままならぬは 世間のしがらみだよ かくなる上は

山内
福部!

里志
このメモ帳を僕だと思って くれ

山内
ほら いくぞ

里志
いや わかってるって  いくって

奉太郎
まったく

摩耶花
さてと 私もいかないと 

奉太郎
そうか

摩耶花
なによ その目は 私は 入須先輩ならともかく あんたを手伝う気はないんだから 

奉太郎
さいで  

摩耶花
図書当番よ こんなことになるって分かってたら あらかじめ予定を空けておいたのに いきなり言い出すあんたがわるいのよ でも ごめんね 折木 



奉太郎
《さて》



奉太郎
そうか これが 本郷の 真意だ 



処暑 陽気とどまりて、 初めて退きやまんとすれば也



奉太郎
どうぞ

入須
まず聞きたい 結論はでたか  

入須
そう では聞こう 

奉太郎
はい あの謎のキーになるのは 言うまでも無く 密室です 海藤が いえ 海藤先輩が死んでいた部屋には あのメンバーの誰も入れなかったし でることもできなかった 

入須
先輩はなくてもいい 

奉太郎
上手袖は密室です 

奉太郎
唯一外とつながる窓もこの状態です となると 犯人はドアから出入りしたとしか 考えられません ではどうやってか あのドアに物理的トリックがあるかどうか 映像からはわかりません ならば 犯人はマスターキーを持って出入したと考えるのが一番妥当です しかし ロビーは杉村の監視下にあります そのため犯人は右側通路にすら入れません これが第二の密室です 事務室でマスターキーを入手し それから右側通路に入れる人間は 六人の中にはいません それならどういうことになるか 六人の中に犯人がいないのなら結論は一つ あの場には 七人目がいたんです 

入須
七人目? 沢木口のいうように?

奉太郎
はい これを思いついたときはずいぶん荒唐無稽だと思いましたが 沢木口によると本郷は七人目の登場人物をさがしていたそうです それを思い出して俺は確信しました でも本郷はあの脚本をフェアに書いたということです 突然現れた怪人とは考えられません ところで 映像に奇妙な点が何点かありました 里志がそのことをかいています 

奉太郎
鴻巣 見取り図を見つける 照明当たる 懐中電灯と思われる もう一箇所 海藤を探しにいくところです 通路暗し 光量不足 懐中電灯使われる 

入須
懐中電灯か 

奉太郎
そうです そして登場人物の誰も懐中電灯をもってはいないんです 懐中電灯の光が当たったシーンの直後 例えば 事件現場突入直後なんかの映像を見れば はっきりわかります 懐中電灯を隠す時間はありましたが そうする合理的理由はないでしょう わかります あれは 照明だといいたいんでしょう? でもまずはこの件を覚えておいてください もう一つ 映画好きの奴の言葉ですが気を悪くしないでください 

奉太郎
あの映画はつまらなかった 演出が悪い 特にカメラワークは全然工夫が無かったと けれど もし それも理由のあることだったら? この映画 カメラマンは常に六人と同じ立ち位置から撮影していました もう解かったとおもいますが  

入須
まさか 君は カメラマンが第七の人物だというつもりか?

奉太郎
彼らは最初から七人だったんです 画面に出てくる六人と カメラでそれを撮影している一人の 計七人 見てください ところどころで役者がカメラを気にする場面が出てきます 

奉太郎
彼らはそこにいるカメラマンを意識していたんです カメラマンというと語弊がある 七人目と言いましょうか 懐中電灯の照明については それを持つ人物がいると考えても不自然じゃない カメラワークの下手さも 彼があちこちから同時に一つのシーンを撮る事が出来ない存在 つまり役者だからと考えればうなずけます 

奉太郎
そして これが重要なんですが メンバーが劇場内部に散ったとき カメラは誰もいなくなるまで ロビーにありました そしてシーンがアウトした つまり一時的にカメラが止められた後 カメラはロビーで 戻ってくるメンバーを待っていたんです ゆえに犯行は簡単です 七人目は全員が劇場内に散るのを待ち 手に持ったカメラを止めると 速やかに事務室のマスターキーを入手 海藤を殺した後 それを使って部屋を閉じます そしてロビーで他のメンバーが戻ってくるのを待ったんです 

奉太郎
以上が結論です 本郷が七人目の役者をまだ選んでないのなら 
早急にそれを用意することをお勧めします 

入須
二つある まず一つ もしそうなら 七人目が一言もしゃべらず 声もかけられないというのは 不自然ではないか?  

