『フライ,ダディ,フライ 』 金城 一紀 | 固ゆで卵で行こう!

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フライ,ダディ,フライ (角川文庫) フライ,ダディ,フライ (角川文庫)
金城 一紀

角川グループパブリッシング 2009-04-25
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暴力を受けた娘に手を差し伸べる事が出来なかった鈴木一。

娘の為に、そして自分自身の為に暴力を振るった高校生に復讐しようとするが、間違えて隣の落ちこぼれ高校に乱入してしまった事からゾンビーズの面々と知り合い、そして本当に娘や自分の為になるような復讐ができるように鍛えてもらう事に。

そして一ヶ月半後、ついに娘に暴力を振るった高校生と直接対決する!



“ザ・ゾンビーズ”シリーズ第二作目(一作目の記事はこちら )がようやく文庫化です。

映画化もされて(観てませんが)、ずっと読みたいと思ってたんですよね~。


で、期待に違わず面白かったです!

娘を命を懸けて守ろうと誓ったはずの父親。

事件のおかげでいつしか変わらぬ毎日に流されている自分に気づき、日常からの脱却と解放を描いていく様子は思わず応援したくなること間違いなし!


実際ボクシングのインターハイで優勝するような相手に対して一ヶ月半でただのオヤジが勝てるようになるほど鍛えられるなんて事は、まずあり得ないシチュエーションだとは思います。

けれども、だからこそこういう事があって欲しいと思っちゃうんですよね~。


ゾンビーズの面々と出会い、そして朴舜臣に鍛えられる様子は、ブルース・リーの真似や映画の中のセリフを言い合ったりする場面はユーモラスで楽しく、そしていつしか朴に対して、そしてゾンビーズの面々に対して抱く愛情は鍛えられている立場とはいえ父親のようなものに変わっていく様子も良かったです。


熱く、そして爽快感溢れるオヤジの物語。

カッコイイオヤジになりたいと思う読者には、より胸を熱くさせてくれる事でしょう。