終末期病気が進行して、腰椎に癌が転移してしまって神経を圧迫し半身麻痺になってしまった。そこから一気に妻が衰弱していき、数ヶ月後には天国に旅立ってしまった。

24時間介護が必要だったので、昼間はヘルパーさんや彼女の親族や家族が来てくれ、夜は僕が看ていた。



そんな時みんなから、今で言う終活のような事を聞いてみたら?と提案された。みんな色々と思う所があったんだと思う。

自分は死を連想させる話題は避けたい思いがあったけど、親族や家族の気持ちを計れなかった。

実際、知っておくのと知らないままとじゃ知っておいた方がいいのかもしれない。

彼女と2人の時、どう質問したのかは覚えていない、多分結構ダイレクトに聞いてしまったと思う。

次の瞬間妻は大粒の涙を流しながら

「忘れないでいてくれたらそれでいいよ」


ただそれだけだった。

「忘れるわけないじゃん!」と言うのが精一杯だった。
大切な忘れちゃいけない思い出。


今も鮮明に覚えてる。妻が息を引き取る瞬間。
大袈裟ではなく全てを失ったと思った。
もう生きてる意味なんて無いと。
今自分が生きているのは、闘病生活の約2年半、必死に生きようとしてる妻を見ていたから。
向こうに行った時、笑顔で会いたいから。
13年自分の周りの環境は物凄く変わったけど、全ては彼女のおかげ。
ずっと俺をいい方向に導いてくれる。
ありがとう。
未だにあの時の選択はこれで良かったのかと考える事があります。

自分の命なら自己責任でどうとでもなりますが、色々な場面で本人に言えずに主治医と相談こそしましたが、夫の僕が最終的には決めていました。

考える猶予もあまり無く、決断した事もありました。
もっと時間があればと思う場面も多々あります。

もっと周りの人に相談出来たなら、終着点は一緒でも経過は違ったかもしれない。

もう7年か…