鎌倉ゆる~りぶらり旅 つづきです。
さっき お昼を食べたお店と
宝戒寺のちょうど真ん中辺りに
ウィンドウに職人的な作品が並ぶお店があり
心惹かれ 入ってみました。
わぁ~ とっても好きな感じ
小さなそのお店には
他にはお客様は誰もいらっしゃらず
お店の女性の方は柔らかく微笑んで
私を迎えてくださいました。
京言葉だと ”はんなり” と言うのでしょうか。
そんな言葉がとっさに浮かぶような方で
「写真を撮りたいのですが」とお願いすると
「どうぞ どうぞ 自由に撮ってくださいね」
と快諾してくださいました。
私の両親は祖父の代から続く
オーダー紳士服業を営んでいます。
1枚の生地からスーツが出来るまで
ミシンも使いますが 時間をかけて
1針1針縫う姿が私の目と心に強く刻み込まれています。
そんな家庭環境からか
私は ”職人技” というものに
自然と惹かれてしまうのです。
このお店にあるものも
すべて そんな職人技の数々。
手作りなので 1つとして同じものはなく
全部が全部 世界でたった1つの作品です。
はんなり女将さんは
私が興味深く見ていた作品のひとつひとつ
何が原料なのか どんな方が作ったのか
どうやってこの作品が出来上がるのか
材料や 作家さんや 工程について
また その作品に込められている思いまでも
丁寧に解説してくださいました。
この絹の巾着袋は91歳のおばあちゃまの手作り作品なのだとか。
「袋から出して どうぞ触ってみてくださいね。」
お言葉に甘えて触ってみると
柔らかくて つるつる~
色々な生地を使っていた両親から
「絹は扱いが難しい」と聞いたことがあります。
「この小巾着は縫い目がきれいに隠れていて
さぞ高い技術が必要なのだろうな」
と思いながらも
でも もう そんな技術もすっかり身について
楽しそうに縫っているおばあちゃまの姿が思い浮かびました。
この碧には ズギューーン 打ち抜かれちゃった
碧から 茶 黄へ…
なんとも言えない色のグラデーションもステキ
陶芸の世界では有名な作家さんで
この”碧”を出す製法は特許をとられているそうです。
作品として出来上がるまでには段階的に工程があり
それはそれは 時間がかかるそう。
こちらのお店にある
多くの作品に共通していたのは
「使うほどに 作品が変わっていくこと」
人の手の油が作品になじむにつれて
色が変化するんですって。
例えば 上の焼き物は
白い部分が茶色くあめ色に変わっていき
なんとも深~い味わいになるそうです。
物って一見 ”変わらないもの”
として認識しているけれど
「人と共に 時間と共に 変わっていく」
なんだか じわ~んと感じるものがありました。
棚に並んでいたこちらのバッグは柿渋で染められたもの。
色の味わいも それこそ渋~く
この色合い 私は初めて目にしました。
柿渋には虫を寄せつけない
という効能もあるそうで
「昔の人はそういう知恵も品物にこめていたんでしょうね。」
と 女将さん。
ただ 品物を 作品を見ただけでは
こういう想いまでは気づけません。
技 かかる時間 込められている想い
を考えれば ついているお値段も納得です。
こちらのお店はこの近辺に他に2店舗あるそうで
「あちらのお店の方が大きくて作品も多いので
ぜひ行ってみてくださいね。」
と ショップカードをいただき
歩いてすぐの距離だったので行ってみました。
写真は撮れなかったのですが
ビックリは山ふどうのツルで編んだバッグ。
様々な編み方があって
どれも すごく凝ってる!
素晴らしいのひと言。
ただ…
「これ すっごく素敵」
と思ったバッグは お値段 ¥6桁
それもやはり お話を聴いて 納得です。
作品に使っているのはほんのわずかしか取れない
質の高い希少な部分
山ぶどうのツルが取れるのは
梅雨の時期のたった2週間のみ
ツルを編むまで 材料として整うまでに
年単位の時間がかかる
ここまでキレイに編める
熟練の職人さんはそうはいない。
など。
「人と共に 時間と共に 味わい深くなっていく」
お店の方が使っているという
お財布を見せていただいたのですが
濃いこげ茶色にツヤが出て 光っていました。
「1人で使うと考えると 確かにお高いかもしれないけれど
このバッグなら 親から子へ3代に渡って使えますよ。」と。
「ステキだな」
と思いつつ でも さすがに買えず…。
山ぶどうのバッグを説明してくださった方の他に
このお店には もう1人 年配の男性がいらっしゃり
その方が話していたことが 私は後になってすごく気になりました。
「お茶が好きなら この急須でいれたお茶が1番」
と 焼き物の話をしてくださったのですが その中で
とても真剣な眼差しで話されていた この言葉。
「本物がたとえあっても
便利で安い大量生産の品物があると
本物は消えていっちゃうんだよ。
どうしてか わかります?
本物を理解する人 理解する心がなければ
とてもいい物でも伝わっていかない。
どんなに宣伝しても チラシを打っても
それではダメ。
『この急須で飲んだら すごく美味しかった』
というお客さんは 必ずまた来てくれる。
実際に使ってもらわなければ
絶対に伝わらないんだ。
この伝統を残さなければ!
なんて大層な想いじゃなく
僕はただ 使ってもらえればいいんです。
その想いを死ぬまでこうやって伝えていくつもりです。」
素晴らしい信念だと感じながら
この急須も 私 買えませんでした…。
でも こうしてブログを書いていて
やはり 6桁単位の洋服を作っていた両親が同じように
「求めてくれるお客様がいらっしゃる限り
身体が動く限り 死ぬまで 洋服を作りたい。
いいものを修繕しながらも
永年着てくださるお客様がいる限り…」
と言っていたのを思い出しました。
お茶好きな職人の両親に あの急須
プレゼントしたいなって思います。
物にこめられている想いの大切さを教えてくださった
あのおじ様の手から受け取って
それから 世界に1つの山ぶどうバッグも
私の夢につけ加えましょ
鎌倉訪問の際は味わい深い”変化”の作品たくさんの
加満久良さん
ぜひ訪れてみてくださいね
~ 鎌倉旅日記 もう少しつづきます ^^ ~
オリジナリティ 叡智 品格 時間の流れ
今までに培った知識や学びを そのままの形ではなく
独自に創造・表現できる特性をあなたは持っています
それは 時間をかけ静かに密やかに出来上がるもの
まさに 夜中に開花する月下美人の花のようですね
カードに描かれているおばあさんは気品に満ちています
自分の中にある独創性を 深みのある智慧や叡智として
温かくシェアできるよう 焦らず熟成させていきましょう
(緑)パワーオブフラワーカード 6 Sunflower ヒマワリ
伝統的 継承 育てる
既に何らかの継承的な活動をされている方や想いがある方
家族間で大切なことを引継ぐ方がよく引かれるカード
古の智慧を受け継ぎ
変化を加えながらも本質を次へ繋ぐ
そのような考えの方や活動をする方が多いです
種を受け取り 土に蒔き 育て 開花 その種を次世代へ
時間がかかることですが かける時間も込める想いも
先代に重ね合わせて尊重し 大切に育んでいきましょう
~ たまゆら占いより ~