リハビリ鍼灸@吉祥寺 いけちゃんのブログ -160ページ目

カルテの書き方が分からない鍼灸師の皆さんへ

最近、このブログは、『鍼灸 カルテの書き方 SOAP』で検索されているようです。
カルテの書き方を知りたい鍼灸師は多いのでしょうか?
先月も今月もセミナー依頼があったため、当院で開催させていただきました。
ただ、私の中では疑問もあるのです。
カルテを書くことに、何を求め、そして何を見出しているのか?
ということ。

そもそも。
紙一枚になにを?って思っているヒトは、関心のないことだと思います。
逆に関心をもっているヒトは、検索してくるのではないでしょうか?

カルテの書き方の書籍は、たくさん出回っています。
それに、ネットでも書き方のノウハウは、たくさん出ていますから。
その通り記入すれば、”一応”カルテは出来ます。
もちろん、保険請求の際の書類として存在するので、第三者が入っても安心ですね。
項目を埋める行為として紙一枚に書いておけば、書類上成立しているわけですから。


(まあ、そこまでの関心なら、これ以降読むのは時間がもったいないことでしょう。)


カルテを書くということを、意味とテーマをもって行うか、行為としておこなうか。
その違いは、続けていった先々で大きく違ってきます。

私が思うに、カルテをタダ書くことに疑問を持った方が、このブログに辿りついているのではないかと思っています。
その関心とは、「今のままでは手詰まりを感じているから。」ではないでしょうか?

なぜ、手詰まりを感じるのか?
それは、今の自分の技術では対応できないと思うことに遭遇するから?
それとも、なんとなく鍼をうっていることに整合性を見いだせないから?
そういうものだから、こうっていうマニュアル的な返答に飽きたから、こちらの世界に来たはずなのに、同じことしていませんか?


まずは、患者さんをきちんとみれているか?と言うところにつきます。
『腰が痛い。』との訴えに対し、腰が痛いのだからこの常用穴!ってなっていませんか?
腰が痛い原因は、何なのでしょうか?
腰が痛いと訴えだけで、多裂筋の問題だとなぜ断定できるのでしょうか?
腰の原因には、いろいろあります。
そして、その鑑別方法があります。

しかし、その鑑別方法を全部するのですか?
半日終わります。患者さんもぐったりです。
だから、医療面接で聞くのです。
そして、原因を予想するのです。
そして、原因を特定する鑑別方法を選択するのです。
その結果から、原因を特定し、そこを治療すればいいのです!

しかし。
鑑別する検査の方法は知っている。
その鑑別検査の結果が何を言っているかも知識として知っている。
腰の治療の仕方も知っている。(腰に鍼をうつ手段は心得ている)
なのに、治療に整合性がでない。


ここに足りないのは、明らかに知識を繋げる部分です。
知識を繋げるためのトレーニングをしていないから
なのです。


○○先生がこううてと言った。
では、済まされない。
それは責任転嫁という。鍼をうっているのは本人です。
○○先生ではありませんね。
成功すれば自分の知識、失敗すれば他人のせい。
んなわけ、ない、ない。(笑)

検査の仕方の本もいっぱいある。
鍼の打ち方の書籍もたくさん出ている。
読めばわかる。
セミナーでみれば、手本どおりは鍼はうてる。
けど、治せない。
結果を出せない。
だから、鍼がつまらない。
になるのはなぜか?


知識を繋げるトレーニングをしていないから。


私がカルテの書き方を何度も言うのは、カルテほど、この知識を繋げるトレーニングに適しているものはないのです。
カルテを書いていくと、自ずとクリティカルシンキングをしているか否かが明確になります。
そして、きちんとしたカルテを書けるようになると、ちゃんとクリティカルシンキングが身につているわけです。
逆も然りなのですが。


たかが紙一枚。されど紙一枚。
もちろん患者さんのために、そして自分自身のために、ちゃんとしたカルテが書ける鍼灸師になる勉強をしてもいいと私自身は考えております。

誠意とやる気と本気がある方々と、ぜひ一緒に勉強してみたいですね。
(ちなみに、患者さんに対しての医療倫理および生命倫理観がきちんとされている方に限ります。)

創る心講座③ 心・身体・魂について

昨日は、
うれしや鍼灸院吉祥寺
鍼灸師のためのクリティカルシンキングセミナー2011
第7回目
でした。

今回は、
『創る講座③ 心・身体・魂について』
でした。

今回は、ヒトの感情を、気功・体癖・魂それぞれの視点で、みていく上でのエッセンスを学びました。

気功においては、「調身調息調心」の技法、感情も精神も内臓も全て五行(木火土金水)の法則に当てはめている点、感情とは、自分自身のエネルギーバランスの目的としたものであること、など。
生まれ年によって、五行がある話は、新鮮でした。

