氷菓 6話 大罪を犯す セリフ | タイトルは “くぉてーしょん城” 

タイトルは “くぉてーしょん城” 

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氷菓 6話

大罪を犯す

<教室>

教師
えーこのように 貴族共和制のもとでは貴族が重要な官職を独占しており 当時のローマではパトリキと呼ばれる貴族とブレブスと呼ばれる平民や中小農民の・・

奉太郎
退屈だ

教師
2つの身分の差がはっきりしていたわけです えー2名のコンスルやリクタトル そして300人の元老委員議員はすべて貴族から選ばれていて 元老院は最高の立法諮問機関で議員の任期は 



生徒
今のA組? オミチ先生?

生徒
うん たぶん

生徒
やっぱA組だよ どうしたんだろう

生徒
さあ またオミチが切れてるんじゃない?

奉太郎


える
オミチ先生・・・・もう一度 よく確認してください

奉太郎
千反田か?

教師
えー はいでは 授業を再開しますよ えっとどこだったかな 元老院のとこかな 元老院は最高の立法諮問機関で



<地学準備室>

摩耶花
そもそも福ちゃんがやるって言い出したことじゃない

える
摩耶花さん あの 落ち着いてください 

摩耶花
ちいちゃんはだまってて 理由があったかもしれないけど どういいうことなの?

える
そうだ摩耶花さん クッキー食べませんか?

摩耶花
だいたい連絡ぐらいあったって当然じゃない 別にキャンセルしたっていいのよ ちゃんと連絡さえくれたら 携帯もってたんでしょ? わかってんの? 

える
えっと じゃあ 牛乳かってきましょうか?

摩耶花
私だけの問題ならともかく 何よその顔は ちゃんと聞きなさいよ 自分の立場わかってるの? 

奉太郎
《無謀な人間 千反田える 》

摩耶花
私に謝ればすむって問題じゃないのよ 

奉太郎
《 どうにもならん》

摩耶花
だいたい福ちゃんはよく気がつくくせに 根本的なところで やさしさがひとかけら足りないのよ どうなるかわかってて何もしなかったんでしょう あれから雨は降るし風は吹くし雷は落ちるし 最後は雹まで落ちてきて どうせ直接会っても気づかなかったんでしょうけど! 私だって一応服ぐらい選んでいったのに! いきなりズタボロよズタボロ! それもこれも元をたどれば福ちゃんのせい

奉太郎
疲れないか

摩耶花
・・疲れた

奉太郎
一休みしろよ

摩耶花
そうする

奉太郎
《お前を助けたかったわけじゃない》

里志
いやあ それにしてもよく怒るね ストレス発散になるだろう?

摩耶花
福ちゃんがもっとまともなら 怒る前にストレスもたまらないんだけどね 

里志
まあでも 少しは千反田さんを見習ったほうがいいよ 怒ったところを見たことがない

える
えっ 怒らないというなら 私 福部さんのおこったところも折木さんの怒ったところも 見たことがありませんけど 

摩耶花
福ちゃんはおこるわよ

奉太郎
里志は怒るぞ 

える
えっ そうなんですか?

里志
まあねえ 摩耶花ほど気持ちよくは怒れないけど ときどきはね

える
福部さんが怒ったところは想像できませんけど

里志
まあ 人間だからね怒ることもあるよ 

える
そうなんですか

奉太郎
《見栄を張って誰彼かまわず感情を出すことをしないだけだろう》

摩耶花
怒ってもあんまり怖くないけどね

里志
怖くない? なめられてるなあ

える
ちょっと気になるかも しれません

里志
げっ

奉太郎
《そのうち千反田が里志を怒らすためだけに策を弄することが あるかもしれないな 期待しておこう》

える
折木さんも怒るんですか?

摩耶花
フン 折木が怒るわけないじゃない

える
温厚だからですか?

摩耶花
怒ることも満足にできない 人間として寂しいやつだから

奉太郎
《おい いくらなんでもそれはひどくないか あ ほら 怒れた》

里志
奉太郎の感情欠陥はともかく やっぱり千反田さんの怒らないっぷりは一味違うよ 寛容とというか 摩耶花も千反田式に もうすこしおだやかになってもらいたいね

摩耶花
そういわれても なろうとしてなれる話じゃないでしょう? ちいちゃんの真似なんてできないわよ

える
あのう 私誉められてませんよね

摩耶花
どっちかっていうと褒めてるかも

奉太郎
評価しているだけで いい悪いはいってない

里志
いやいや 怒れないのはおいといて 怒らないってのはそれだけで美徳だよ なにせ憤怒は重大な罪だ 摩耶花にもお手柔らかにしてもらわないとね

摩耶花
罪?

