352.褐色の花嫁.17 | マリンタワー フィリピーナと僕といつも母さん byレイスリー
ワタクシの電話に知らない弁護士から電話が入ってきました、江川さんへの支払いの件で一度話し合いたいというものでした。



大工の江川さん、彼とはワタクシがタイの雪子と付き合っていた時に初めて会い友人となりタイに一緒にいった仲でした、その後、ワタクシが会社もお金がなくなった時期に彼にフィリピンパブを誘われ行ったのがきっかけで江川さんはフィリピーナに填まりワタクシも付き合わされました。


しかし、遊びの資金を作るために江川さんは銀行から1300万円を借りうち600万円をワタクシが運営するという事で株式投資に振り向けたものの江川さんが資金を引き上げ始めたので大幅マイナスとなり利益が出ても損が出ても折半の約束は反古にされ、その責任を擦り付けて500万円の借用書をワタクシに書かせたのです。


その後、現金で渡した分や長年に渡って振り込んだ分も含めて500万円を越えたのでワタクシは送金を辞めました、すると江川さんから電話がありどうして振り込んで来ないのかと問い合わせがあったので500万円の支払いは全て終わったので借用書を返すように求めました。


しかし、彼は「まだ終わっていない」と答えたのです、では残額はいくらあるのかと尋ねてもシドロモドロ、彼は一方的に「払わないなら訴えてやる!!」と息巻いていました、そして1ヶ月後に弁護士から電話があったのです、早く決着をつけたいワタクシは銀座にあるという岡崎という弁護士の事務所に次の日に行きました。


岡崎弁護士はワタクシの言い分を聞いていきました、ワタクシは実際にあった事を順序だてて話しました、しかし失敗しました、事を穏便に済ませたかったワタクシは敵の弁護士に素直に全てを話してしまったのでした、そう、かつて一緒に遊んだ友もいまや敵となってしまったのでした。


その頃会社でも動きがありました、会長の娘が大手食品会社の前社長が送り込んできた経営コンサルタントにいい含められ会長も娘可愛さに古カブ人たちを少しずつ解雇し始めました、まずは長野にある工場の工場長の首をすげ替えました、そしてそれは始まりに過ぎなかったのでした。


その頃ワタクシは新製品の開発を営業の合間に行っていました、工場に依頼しても半年たっても一年たっても何の動きがなくワタクシが自分でやる事にしました、しかし、全くのドシロウトが考えるのですから試行錯誤を繰り返す事になりました、そして今度は総務の部長がクビになりました。

ワタクシはその時に悟りました、娘が入った時点にいた古い人間はいずれ皆クビになると、老齢で持病のある会長の後は娘がいずれ次ぐでしょう、古い人間がいては邪魔になるでしょう、それも会長が決めたことなら仕方ないことです、後はそれまでは自分のやれる事をやるだけの話です。


その後も間隔を空けながら営業マンや工場の社員がクビになっては新しい役に立たない人間が入ってきました、ワタクシは会長に拾ってもらった身なのですが、理想や理念の為に社員たちを切っては入れ返すを繰り返すこの会社にはウンザリもしていました、人を大事にしない会社は人も会社を頼りにしないのです、皆取り敢えずの腰掛けの場しかしないのです、会長はカリスマはあっても経営者としては3流の人だったのです。


そして一年後ワタクシもリストラされてしまいます、ワタクシは新しい商品を2種類作りあげ販売ルートも決まっていたのですが、会社は取り合いませんでした、今年になってワタクシが作った商品からグレードダウンした物が会社から発売されたのでした、4年近くをこの会社は無駄に費やした事になりました。


ある日、妻から出て行く事を告げられました。



次回に続きます、いつもご訪問頂きまして誠にありがとうございます。