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平清盛第14話「家盛決起」Vamos流解釈1 源平いずれも一門に亀裂が生じた!編
の続編です。
※使用した画像はNHKの公式HPや、録画したドラマの
データから抽出して利用しております。
全て批評目的の引用であり、他意はありません
場面は賀茂臨時祭。本来なら清盛が舞いを奉納するハズでしたが、
前回の祇園闘乱事件で軽いながらも処罰を受けた清盛は任から外され、
代わりに清盛の異母弟家盛が舞いを奉納する場面です。
祭りが始まる前に、
鳥羽法皇&国母(帝の母親)得子VS藤原摂関家の忠実&頼長親子の
バトルシーンが入ります。
藤原忠実(ただざね=頼長&忠通兄弟の父)
「よほど呪詛されたいとお見受けいたします。
我らの進言をお聞きいれにならず、
清盛を軽き刑で許したかと思えば、
弟家盛に大役を担わせるとは」
忠実の言う「軽き刑」とは、※関連記事
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平清盛第13話「祇園闘乱事件」Vamos流解釈7 鳥羽法皇の一人芝居?編
で述べた銅30斤の罰則という、現在で言えば罰金刑を
忠盛・清盛親子に課したことを指します。お金持ち平氏に
とってはなんてことのない罰であったので、
「軽い処罰で済んで良かった」と平氏一門は喜んでいたのですが、
「叡山の言い分を認めて流罪にするべき」と主張していた
この摂関家の親子にとっては不満タラタラな内容でした。
ですから忠実はこうしてネチネチと法皇を脅迫絡みの
攻撃ならぬ口撃をしてるわけです。
タフマン白河法皇亡き後、結構強気な忠実卿です。
「これが朕の政(まつりごと)じゃ
よう心得ておけ」
「呪詛されたいようですな」という忠実の脅しに屈せず、
やり返す鳥羽法皇。こちらも白河法皇の呪縛から逃れんと、
必死なんですよねぇ...。
引き立てることとお見受けいたします」
「摂関家の栄華よ、もう一度」という父忠実の期待の星である
悪左府頼長。史実での彼は、院の勢力を弱めるべく
院の近臣達と男色の関係を結び、院の勢力の切り崩しを
図っていました。院政の特徴は摂関家を始めとする
藤原氏の勢力を抑え、代わって平氏を始めとする
武士達を引き立てることで、「治天の君」と呼ばれた
上皇(=院。院が出家したのが法皇)が実権を握ったことです。
院政をにたいして否定的意見の持ち主である頼長ですので、
口上は丁寧ながらも嫌みたっぷりな言葉を鳥羽法皇に
投げかけたのです。
「それは私のことを言っておるのか?」
頼長「はて?何か心当たりでも?」
態度は上品で、相手に尊敬の意を表していますが、
内心はドロドロ。金麦璋子様がお隠れになり、朝廷昼ドラは
新たな局面に突入したことが分かる描写です。
である兄の松ケン清盛を退場させて、家盛がピンチヒッター
として登場したのは絵的にも正解といえましょう。
しかし古い話をぶり返して何ですが、第二話「無頼の高平太」
の石清水八幡宮の臨時祭で清盛が舞ったシーンとは
えらい違いだ
まぁこんなどうしようもない舞いを披露するくらいなら、
家盛に譲った方がずっとマシというもの。
NHKの公式HPの第二話「無頼の高平太」あらすじでは
>石清水八幡宮の臨時祭が行われた。
舞人に選ばれた清盛は、白河法皇たちの前で華麗に舞う。>
と書かれていますが、どうやらこのドラマにおける松ケン清盛が
華麗にこなせる優雅な事柄は、剣舞だけとNHKの制作者は
考えているみたいですねぇ...。
あの時は清盛が刀を抜いて剣の舞を始め、
刀を投げ捨てたかと思えば、当時鱸丸と名乗っていた
盛国に伝説の剣たるパパ盛からもらった
宋剣を投げ入れさせてわざわざ武器を持ちかえて、
タフマンもののけ白河法皇を睨みつけて舞いの舞台を飛び出し、
このドラマでは清盛の実の父とされているタフマン
白河法皇の眼前に剣を突き付けるという