える
七つの大罪ですね

里志
そう さすが千反田さん ポピュラーな話だから 摩耶花も聞いたことあるだろう 

摩耶花
ああそれならさすがに知ってる

奉太郎
罪は百八じゃなかったか

里志
それは煩悩だよ

奉太郎
さいで

里志
えっと 憤怒 傲慢 大食 強欲 ・・ ん

える
嫉妬 色欲 怠惰 ですね

里志
それだ

摩耶花
怠惰ねぇ

奉太郎
《なぜおれを見る》

摩耶花
じゃあちいちゃん完璧じゃない

える
えっ

摩耶花
真面目だし あんまり食べないし

える
そんなことは

里志
欲深とはとても思えないし 勤勉だしね

える
あの

摩耶花
それにその エッチでもないし

える
だから

里志
嫉妬するかどうかは 知りようもないけどさ 

奉太郎
《もはやこの二人 褒めてるよいうより 完璧からかってるな》

摩耶花
嫉妬もしなさそうだよね

える
もうやめましょう それにわたし おなかがすいたらよく食べます!

奉太郎
《あたりまえだ》

摩耶花
もう セントえるってかんじよね

里志
チタン ダエル ってなんか天使にいそうじゃない?

摩耶花
ウリエル ガブリエル チタンダエルって

える
やめてくださいってば

摩耶花
怒った

里志
ていうか しかられたね

摩耶花
ゴメンゴメン ちいちゃん

える
もう知りません

摩耶花
ほら 福ちゃんのせいでちいちゃん怒っちゃったじゃない

里志
摩耶花だってノリノリだったじゃないか

える
私 怒らないことが いいことだとは思いません

える
だって ほかの大罪もそうでしょう 

える
傲慢や強欲だって 大事だと思うんです

里志
例えば?

える
傲慢なところがまったくない方というのは 自信のない方のことじゃないでしょうか 誰からも強欲と言われない方は きっと家族を養うことも難しいんじゃないでしょうか 世界中の方がだれにも嫉妬しなければ 新しい技術はうまれなかったんじゃないでしょうか 

える
あ あの 聞き入るほどのことではないと思いますが

里志
うーん なるほど 面白いね

奉太郎
つまり 程度の問題だと?

える
大罪という言葉だけを持ってきて そのまま私たちの生活にあてはめることはできないと思っているだけです

摩耶花
じゃあ ちいちゃんは怒ることも悪くないって思ってるの?

える
そうですね どんなことにも怒れないとしたら たぶん何も好きになれないんじゃないでしょうか

奉太郎
《俺はおこれるぞ》

摩耶花
そう思ってるなら ちいちゃんが怒らないのはなんで

える
疲れるからです 疲れることはしたくありません



里志
ち 千反田さんが奉太郎に毒された なんてこった妖怪が神山高校を徘徊してる 省エネ主義という妖怪が

摩耶花
ちいちゃん目を覚まして ちいちゃん

奉太郎
《こいつら言いたい放題だな》

える
冗談です

える
冗談です

奉太郎
《冗談か せっかく心の友を見つけたと思ったのに 》

える
すみません できごころで 

える
怒らないわけじゃありません 私だって怒ります そうですね 例えば

える
食べ物を粗末にされると怒ります 米の一粒は汗の一滴なのです 

奉太郎
《さすが 農家の娘だ そういえば》

奉太郎
怒るといえば 5時間目オミチの授業で怒ってたのはお前じゃないか?

える
は そうでした どうして忘れていたんでしょう その件はぜひ 折木さんに聞いてみようと思ってたんです

奉太郎
《しまった》

エル
キニナリマスキニナリマスキニナリマスキニナリマスキニナリマスキニナリマスキニナリマスキニナリマス

奉太郎
さあ帰るか

える
ぜひ折木さんに聞いてみようとおもってたんです

里志
何かあったの?

える
はい 実は5時間目の数学の授業で私怒ったんです

摩耶花
ふーんちいちゃんが怒ったの?

える
ですが私何がおこっておこらなければならなかったのか わからないんです 当然に私はおこらなくてもよかったはずなのに 何かがおこったのでおこらることになったのですが おこったことというのがわからないんです

奉太郎
なんだって

える
ですから なにがおこっておこらなければ

える
とにかく私 気になります!



