終末期病気が進行して、腰椎に癌が転移してしまって神経を圧迫し半身麻痺になってしまった。そこから一気に妻が衰弱していき、数ヶ月後には天国に旅立ってしまった。

24時間介護が必要だったので、昼間はヘルパーさんや彼女の親族や家族が来てくれ、夜は僕が看ていた。



そんな時みんなから、今で言う終活のような事を聞いてみたら?と提案された。みんな色々と思う所があったんだと思う。

自分は死を連想させる話題は避けたい思いがあったけど、親族や家族の気持ちを計れなかった。

実際、知っておくのと知らないままとじゃ知っておいた方がいいのかもしれない。

彼女と2人の時、どう質問したのかは覚えていない、多分結構ダイレクトに聞いてしまったと思う。

次の瞬間妻は大粒の涙を流しながら

「忘れないでいてくれたらそれでいいよ」


ただそれだけだった。

「忘れるわけないじゃん!」と言うのが精一杯だった。
大切な忘れちゃいけない思い出。