『空気の雫』   前田和守 | 前田和守~rabypooh~のブログ

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エッセイ・詩・日記など気ままに書いています。

梅雨明け前の 湿った日

降るともなく 晴れるともなく

空気の粒が 雫になって

体に 心に まとわりつく

一日の始まりは 霧のような 空の下

一日の終わりも 霧のような 夜の中

垂れ込める雨雲は 覆い被せた 蓋のよう

入ることも 出ることも 閉じ込めさせた 空の蓋

灰色と黒と 水と重りと 墨絵のように 滲む蓋

重い体と 重い心と

重い空気と 重い空と

すべては 梅雨の せいにして

少しの間 雨よけの下で

通り過ぎるのを 待つ思い

重い思いを 背に肩に

通り過ぎるを 待つ思い



雨雲の向こうに  夏の空