長恨歌―不夜城完結編/馳 星周
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不夜城シリーズ最終巻。

残留孤児と偽り日本人になりすます中国人、武基裕は、麻薬課の刑事に弱みを握られ、

使い走り同然のスパイにされていた。

福建省や東北人が牛耳るようになる歌舞伎町で、ある福建人ヤクザがショットガンで射殺される。

その犯人を探すことになった基裕は、ある情報屋の事を聞き、その男のもとに行くが・・・・。


阿基は今までで一番感情移入できましたけど…

鎮魂歌に比べて薄味だったから、というのが大きいですね。


事件も三つ巴で絡まってますが、楊韋民相手のときに比べて小物感が。

そしてやはり暗い、救いのない終わりでした。


劉健一の幕引きに寂寥を覚えずにはいられないですが、

もし今回生きていても、いつか同様の終りにたどりつくんじゃないか。そんな気がします。

結局勝ったのは健一1人だったんでしょうね。


でも、最終的に引き継ぐ(だろう)小文が継げるかというと、

武基裕以上に無理な気がします。所詮、女だから。


ハードボイルド小説の有名シリーズ、これで終わりですが

救いなき歌舞伎町の世界はまだまだ続いていくんでしょう。

…しんどかったけど、それでもやはり面白かった、と感じた小説でした。


【過去シリーズ感想】

     鎮魂歌