小暑 大暑来れる前なれば也



<地学準備室>

える
今日の5時間目は数学でした オミチ先生の担当なんですが 折木さんと福部さんは 先生がどんな方かよくわかっていると思います とりあえず最初から説明しますね えっと

える
チャイムとほとんど同時に先生は教室にこられました 教室に入られる前先生は一瞬立ち止まってクラスプレートを見上げました ええ今までもよくあったことです 最初に先生は 2次方程式を板書して

える
え そうですね式は簡単だったのですが ただXのとりうる値の範囲に制限がつきました そしてカワサキさんを指名し このYのとりうる値域を平面上に書いてみろといったんです

える
カワサキさんはあきらかに戸惑いました そうなんです 私たちは値域をまだ何も教わってなかったんです カワサキさんはわかりませんと答えました その途端先生は怒り出し私たちを罵倒し始めました 次に数学が得意なタムラさんが指名されました ですが答えることができませんでした 私はこの時ようやく 先生が授業進度を勘違いしていることに気づいたんです ほかの方も気づいて 教室が少しざわめき始め さらにいらだった先生は私たちを手厳しく批判したんです 

える
ええそうです 言葉の切れ目切れ目で 黒板をたたいていました クラスにはこの問題を解ける方もいたと思いますが 皆さんうつむいたままでした 先生は再度タムラさんを指名し起立させ また罵倒し始めました 私が立ち上がったのはそのときです

える
わたしは授業の進度をもう一度確認するよう先生にお願いしたんです そうです私が怒っていたのはそのときです

摩耶花
それでどうなったの?

える
それが先生が教科書をめくると ああそうかとつぶやいて一言謝ったあとタムラさんを着席させあとは通常の授業です

摩耶花
オミチってそんな先生なんだ

里志
そうとも まったくあの人のおかげで 中間試験の後 どれだけ苦労したか

奉太郎
あの手の教師は小学校にも中学校にもいただろう 別に悪い教師じゃないさ それに アカ点はオミチせいじゃない 期末はなんとかしろよ 

里志
えー

える
というわけなんですがどうでしょう?

奉太郎
どこかおかしなところがあったか?

える
ん はっ 私が折木さんに聞きたいのは先生はどうしてそんな勘違いをしたのかということです 先生は間違いの少ない方でしたから

里志
まあね オミチは生徒にも厳しいけど自分にも厳しい先生だからね 

える
それなのにどうして間違えたのか そこが分からないんです 

奉太郎
俺にもわからないんです

える
折木さん!

奉太郎
知らんなんで勘違いしたかオミチに頭の中をのぞかせてもらって来い 

える
覗けるなら苦労しません

奉太郎
そうか それは残念だったな じゃあ あきらめろ 

える
私 きになります 折木さんも一緒に考えてください

奉太郎
何で俺が

える
折木さんなら 考えてくれさえすれば 分かるはずです

里志
おお

奉太郎
《やればできる子みたいな言い方するな》

摩耶花
ちいちゃん 期待してもあんまり当てにならないよ そいつ前世キリギリスだから

える
えっ 摩耶花さん 前世がわかるんですか?

奉太郎
《しめた いいぞ伊原》

える
でも 今は先生のことが気になります 

奉太郎
《ちぃ やっかいな》

える
私 きになります

文庫
(夏の厄災)



える
先生は授業後必ず教科書にメモをとるんです 何のためだと思います?

奉太郎
どこまで授業を進めたかチェックしていたってことか ?

える
そう思います それに教室に入る前にプレートを見て確認までしています 完全といっていいはずなのに どこに勘違いの余地があったんでしょう 

奉太郎
《メモってことは15ページにA組7月1日って書いてあるとかだろう そうじゃないとどこまで進めたのか分からなくなってしまう》

奉太郎
別の日と間違えてたとか

摩耶花
それなら戻ることはあっても進むなんてありえないじゃない 脳みそ使ってよ

奉太郎
《ん まあ 確かに 》

摩耶花
ちょっと気になるんだけど 聞いていい?

える
はいどうぞ

摩耶花
その話で怒るのは分かるのよね でもそういう先生に一言言ってやろうって気にはならないと思うのよ なのになんで?

える
怒っていたんですが ひどい事を言われてたから怒ったわけではないと思います 

摩耶花
じゃあ解けるはずの人も黙っていたから?

える
いいえ誰だってあの場では進んで答えたくはなかったでしょう

摩耶花
ほかの誰も先生の勘違いだって言わなかったから?>

える
いいえ

摩耶花
タムラってのが可哀そうだったから?

える
気の毒だとはおもいました でもだからって怒りはしないとおもいます だって前回の授業の内容を全然覚えてない生徒をしかるのは当たり前じゃありませんか でもどうして怒ったかと聞かれると 自分のことは難しいですね

摩耶花
そうね

奉太郎
《千反田が何におこり 何に喜ぶのか それを知るには俺はまだこいつを知らなさ過ぎる》

える
どうでしょうか 折木さん

奉太郎
《オミチが授業進度を教科書にメモしていたっていうのは おそらくその通りだろう それなのに間違えた 進むということは 正しいメモより先のページにメモがかかれていなければいけないはず 》

奉太郎
お前のクラスはまだ値域について習ってなかったんだよな

える
ええ はい 

奉太郎
実はもう習っていたとしたらどうだ

える
どういうことですか

奉太郎
オミチは毎年数学を教えている 去年の一年A組は習っただろう

里志
一年たっての間違いということなら 残念ながらありえないよ

摩耶花
どういうこと?

