Y部長は出張明け。
朝、出勤するとまずパソコンのスイッチを入れる。
ディスプレイに灯がともり、
キュイーンとドライブが回る音がする。
ウィンドウズの画面が出て、
しばらくするとデスクトップ画面が現れる。
スタートボタンをクリックして、
真っ先にOutlook(メール)を立ち上げる。。。
Outlookのウインドウには、
1000通以上ものメールが着ていると表示されている。。。
無意識jに「ふぅ~」とため息。
すべてをじっくり見るわけにもいかない。
だからメールをパッパッと斜め読みでこなしていく。。
するとこんなメッセージが目に飛び込む。
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件名:給与明細配布の件
矢沢です
人事部より給与明細を預りました。
自分は20日が代休の為、上段右側の書庫に入れておきます。
書庫は施錠しますが、鍵をA室長の電話の受話器の下に
置いておきますので、開錠して受け取ってください。
よろしく、お願い致します。
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メールを「見た」Y部長は、
反射的に自分の右側のキャビネットの上段を確認する。
もちろん、そこにはない。。。
隣の島のA室長に
「右側のキャビネットの中に給与明細入ってませんか?」
と問いかける。
A室長は
「ないですね~?」
そこでもう一度メールを「チラ見」して
「A室長の電話機の下に書庫の鍵ありませんか?」
と問いかける?
A室長は電話機を上に上げるも。。。
そこには何もない。。。
??
そこで、
よ~く文章を読んでみると。。。
受話器の下と書いてある。
実際に受話器を上げると鍵が置いてあり、
その鍵の形状をみると、
書庫(棚)の鍵だ。。。
確かに文章には書庫(棚)と書いてある。
ちゃんと「読めば」理解できることなのに
Y部長はなぜ読み違えてしまったのだろうか?
毎日数百ものメールを読む場合には、
すべての情報をじっくりと読み込むようなことはしません。
飛ばし読みすることが多いです。
ですからこのようなメールが来れば
重要度が低いものなら概ねの用件を捉えて直感で行動してしまうことも少なくありません。
この場合、部長には施錠した鍵を受話器の下(電話機のフック部分)に隠すという感覚もなく
(部長世代にとっては)書庫(棚)とは共有のものだから
明細などは共有の場にはおかずに、
鍵のかかる机のサイドキャビネットに入れるものだという先入観があったようです。
文章を読むにしても、
それにどのくらいの時間をかけるかによって読み違えることって多いです。
そして物事を早く把握しようとすると、
文章を飛ばし読みして、
自分の「世界観や常識」に書き換えて読むことも多い。
実際に話をするときなら、
表情を観て言い換えることができるものですが、
メールの場合には、
なかなかそうも行きません。
相手が目の前にしても、表情を観なかったら
先を急ぐように話を聞くと
自分の頭のモノサシや辞書で勝手な解釈をしてしまうことも多い。
こういった勘違いって「世界観」や「常識」のチューニングが合ってないときにも起こるのかもしれませんね。
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