奉太郎
本郷はそれを動機にしたのかも知れません 七人目は他の六人に無視される存在でした 彼はそれゆえ自分から口を開くことも出来なかった 

入須
もう一つ もしそうならば 劇中の彼らは 遠からず結論にたどり着けるはず ずっとロビーにいた七人目を疑わないものは無い さらに君の言う 第二の密室は破られていない 七人目の移動する姿は 囚人看守のもとにあったと推定できる それなら 犯人はすぐわかると思うが 

奉太郎
うん

入須


奉太郎
沢木口の言葉を借りましょう 別にいいでしょう それくらい 

奉太郎
登場人物には解かりきったことでも かまわない 観客が謎に悩みさえすれば それだけでいいと思いませんか? だからあの脚本には探偵役がいないのかもしれない 作中の奴らには推理する必要も無く 犯人は明らかだからです 



入須
おめでとう

奉太郎
は?

入須
君は本郷の謎を解いたようだな まったく驚くべき大胆な発想だが 全ての事実に一致する以上 それが正しいことは間違いない 

入須
そして ありがとう これで映画は完成する 

入須
やはり私の目に 狂いは無かったようだ 君には技術があった 他の誰にもない力が 

奉太郎
あ いや ま その 恐縮です 

入須
どうだろう あの映画のタイトルをつけてみないか 

奉太郎
タイトル?

入須
即興でいい 君が考えてくれれば みんなも喜ぶと思うのだが 

奉太郎
はあ そうですね 内容に則して 万人の死角というのはどうでしょう 

入須
ウン いいタイトルだ それに決めよう

☆ 

奉太郎
《ホームラン!》



三年生の皆さんは・・・

十月には文化祭もありますので・・

<地学準備室>

メモ
映画の試写会 視聴覚室で上映するそうです。 先に行ってます。 千反田 

<視聴覚室>

鴻巣友里
やっぱり 誰もあの部屋に 近づけたとは思えない 

杉村二郎
そうだな ただ一人 お前を除けばだが 

勝田竹男
お前がやったのか

山西みどり
あんたがやったの

瀬之内真美子
なんてことを

勝田竹男
おまえなんでこんな

山西みどり
そうよ

女子生徒
びっくりしたよね

勝田竹男
おいまてよ

杉村二郎
にげるのか

瀬之内真美子
かんねんしなさい

奉太郎
おお



男子生徒
ほんとにすごいラストだったなあ ほんとまさかカメラマンとはねえ

奉太郎
《リアル海藤だ》

中城順哉
よお 聞いたよ 結局 お前が考えてくれたんだってな

奉太郎
ええ まあ

中城順哉
いやあ あの落ちは 驚いた 文句なしだ

奉太郎
はあ

沢木口美崎
やあ 名探偵君! 

奉太郎
名探偵って 

沢木口
やってくれるじゃん まあ 七人目がばれたところで 凶暴化して 全員に襲いかからなかたのは 残念だけどね 

奉太郎
はあ  

中城
ま とにかく ありがとな 

沢木口
それじゃあ

奉太郎
はい

沢木口
しっかし中城

中城
なんだい

沢木口
脇汗すごいね

羽場
ちっ

奉太郎
どうやら 羽場はお気に召さなかったようだ 

里志
奉太郎 見たよ 

奉太郎
どうだった

里志
うん 悪くない 面白かったよ まさかカメラマンとはね

摩耶花
この前のときに もうこんなこと 考えてたの?

奉太郎
あの時は考え付いてなかった 

                                    
摩耶花
そう

奉太郎
《? なんだ あまり驚いていないな》

里志
さすが 奉太郎といったところだね 

摩耶花
そうね くやしいけど 

奉太郎
《まあ こんなものか》

える
折木さん

奉太郎
ああ

える
私 ええと 後で です

里志
まあ 上出来だよ 奉太郎 女帝も満足 映画は完成 この意外性なら観客も楽しんでくれそうだ 

摩耶花
折木 ちょっと聞きたいんだけど 

奉太郎
なんだ おいおい

摩耶花
あの解決は 折木が出したのよね? 

奉太郎
そうだが

摩耶花
全部?

奉太郎
たぶん 

摩耶花
じゃああんたは羽場先輩の言った事をどう考えたの?

奉太郎
羽場の?

摩耶花
あの ・・ あの映画の中にはどこにもザイルが出てこなかったわよ 

奉太郎
ああ! 



Why didn't she ask EBA ?


<キャスト>
折木奉太郎 中村悠一
千反田える 佐藤聡美
福部里志  阪口大助
伊原摩耶花 茅野愛衣

入須冬実  ゆかな

海藤武雄  小西克幸
杉村二郎  入野自由
山西みどり 小清水亜美
瀬之内真美子 広橋涼
勝田竹男  秦勇気
鴻巣友里  茅原美里
ナレーション 川原慶久

中城順哉  近藤孝之
羽場智博  阿部敦
沢木口美崎 伊瀬名茉莉也
山内     寺島拓篤
女子生徒 悠木碧 近野明日香
男子生徒 宮下栄治 会一太郎