体癖おいては、感受性の方向と量という軸と身体運動の偏向特性という軸の二つの軸で、人それぞれの特徴を整理した体癖理論があること。
各々、自分の体癖に興味津津でした。

魂は、意識(顕在意識10%+潜在意識90%)であり、目的を持ってひとつの肉体に存在している。魂の目的を知る手掛かりとなるのは、心の闇であり、症状であること。つまり、感情を丁寧に扱うこと、やる気ばかりでなく、やりたくない気持ちも尊重することが大切であること。等など。

身体の症状を、心のサインとしてみるそれぞれの視点は、とても興味深いお話でした。


我々治療家は、患者さんと接する上で、
1カウンセリング
2ティーチング
3コーチング

を、行っているわけです。

治療をするためには、やはり目的があり現状の把握が必要で、現状とゴールを埋めていくための手段の選択と工程についての話し合いが大切なわけです。
だからと言って、マニュアル通りや闇雲にすることではないのですね。
時にはホールディングし、時には見守ることもあるわけでして。
治療とは、私が思うに、患者さん自身が、自分自身に起こった身体の不調を克服できるところまで、着かず離れず寄り添っていくことなんですよね。


創る心講座では、アサーティブコミュニケーションを中心に、治療者と患者さんが対等に話せるスキルを学びました。
同時に、患者さんが自分自身に起こった病気や傷害について、きちんと前向きにとらえていける環境を創っていく大切さも学びました。

増本先生が最後におっしゃった、
「この『創る心講座』は、患者さんの心を創る講座でもあります。」
とても印象的でした。

増本先生、本当にありがとうございました。

ハインリッヒの法則

けだるい気分の、いけちゃんです(^^;
モモイカオリデェス。
こんばんは!

さて、ハインリッヒの法則。

昨夜の出来事ですが…。
住処にていつものように洗濯モノを畳んでいると、

ジリジリジリジリジリジリジリジリジリジリジリジリジリ

と何処からか音がする。
非常ベルのような、目覚まし時計のような音。

最近、目覚まし時計のセットを解除しないままで、12時間後に再び鳴っているパターンが近所でチラホラあったので、
『またかよ。』
と、ベル音を無視して、洗濯モノたたみにいそしんでいた私。

ジリジリジリジリジリジリジリジリジリジリジリジリジリ

『まだ続いている。やけに長いな…。』
と思いつつ…。

そこに、消防車と救急車のサイレンが。
といっても、ご近所に消防署があるので、サイレンはいつものコト。
車が止まった音がやけに近くて数が多かった気がしたけど、これも無視して、くつろぎモードに入ろうした瞬間、

「こちらは○○消防署です!
 ○×地区のみなさん、これから消火活動に入ります!
 立ち入らないで下さい!」


との拡声器の声が鳴り響く。

『○×地区って…。ここじゃん?!
と慌てて窓を開けると、眼下にあまたの消防車が配列され、ヒトも出てきていた!

『こりゃ、マズイぞ…。』

一応、状況を確認せねば!と玄関を出たところで、大家さんと遭遇。
ここじゃないようだから、とりあえず地上まで降りてみることに。

で、道路を挟んだ反対側で、火事が起きた模様。
幸い初動が早かったのでボヤ程度で済んだらしい。
(消防士さんの話によれば)

あー、よかった。

で、終わらない。
自分自身に身震いしてしまった。
仕事中は、少し危険な可能性があると判断すれば、ちゃんと確認し回避しているのに。
プライベートじゃ、「あるわけない。」で無視している事実を知って愕然…。


そこで、ハインリッヒの法則を思い出した。
ハインリッヒの法則=1:29:300の法則
「事故か災害の大きなのが1つあれば、
 全く同じように危ないことをしていながら、29は小さいけがや事故で終わっているのに対し、
実に300回という多くの回数は、同じように危ないことをしていながら、けがや事故などは全く発生していない」
という法則。

これは、労働災害の経験則で有名ですが、最近は失敗学でも有名になっていますね。
表在化する大きな事故に1回対して、致命的でない事故が29回があり、いわゆる「ひやり、はっと」が300回潜在的にあるいうことです。


今回の出来事は、「あるわけないじゃん。」が当たり前でないことを気付く良い機会でした。
最近、生傷が絶えなかったんで、ホントに気をつけようと思う。