１つ前の記事の続きです。
思い返せば昔から情緒的にムラがあった母。
いろんなシーンが思い出されます。
私が成人してから一番「危うかった」母の状態を思い返してみます・・・。
小学校の教師をしていた母はあるクラスを担当した時
家庭的に問題のある子供がいました。
記憶が少し曖昧ですが
子沢山で知的障がいのあるお子さんもいる、父親が働かない
お母さんが働いて家計をなんとか維持しているが
身体が弱く仕事を休んでしまうこともあり
家計が不安定で給食費が払えないときもある。
そんな一家を母はいつも心配していました。
ちょっとした援助をすることはできても根本的にその一家を救うことなんて
母一人の力では到底不可能。
母はそんな一家のことを学校の教頭や校長に報告し、しかるべき対応をするよう
学校側に要求したのですが管理職（教頭・校長）の答えは
「それぞれの家庭の状況に対し学校はとやかく口を出すことはできない。
プライバシーの侵害に当たる。。。」というもの。
（たしかそういうものだったと記憶しています）
母は当時大学４回生だった私を捕まえては不安で心配な心のうちを
語るのですが当時の私は卒業制作の真っ只中で母の話をゆっくり聞く
余裕など全くありませんでした。
そんな私の状況・態度を母は仕方ないと思いながらも
共感して優しい言葉の１つもないことに対して悲しく感じていたと思います。
ある時、件の一家がいつ一家心中してもおかしくないという状況に見舞われました。
母は話を全く聞いてくれない管理職（教頭・校長）には報告せず
管轄の警察署に相談に行きました。が、警察側も何も起こっていない状況では
たまにパトロールがてら訪問することくらいしかできないと言われ
自分が一晩中見守る訳にもいかず、子供たちはじめこの家族のことが心配で心配で・・・
そしてこのあと間もなく母の様子が明らかに「おかしく」なりました。
母は当時飼っていたネコを抱きしめ、ネコに語りかけ
泣きじゃくり、私が話しかけても聞こうとしない・・・。
正直あまりに異常な状態に私は恐怖を覚え、どうしていいのか
途方に暮れました。
そんな中、家の電話が鳴り
私が電話を受けると相手は母の学校の教頭先生。
私が娘だとわかるといきなり
「あんた娘さんか？あんたのお母さんえらいことしてくれたな。
勝手に警察に連絡入れたりして。あんたのお母さんこの頃おかしいやろ？
ちょっと困ってるんや。」
あまりの不躾な態度と当時学生で母の保護者でもない私がいきなりなぜこのような
もの言いをされなければならないのか理解できませんでした。
あまりに腹が立ったので
「教頭先生は母の話を全く聞かず、大変な状況の子供たちを
放ったらかしにされてるらしいですね。母から詳しく聞いてますよ。
学校がまったく関わらないから仕方なく警察に相談したんだと思います。
今たしかに母はちょっと精神的におかしいです。でもそうなった原因は
あなたにあると思いますよ。もし母に何かあったら私はあなたを訴えますから！」
そう言って電話をガチャン！と切りました。
その数日後、母と学校側は和解しやっと学校側も
大変な状況の一家とコンタクトをとったようです。
そして母の状態も落ち着いていきました。
その後私は母の学校に呼ばれ、うすら笑いの教頭先生と無理矢理
握手をさせられました。
（拒否したかったのですが母の手前我慢しました・・・
この数年後この教頭が病気で亡くなられたと母から聞いたとき密かに
「天罰じゃ！」と心の中でつぶやいてしまった私です。。。）
当時の母の状況を思い返すと「真面目に」大変な状況にいる子供たちを
助けたいと思い行動を起こしたにもかかわらずそれを無視され、
憤りを感じ、でも自分の力ではどうすることもできずに苦しみ
悩み・・・その結果、母の精神状態は平静さを失い混乱してしまった。
同じ状況下にいても全く平気な人もいればそうでない人もいると思います。
なにがどう人の心に影響し、精神（脳）を暴走させ
身体の健康にも直結するか。。。
その１つの事例を垣間見た事件でした。
今思えば後の母が精神疾患に至るパターンを
読み解くヒントなのかもしれません。
遠い記憶の思い出話、長々と失礼いたしました。
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