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「やさしいオトコと言われたけれど...」のＯさんはその典型でした。
私が、ほんとは北口っていうんだよ、と名前を教えたあとも私のことを「北口さん」と呼ぶことは一度もありませんでした。なんとなく白々しく感じるので「どうして？」と聞いたら
うっかり事務所や待機所で北口というお名前を出したりするとご迷惑をおかけすることになるかもしれないので二人だけのときも北口さんとは言わないようにしているんです。
と話していました。
また、Ｏさんは他のお客さんの気配もまったく感じさせず、
Ｏさんには私の他には常連さんはいないんじゃないだろうか、そんなことでお仕事としてやっていけるんだろうか？
と本気で心配したものです (^^;;
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一方Ｎさんに、オレ○○って名前で予約しているけど、ほんとは北口ていうんだ、と話したらＮさんは携帯を取り出しなにごとか始めました。何をしてるのか気になって聞いたら、
あたしね、お客さんの本名を聞いたらアドレス帳の「○○さん」ってなっているところを「○○（北口）さん」ってしておくんだ。
と答えました。もちろんそれからは私は「北口さん」と呼ばれています。
Ｎさんは
私のお客さんに○○の仕事をしているらしい人がいるんだけどさあ
みたいな話をヘーキでします。そういう話を聞くたびに
Ｎさん、オレのことを他のお客さんにどう話しているんだろう？
と背筋が凍ります (^^;;
業界の女性としてはちょっと非常識なように思うのですが、あるときその理由に気がつきました。以前話しているときＮさんはこんなことを言ったことがあります。
あたしは風.俗で働くことを悪いこととも恥ずかしいこととも思わないわ。
おそらくＮさんは
女性が風.俗で働くことが悪いことでも恥ずかしいことでもないように、男性が風.俗で遊ぶことも悪いことでも恥ずかしいことでもない
と思っているのでしょう。
別にこそこそ隠れて遊ぶことないんじゃないかしら
Ｎさんがそう言っているように思えました。
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Ｏさんからは一度シリアスなメールをもらったことがあります。それには
風.俗で働くことは悪いことなんでしょうか？
と書かれていました。なんとなくＯさんに元気がなかったことを思い出した私は一生懸命考え、まず私が北口に遊びに行く理由をメールで送り、翌日風.俗で働くことはけっして悪いことではないという論旨の長文のメールを送りました。
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Ｎさんのお店のサイトに行くとＮさんのプロフィール画像があります。とうぜん顔の部分にはぼかしが入っているのですが、Ｎさんの画像はぼかしが薄くＮさんを知っている人がみたらすぐにＮさんと気がつくような画像です。Ｎさんの、悪いこととも恥ずかしいこととも思わない、気持ちの表れのようにも思えるのですが、Ｎさんのお父さんがそれをたまたま見てしまったら、と思うと気が気ではありません。
（続く）
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