シュタインハイル ミュンヘン アウトクヴィノン(オートキノン)55mm F1.9 エキザクタマウント
のっけからカタカナだらけで大変です。
シュタインハイル ミュンヘンはドイツの老舗光学メーカーで創業は19世紀である。
日本での知名度は低く、愛好家にとっては希少なレンズであるが、一般市場ではその他もろもろの中のメーカとして扱われる。
エキザクタマウントの多くのレンズがそうであるようにこのレンズもとてもつくりがよく写りも良い。
BiotarのようなピントのシャープネスとSwitarのようなボケのやわらかさをあわせ持つ非常に良く出来たレンズである。
外観もデッケルマウントのSEPTONのようなしっかりとしたシルバーの鏡銅で絞りリングの削り出しアルミのエッジがたまらない。M42マウントのAuto-Quinonの方がシンプルでおしゃれであるが、エギザクタマウント用のオート絞り機構も凝っていて魅力的だ。
レンズ本体の向かって右側にある突出部にオート連動スイッチとエキザクタ用のシャッターがある。
N.Auto
と書いてある部分のポッチを引くとマニュアル絞りに切り替わる。
通常はオート絞り(シャッタレバーに連動する方式)である。
写真右上のレバー部分を下に下ろすとシャッターが切られる(エクザクタボディーの場合)
マニュアル絞りを解除するにはポッチを押し込んでシャッターレバーを下ろすと解除できる。
実際このレンズで写真を撮ると、その個性に驚く。
レンズの作りといいこの写りといいシュタインハイルがただものではないということがわかる。
この写りを初めて見た瞬間魅了されてしまった。
シネレンズではないが、シネレンズが持つ情緒感を持っているレンズである。
スチールカメラ用のレンズとしては稀有な存在である。
柔らかいだけの写りかと思いきや中間距離だとこんな硬いボケもする。
気まぐれで奥の深そうなレンズである。
優秀で扱いやすい日本のレンズに飽きてしまったレンズ廃人にはうってつけの魔鏡である。
ただし探すと見つからないのが難点かもしれない。