里志
教員用教科書も毎年新しく配布されるんだ 微妙な訂正があったときに生徒と教科書が違うと不都合だろう? 実際オミチが使っているのは 今年の4訂版だ

える
そうなんですか

奉太郎
あいかわらず無駄な知識が多いな

里志
データベースだからね

奉太郎
《例えばオミチはよく書き込みする癖があってそれと間違えた だが千反田がそれで納得しないだろうな》

里志
それにしても値域はピンと来ないんだ 僕なんかXとYを平面上に書くだけでも一苦労だからね オミチに当てられたら怖い思いをしそうだよ

奉太郎
ちょっとまて D組はもう値域の単元にはいってるのか

里志
ああ うん

奉太郎
《里志のクラスは値域の単元に入っていて俺と千反田のクラスは入っていない か なるほど》

里志
その顔は何か思いついた顔だね 

奉太郎
まあな 千反田

える
はい

奉太郎
実際に進んだところよりも 先のページにチェックが入っていたことは間違いない 

える
はいそう思います

奉太郎
しかもそれは今年書き込まれたもので 授業進度を示すメモだった

える
はい

奉太郎
さらにそれはお前のクラスのものではないとすればどうだ そいつは里志のクラスの進度メモだったとしたら

里志
僕の・・ オミチが担当しているのはABCDの4クラスだよ AでもBでもないとしてもDだとは限らないんじゃないのかな

摩耶花
だいたいDだったらどうだっていうのよ

奉太郎
D組ならA組と勘違いしてもおかしくない Cはどう見てもAとは間違えんからな

摩耶花
はぁ? また馬鹿なことをいいだした AとDだって間違わないわよ

奉太郎
オミチは数学教諭だろ

摩耶花
だから

数学教諭ならAとDを間違う可能性が高くなる

摩耶花
はあ?

奉太郎
例えばオミチが10ページに7月1日A 15ページに7月1日Dと書いていたとするだろう

摩耶花
それがどうしたって言うのよ そんなの間違えようがないじゃない

奉太郎
そのAとDを間違えれば今回のようなことが起こる

摩耶花
ん?

える
はい でもどうしてでしょう 

奉太郎
数学教諭ならこう書くだろうからだ

里志
ああ 小文字のaとdか

える
なるほど

摩耶花
うん それはありえる 私前に英語のテストで区別がつかないって減点された事があるし

里志
なんだ摩耶花もかい? ま 僕の場合NとHだったけどね

える
そうですね それはありそうです

奉太郎
《はあ 片付いた》

える
aとd 勘違いは攻められません やっぱり私先生にすこし言い過ぎたかも知れませんね 悪いことをしてしまいました

摩耶花
え? なんでそうなるの? オミチが悪いんだから言いすぎなわけないじゃない だいたいちいちゃんは

里志
まあまあ もうこんな時間だし そろそろ帰らないかい?

摩耶花
え でも福ちゃん

里志
いいじゃないか摩耶花 謎は解けたんだし

摩耶花
うん そういうことじゃなくて 福ちゃん

奉太郎
《怒らない千反田が怒り その理由を知りたがった 怒ることが悪いことではないといいつつも 本当はいつだって怒りたくなんかないのではなかろうか だから千反田が知りたがったのは オミチにも三分の理があり 怒ったのは自分のミスだったと思いたかったからじゃないだろうか 千反田えるとはそういうやつではないか いや俺は千反田の何を知っているというのか 千反田の行動を読めることがあっても心の内まで読みきれると考えては これはあれだ大罪を犯している 傲慢ってやつだ 慎むべし 慎むべし だいたい今日一日の間に何度千反田に意外と思わされたことか

える
折木さん 帰らないんですか

奉太郎
ああ いやかえる

える
折木さん ありがとうございました  折木さんには助けてもらってばっかりですね

奉太郎
こっちはいい迷惑だ

摩耶花
何してんの二人とも

里志
帰らないのかい

える
はい いまいきます 帰りましょうか

奉太郎
ああ 続きは明日でいいか

える
折木さん

里志
それは摩耶花はそうだろうさ・・

奉太郎
《今日もこうして高校生活は浪費されていく 俺が犯す大罪は怠惰だけで十分に過ぎるというものだ》



little birds can remember

<キャスト>
折木奉太郎 中村悠一
千反田える 佐藤聡美
福部里志  阪口大助
伊原摩耶花 茅野愛衣

尾道先生 山崎たくみ

世界史教諭 後藤哲夫

佐山 三上枝織
井上 近野明日香