拍手お礼~それが二人の生活(10)~ | ななちのブログ

ななちのブログ

このブログは、スキップビート好きの非公式2次小説作成SS中心です。作品については、あくまで個人の趣味で作成しています。
馬車馬のごとく働く社会人ですので、更新スピードは亀ですが、よろしければお読みください☆

(お買い物は戦争です②‐2)


「さぁ、敦賀さん!!後一分ですよ!!準備はいいですか!?」

「あの…最上さん、俺、何の準備をしたらいいんだ…?」


 キョーコが時計を確認し、「504948…」とカウントを始める。


「逃げてください!!向かっていっても勝ち目がない戦には、逃走することも立派な作戦です!!」

「え…?逃げる…?」


 それってどういうことだろう…?そう思った瞬間、「ゼロ!!」と言ったキョーコが素早く動いた。


 そう、それこそ蝶のように舞って…。

 華麗に、素早く…蓮の変装用のサングラスと帽子を、奪ってしまったのだ。


「キャ~~ッ!!敦賀蓮よ~~!!」


 その一瞬の出来事に、呆然としていたら。今度は養成所仕込みの発声を活かしたソプラノボイスが空気を震わせた。

 その瞬間。


「あぁ!?敦賀蓮っ!!??」

「うそうそ、本物!?」

「きゃあああぁ!!蓮がママチャリに跨っている~~!!」


 スーパーの前で今まさに戦場に乗り込もうとしていた熱気(殺気)溢れる女性の視線が…蓮の方へと向けられた。


「さぁ、敦賀さん!!逃げてくださいっ!!」

「えぇ!?」

「動揺している場合じゃありませんよっ!!さぁ、早く!!」


 様々な現象(主にキョーコが仕掛けたこと)が一瞬の間に起きたことで、対応が遅れてしまった。その間にも、蓮に向かって女性の大群が押し寄せてくる。


「買い物をしたら帰りますから、先にマンションにいてくださいね♪」


 にっこりと笑ったキョーコの表情が、イキイキとしていてとても可愛らしい…と思ったが、じっくりその愛らしい顔を見ている場合ではなかった。


 蓮はぐるりと自転車ごと方向転換をすると、サングラスと帽子を被りなおし、一目散に逃げ出した。


 …そう、『買い物は戦争』。ゆえに、作戦が必要なのである。聡明なる軍師(キョーコ)の戦法は。


 『お色気ムンムン☆逃亡大作戦』


 そしてその作戦は…


「さっすが敦賀さん効果!!他のお客さん、誰もいないわ~~♪」


……見事、成功したのである。




web拍手 by FC2