あまりにあり得ないシーンが展開されてたからなぁ...。
制作側が多少は心を入れ替えたのか、
それとも家盛にはオーソドックスな舞いをさせて、
主役の清盛の型破りさを強調したかったのか
何とも言えませんねぇ...。
ドラマの内容に話を戻します。家盛を馬鹿にしていた頼長でしたが、
「知っておるか?家盛は正妻(宗子)の子。
その忠実パパンの言葉を聞いた頼長の顔に不敵な笑みが浮かぶ。
この時、家盛は頼長にロックオンされた
しかし、舞台で舞っている家盛はそんな頼長の視線を知る由もなかった...。
立派に舞いを奉納した家盛を褒めちぎる声で満ち溢れます。
そんな時、何かにつけて清盛と対立している忠盛の弟忠正が、
内大臣頼長が家盛を屋敷に召したいと言ってきたことを伝えます。
家司の家貞は「家盛のお手柄」と褒め称え、
ミキプルーンパパ盛もご満悦。
当の本人家盛も素直に喜んでいます。
この時の彼は、彼は己を待ち受ける運命を知らない...。
皆が皆家盛を褒め称えているので、ふて腐れている清盛。
町を歩いていたところ、同じく家庭の事情で悩む義朝と遭遇します。
それにしてもこの清盛と義朝のやり取りは...。
「ライバルというより、実は仲の良い喧嘩友達」
っぽくなってきている二人の関係です。
それにしても邪魔くさそうで携帯性の悪い伝説の剣的アイテムの宋剣です...
義朝は「父為義の言いつけだったので、内大臣頼長の警護役として
賀茂臨時祭の場にいたが、牛車の中に娼(しょう)を山積みにしていた
頼長という人物が気に入らない」と語ります。ここで義朝が語った
娼というのが遊女のことをさすのか、それとも男娼を指すのかは
分かりませんが、東国の荒々しい武士社会で経験値を積んできた
義朝には理解不能な振る舞いなんでしょうね。
義朝が「あのような男(頼長)には仕えとうない」と言った
ことに対し、「初めて気が合ったのう」と答える清盛。
マイナス思考から生じた事態ではありますが、
ある意味清盛&義朝の反頼長同盟成立の時です。
それに従おうとした清盛。そんな二人の前に、
マッチ売りの少女酒売りの少女が現れます。彼女は
「母が病気なので、酒が売れないと身売りするしかない」と訴えます。
義朝「お前が買ってやれ」清盛「人助けが出来んのか
」
コントと化した二人のやり取りを目にして、
己を取り巻く貧乏という名の不幸を忘れ、ほほ笑む少女。
その顔を見た義朝は、目を見張り...
「俺が買う」と言って少女の前に瓢箪を差し出します。
完全にこの少女に一目惚れしてフォール・イン・ラブ状態な義朝。
何とも分かりやすい男として描かれております。
ナレーション(頼朝)
その美しいお方は、後に我ら源氏の行く末に
大いに関わってくることとなる
名前こそこのシーンでは出ませんでしたが、彼女こそ後に妾ながらも
義朝の最愛の女性となり、今若(後の阿野全成)、乙若(義円)、
牛若(後の源義経)の三兄弟を産んだ常盤御前その人です。
とりあえずこの記事のまとめ
・鳥羽法皇と藤原摂関家の忠実&頼長親子との間で熱いバトルが
・家盛が無難にこなした賀茂臨時祭の舞いと、清盛が第二話で
奉納した石清水八幡宮を舞台にした剣の舞とでは全然違いすぎるだろ
・頼長にロックオンされた家盛ですが、そうとも知らずに
内大臣に気に入られたと喜ぶ平氏一門と、ふて腐れる清盛
・「悪左府頼長には仕えたくない」ということで、
初めて意見が一致した清盛と義朝、
・これまでは政略で妻を娶って子を産ませてきた超肉食系の義朝が、
常盤には政略抜きのマジ惚れでフォール・イン・ラブ状態に
といったところです。続編の
平清盛第14話「家盛決起」Vamos流解釈3 頼長無双&哀れ家盛!編
に続きます。
「頼長にロックオンされた家盛
」に同情しちゃうなぁ
&義朝が常盤に一目惚れのくだりが微笑ましいというか、笑えるというか...
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