拍手お礼~さいゆ~き(9-1)~ | ななちのブログ

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このブログは、スキップビート好きの非公式2次小説作成SS中心です。作品については、あくまで個人の趣味で作成しています。
馬車馬のごとく働く社会人ですので、更新スピードは亀ですが、よろしければお読みください☆

時は唐代。人間と妖怪が共存していた桃源の時代は過ぎ去り、世は混沌としていた。

そんな時代を憂いた1人の高僧と、彼を守る3人の妖。

彼らはこの世の乱れを正しき道へと戻すために経典を求め、天竺を目指していた。

そんな彼らの前に、立ちはだかるモ―魔王軍団。



そして今回、モ―魔王の息子である紅亥ジュリが、高僧・ローリィ三蔵の一番弟子、蓮悟空の前に立ちはだかる!!



「こっ、これはっ……!!」

「さぁ、ゴクウ!!ショウブよ!!」



 そして始まった、2人の一騎打ち。

 その舞台は……。



 急遽、セッティングされたダイニングキッチン!!



 木製の四人掛けダイニングテーブルの上には、これでもかというほどの大皿が並べられ、その上には色とりどりの……。



「さぁ、パパのようにこのウエのテリョウリをみんなタベテごらんなさい!!」



 ……色とりどりの、手料理のようです!!



「……あれ、料理なの?」

「料理だってジュリさんが言っているんだから、料理なんじゃないの?モ~~。どうでもいいわよ。」



 それにしても、すごい……。……豪勢な手料理ですね!!色が斬新ですし香りも独特ですし……。…なんだか真っ黒なものの上にショッキングピンクのクリームやレモンイエローやライトグリーンの液体が乗っていて、目に鮮やか過ぎます!!眩しすぎて、目がくらみそうです!!



「……マズそうね……。」



 そういうことは思っていたとしても口にしてはいけませんよ、モ―魔王!!



「さぁ、ゴクウ!!ママのテリョウリよ!!存分におタベなさい!!」



 ズビシッ!!とダイニングテーブルを指差す紅亥ジュリに対し、蓮悟空は……!!!!



「…………(絶望)……………。」



 その場に石像のように立ちつくしております。

 これを業界では『棒立ち』と呼びます。

 舞台の場合は大根役者によく使われる表現ですね。



「っていうか、今、結構な爆弾が投下されなかった?」

「えぇ……。今、『ママ』って言ったわよね?あの2人、どういう関係?」



 おっと、こちらでも蓮悟空の大ピンチ!!モ―魔王と銀閣に正体がバレかかっています!!



「クオンっ!!どうしてママのテリョウリがタベラれないの~~~~!!このままじゃ、ママ、アト3びょうでシンじゃうわ……。」

「っ!!わ、分かりました!!食べます!!た、食べますからっ!!!!」



 蓮悟空の『棒立ち』に絶望し、涙を流しながらその場に崩れる女神様。これほど美しい女性を泣かせるなんて、なんと罪深い男なのでしょう、蓮悟空はっ!!!!



「っていうか、設定ではあの人、私とキョーコの『息子』なのよね?」

「……まぁでも、あの衣装はどう見ても女モノよ。だから別にいいんじゃ「ぅおぇぇぇっ!!」」



 冷静に状況を分析しながら話をしているモ―魔王と銀閣の会話の間に、突然地獄の底から響いてくるような苦悶の声が……!!!!



「ぅえぇっ、ま、マウイ………」

「どうっ!!??ひさしぶりのママのテリョウリのアジは!!オイシイでしょう!!??ねっ!!ねっ!!!ねっ!!!!????」

「ごぉむ…………っっっっ…ごきゅるっ!!!!

「どう!?どう、どう、どう!!!!???」

「~~~~お…、おりじなりてぃに富んでいて、とても……っふぁんたじっくだとおもいますぐ……!!」

「……………。…つまり、どういうこと?」

「……オリジナリティって、独創性って意味、でしょ?それにファンタジックは空想的っていうんだから……。つまり、『独特すぎて普通じゃ考えられないような味』ってことじゃない?」

「つまりはどういうことなのかしら??」

「モ~~~~~!!見たら分かるでしょ!!??マズイのよ!!マズイの!!!!」



 ……あまりはっきりおっしゃるのもどうかと思いますよ、モ―魔王様……

 でも、そんなマズイ料理でも、一生懸命食べている息子さん。

 優しい息子さんですね。……何だか泣きながら食べていらっしゃいますが。



 …………。 

これ、『敦賀蓮』としてはどうなんでしょう?アウトですか?セーフですか?



「アウトに決まってんでしょ!!??モ~~~~~!!!!」









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