FDレンズ試写会50mm編 | シネレンズとオールドレンズで遊ぶ!

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カメラマンヨッピーのブログ。シネレンズやオールドレンズなどのマニュアルフォーカスレンズをミラーレスカメラに装着して遊び、試写を載せていきます。カメラ界でまことしやかに語られているうわさも再考察していきます。

FD50mmSSC(Ⅱ)
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1973年発売のキャノンマニュアル一眼レフ用標準レンズ。SSC(スーパスペクトラコーティング)とはマルチコートレンズのこと。
開放域ではやや軟調な描写である。これはFDレンズに共通の印象でF値の明るいレンズ=高性能レンズという当時の風潮により少し無理してでも開放値の明るさにこだわったためではと推測される。ちなみに画質は1段絞ってF2にすることにより飛躍的に向上する。色のりは自然で現代のレンズに見られるような不自然なビビット感はない。ボディーはずっしりと重くしっかりとした作りでZEレンズ(コシナ製ツアイスレンズ)などの復刻版高級レンズにも引けを取らない存在感がある。F5.6まで絞ってもカラーバランスはくずれず被写界深度とシャープネスは飛躍的に向上する。これはFDレンズ開発の際の合言葉だったようで(『ボケ味は均一で絞れば絞るほど鮮鋭さを増すこと。』キャノンミュージアムより)そのことがしっかりと実現されていることが分かる。試写の結果は非常に良好で現代においても十分な性能を有している。一点残念なのは絞りの枚数が8枚のため八角形の映り込みができてしまうことであるが、さすがにそれはやむをえないところだと思う。最近ではジャンクコーナーで見かけることも多いFDレンズではあるが性能に見合った再評価がされることを願っている。


FD50mmF1.8(Ⅰ)
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1971年発売の標準レンズ。F1.4との最大の違いは最短撮影距離。45cmまで寄れるF1.4に対しこのレンズは60cmまでしか寄れない。レンズ構成も異なりこのレンズは4群6枚のダブルガウス型。初期プラナーに近い設計だと思われる。ちなみにF1.4はヤシカコンタックスマウントのプラナーと同じ6郡7枚構成だがFDのほうが発売年は早い。で描画のほうだが、開放でのシャープネスはあまり変わらないが、ぼけ方は結構違う。とけるようにぼけるF1.4に対しF1.8はそこまでとろけない。これが絞りのせいなのか、最短が遠いせいなのか分からないが、レンズ構成のちがいも影響しているのであろう。次にF5.6まで絞り込むと両者の差はさらにハッキリする。F5.6で開放とは全く違うシャープネスを見せるF1.4に対しF1.8ではそこまでのシャープネスは見られない。色のりに関してはシングルコートのF1.8とマルチコートのSSCの間に差は見受けられない。逆光などの特殊な条件化だと差が出てくると思うのですが、今回の撮影では差が出ませんでした。


NFD50mmF1.4
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1979年発売の標準レンズ。FDのリニューアルモデルでFDと言う表記だが一般にNewFD(NFD)と呼ぶ。NFDではレンズの鏡胴にプラスチックを採用し、コンパクト化と軽量化を図っている。しかしこのレンズには都市伝説的なうわさも有る。有る一部のユーザーの間では旧FDの方が写りが良いとのではないかといううわさだ。今回の試写の裏テーマのひとつでも有る。と言うのは以前学生のころA-1でFD50mmSSCを使っていたのだが、NFD50F1.4を購入して試したところ明らかにSSCの方が写りが良かった記憶があったからだ。その後NFD50mmF1.4はすぐ売ってしまいNFD50F1.2Lを購入した。さすがにこのレンズは絶品だったが、NFD50F1.4のいまいちさがいまだに引っかかっているのだ。色のりは良かったが立体感がないと言うかぺたっと平坦な感じがしていたのだ。で今回の試写だったが、写りはまずまずである。開放のF1.4から色ののりも良く解像度もまずまず。F5.6においてもまずまずの結果である。では最大の関心事SSCと比べてみるとどうか?
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あれっ?コントラストが低いような気がする。明らかにSSCの方がヌケのコントラストが高い。じゃあ解像度は?
ピント位置の花の中心を拡大してみた。
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ほぼ一緒ですね。厳密に言うと少しSSCの方が解像度が高い気がしますが、気のせいかもしれません。
今回の都市伝説はボケのコントラストの違いの差みたいです。FD55mmF1.2SSCも交えて再考察してみたいです。