sei様罠リク~バランスが大事です(1-2)~ | ななちのブログ

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このブログは、スキップビート好きの非公式2次小説作成SS中心です。作品については、あくまで個人の趣味で作成しています。
馬車馬のごとく働く社会人ですので、更新スピードは亀ですが、よろしければお読みください☆

 そして。ふと、思うこと。



「…………。」



 ―――君のことが、好きなんだ。―――



 確かに聞いた、その言の葉。あんな真剣な表情で口にされた言葉が、嘘だったなんて思わない。



 ……でもね、キョーコ。よく考えてみるのよ。想像してみて……



 誰もが羨むような容姿、輝くオーラ。それを自然と身に纏える人々……。一般の方々が憧れる、スターの証を持つ人達が溢れる芸能界。その中でも、とびきり美しく、お傍によれないほどの輝きを放つお方。



 それは、誰かと言うと……。



 疑うまでもなく、『敦賀蓮』。芸能界1イイ男で、抱かれたい男№1のあの方よ。



 一方、デビューして1年。話題作に出演させていただいているものの、東京という都を何の変装もなくフラフラ歩いていても、芸能人として声をかけられることもなければ、ナンパされることもなく…。極めつけが業界からのスカウトだって皆無である、10人並みの容姿と華のないオーラを持つ私。



 さぁ、お隣同士に並べてみましょう!!



「…………。……無いわ。」



 おかしいわ。実際は、横に並んだこともあれば、寝所を共にしたこともある(ただし、色っぽい意味は皆無)のに、想像しようと思ったら、あまりの不似合いさに敦賀さんの肩辺り(つまり私の頭のてっぺん)からモザイクがかかってしまう!!



 なんてアンバランスな二人なんでしょう!!絶対に並ぶことなんて許されないわ!!私の美的センスが許さない!!



「決めたわ、私!!」



 『好きだ』と言ってくれた敦賀さん。お美しいあのお方に誰よりも似合うお相手を探してみようっ!!

 そして、これぞ『№1』と呼べる、誰もが憧れるカップルを誕生させるのよ!!



「待っていてください、敦賀さん!!」



 私を好きだと言ってくれた、優しい人。私にはその言葉と、一瞬でも敦賀さんの中に芽生えた私への想いだけが真実ならば、それ以外何もいらない。あんな美しい人にひとときでも愛されたと思ったら、私はそれだけで満たされて、また『私』のための一歩を歩みだせる。誰かを、愛していける。



 チクリと少し胸が痛むけれど……。でも、それもきっと時間が解決してくれるわ。ショータローを恨む想いが薄れたように、敦賀さんを想う心もいずれは懐かしいものになるはず。っていうか、彼に似合う『№1美女』が隣に立っていたら、絶対諦められるわ!!



 私はお弁当箱を握りしめながら、この日、そう心に誓ったのだ。








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