353.褐色の花嫁.18 | マリンタワー フィリピーナと僕といつも母さん byレイスリー
実は妻が家を出て行くときワタクシは「どうして?」と聞くこともありませんでした、その頃はほとんど仕事でたまに錦糸町に行く程度でドバイにいるレイアしか怪しまれる存在はなかったのです。



ただ、ワタクシは妻はいつかは出ていくのではと思っていました、ワタクシを冷たい男だと思われる方もたくさんいらっしゃるでしょう、その通りワタクシは冷たい男です、結婚して3年で夜の営みもなく長い年月愛というものを維持する事が出来なかった、ただ問題は勿論それだけではないのですが、ここはワタクシの 不徳の致すところであり、この時は頑張ってくれた彼女に対して解放してあげたいという気持ちで敢えて止めることはしませんでした、ワタクシのような下らない男といるよりも新たな自分の幸せを見つけて欲しかった、これは言い訳でなく心底思った事なのです。


家は一軒家の借家で先にワタクシと母親が出ていき、妻と次男が一緒と家族は離ればなれになり悲しんだのは母親でした、家族が二人になり「寂しい」を連発、そんな時にドバイにいるレイアから電話です、
ワタクシ「どうしたの、何かあったか?」


レイア「オッオー、ボスト ケンカシタ、フィリピン カエルナ」
どうやらドバイのボスと揉めサラリーをくれないのでフィリピン帰るというのですが、ドバイからフィリピンまでの飛行機代がなくドバイまで送金してくれというのです。

レイアがドバイに行って一年弱ですが、彼女が稼いだお金は全てフィリピンの家族のもとに送金し自分は何も残っていないのです、ワタクシは郵便局からも手数料が安く送金出来るというので試しにやってみましたが、3日たっても指定の銀行に入らないのです、調べさせると仲介する海外の銀行でストップしているのです。


しょうがないので日本に戻してもらう手配をして前回送金した銀行に行くと前回と変わり20桁近い銀行ナンバーや国ナンバー番号が判らないとヨーロッパの一部とアラブの諸国には送れなくなってしまっていたのです、どうにかレイアに電話し番号を聞き出したもののあと2桁が判らず銀行からの送金も断念しフィリピンのレイアの母親のところに急ぎで送金しやっとレイアの下にお金は届いたのです。


もっと簡単な送金方法もあるのでしょうが、数万円送るだけで色々な書類を書いたりの煩わしさ、これでは一般の銀行送金する人は少なくなってしまうでしょう、数日後に戻ってきた4万4千円はあちらの銀行こちらの銀行に手数料を引かれ2万6千円に減っていました、つまらないことで1万8千円がパーです、そんな事など知ってか知らずかレイアは無事にフィリピンに戻りました。


職を失ったワタクシですが昔の警備の仕事に戻りました、もう物を売る必要もない気のいい人情もある昔馴染みの人たちがいる場所でした、以前やっていたので直ぐ仕事も思い出しました、ワタクシに取っては睡眠時間は短いものの楽な仕事でなのでした。


仕事が明けて錦糸町に向かったワタクシ、母親は友人たちと温泉に行ったので、久しぶりにハネを伸ばしに行きました、アンドリアちゃんもルーマニアに帰りその後は行方不明に、足の向くまま気の向くままにフィリピンパブだろうが国際クラブだろうが店にいき歌を歌い帰るだけとスッカリ大人しくなっていました、果たして歳のせいなのか昔に遊び過ぎたせいなのか或いは自分の好みの女性に出会わないせいなのか燃えるものが無くなっていました。


始めていったルーマニア3姉妹の店で3万7千円もぼられてしまったワタクシはカプセルホテルに一泊し朝ベッドから起き煙草を吸いに行くと、なんとそこに3年前にワタクシから310万円騙しとりトンズラした桐田のオヤジが煙草を吹かしていたのでした。



次回に続きます、いつもご訪問いただきまして心より御礼申し上げます。